九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

新潟湯めぐり

さて最終日は,湯めぐりをお送りします。

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左:野沢温泉街を散策。このあたりが横落〔よこち〕という中心地になるようです。
右:美味しい野沢菜で有名なお土産屋さん。都会の有名店にも出荷しているとのこと。

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左:そして新潟に戻り,念願の月岡温泉へ。橋の色からして粋な計らい。

右:これが噂に聞く月岡エメラルドグリーン。「バスクリンでも入ってるの?」的な色合いです。この色合いの温泉は初体験なのでワクワク。

ここ月岡温泉は全国でも珍しい硫黄型の硫黄泉で,硫化水素イオンを主成分としています。このイオンはpH3.0内の酸性域ではイオンとして存在できずガスとして放出されるため,アルカリ性の湯の中に存在することが多い傾向にあります。他では,岩手の国見温泉,青森の新屋〔にいや〕温泉などが有名です。

※硫黄泉には二種類,硫化水素型〔硫化水素ガスが主成分〕と硫黄型〔硫化水素イオンが主成分〕とがあります。硫化水素型は,一般的にイメージする硫黄泉です。強烈な硫化水素臭,白濁した湯,のあれです。酸ヶ湯〔青森〕,乳頭〔秋田〕,万座〔群馬〕,赤川〔大分〕,新燃〔鹿児島〕などで,源泉は総じて高温となりますが,大分の赤川は珍しく冷鉱泉の硫黄泉となっています。

また,月岡温泉は,塩化物泉でもあるので,硫黄分と塩化物という共存しにくい成分が,アルカリ性の中で絶妙な塩梅で共存しているのも特筆すべき点で,表皮殺菌,血行促進,保温性,肌への低刺激,と稀に見る効能豊富な湯です。

さらにこの色合いは,多硫化イオン(黄色)と炭酸カルシウムによるレイリ―散乱〔青空が青く見えるのと同じ現象〕による青色が混ざり合ってこのように見えていると推測します。九州ではシリカ成分によるレイリ―散乱で青色に見える湯が,別府〔鉄輪〕,湯布院〔奥郷の湯〕,小国〔豊礼の湯〕などに存在しています。まさに自然の妙が成せる奇跡ともいうべきものではないでしょうか。

ただこのような湯は効能が高い分,身体への影響もそれなりに大きいので,長湯は禁物です。一般的には15分程度だと言われています。このような湯の効能は入湯時間に比例しないので,名残惜しくはありますが,身体の芯にダメージが残らないうちに上がるのが最善と言えます。効能を求めて長湯しすぎると昨冬の私のように,気づかないうちに湯疲れを起こし,回復に時間を要しますので,くれぐれも注意されて下さい。

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左:月岡でトロトロになった後の〆は,出湯温泉の華報寺温泉。ここは別府の亀川温泉・薬師湯と似ていて,境内に湯場が設けてあるという,ユニークな湯です。泉質は無色透明,滔々と湯が溢れる単純放射能泉です。

放射能泉はホルミシス効果という細胞活性化作用があり,身体の芯から汗が噴き出してきます。同県の栃尾又,鳥取の三朝,佐賀の熊の川などと同じ湯です。放射能泉に浸かると湯面や身体に微小で白っぽい泡が付きます。これは炭酸泉のはじけるような泡とは違うと思うのですが,これが何なのかは未だ解明されていないそうです。

右:今年のあっという間にだった。また,来年も状況次第ですが,利根川本谷の予定にしています。

★次回は沢をお送りします。場所は未定。

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魚野川 中ノ沢 DAY❸ 〔下山・大沼~切明〕

さて今日は下山と移動の日。夜半から降り出した小雨が今なお降り続いている・・・。やはり,昨日のうちに脱渓していて正解だったなと思う。

ゆっくり支度を済ませ,長い下山ランに備える。雨がちな天気で眺めは冴えませんが,一期一会,信州のこんな山奥を走るのは滅多にない好機なので,楽しんで走りたいと思います。

ではどうぞ。

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左:早朝の大沼。ロケーションはバッチリ。
右:予報通り今日から崩れた天気。

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左:まずは沼畔道を走り出す。

右:きれいに整備された道。切明まで30km以上ありそうなので,まずは目の前の1km,1kmをじっくり積み重ねていくしかない。

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左:ここは日によってコバルトブルーに見える時もあるようです。
右:そして池尻。ここまでは許可車は来ることができるようです。

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左:そしてお次は林道。早朝ランは爽快。
右:途中からトレイルへ。九州とは雰囲気の異なる森を走るのは悦楽。

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左:森を抜け車道へ。ここからはロードです。

右:騒がしい主要道は避け地図上にある迂回路的な道に入るが(最初は普通の道だった),これが大間違い。そこは草ぼうぼうの激しいヤブと化していた。「今日も朝っぱらからヤブ漕ぎ?」って感じで思わず笑ってしまう。

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左:発哺〔ほっぽ〕温泉分岐。もう主要道しか走らないぞ!あんなヤブは二度と御免です。

右:志賀高原第二トンネル。雨に濡れず快適。

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左:そしてトンネルを抜けると志賀高原へ。
右:ここまでで約7,6km。ここからは下り基調なので,気が楽になる。

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左:看板に「秋山郷33km」の文字が・・・まあ焦らず走るしかない。
右:高地特有のシラカバ林は,幹の白さが際立ち,楚々とした感じがいい。

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左:どこまでも続く道。一歩一歩をいかに怠らずに積み重ねていけるか,無力な自分にできるのはそれしかないと思っています。

右:そして奥志賀高原へ。14km地点。ここからはさらに道が狭くなります。

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左:カーブミラーで自撮り。こんな感じで走っていました。

右:雑魚川〔ざこがわ〕を渡る。ここは国内でも珍しい,天然イワナが自然抱卵する場所のようです。

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左:中央高地の森だな~と思いつつ歩を進める。
右:時にはこんな樹木も。

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左:200m毎にあるこの距離ポストが先へ進んでいる励みになる。

右:林道脇にはブナ林も広がる。ブナがこんな場所にあるなんて,九州との緯度の違いを実感させられます。

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左:そしてとうとう雑魚川林道との分岐へ。21km地点。右手から来て左手へ向かいます。

右:雑魚川林道は,林道というものの立派に舗装された車道です。

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左:サラサラ沢の所にあった一際高い巨木。
右:こちらは鬼沢の一本手前にある支谷に懸かる20m滝。

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左:意外に登りの多い林道を進み,最高地点を越えた先から,とうとうゴールの切明が見えた。尾根の落ち込み角度や,山腹の傾斜〔特にたわんだ個所など〕などを覚えておくと,初見でも場所の見当がつけられます。

右:ちょっとした高地ランを味わえる区間。

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左:左手には鳥甲山〔とりかぶとやま〕の岩壁が聳える。ここは第二の谷川岳とも呼ばれているようで,東面には断崖が連なっている。この手の山の情報は,やはり書物の知識だけではなかなか得られない。

右:ゴールがさらに近づく。やった~とうとうここまで来たぞ。

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左:そして切明の雄川閣へ下る三叉路へ。33km地点。ここを右に下ればおしまいです。もう6時間程走っているが,あっと言う間だった。光陰矢の如し,行き交う時もまた旅人なり・・・。

右:やっぱりシラカバ林は美しい。

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左:そしてこのカーブを左に折れると・・・
右:切明橋が目の前に。今日も走り通せた。

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左:今日の水量。
右:二日前の水量。わずかながら減水しているようです。

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左:雄川閣を過ぎて,

右:坂を400m程こなすと,出発地点のゲートが見えてきます。これにて下山完了。距離36,6km / 6時間4分の下山ランでした。

日頃から行っている遡行+下山ランというスタイルを,ここでも実践でき嬉しく思います。きっと一生に一回のことだから,自分なりに気持ちを込めて走ったつもりです。日頃の3倍の15kgのザックは確かに重かったですが,また一つ良い経験を積ませてもらいました。

なお魚野川の下山に関しては,

❶志賀高原に車か自転車を事前にデポしておき,下山はそれを利用
❷高天ヶ原〔たかまがはら〕,志賀高原のところからタクシーで帰る(約50分/14,000円程)
が現実的でしょう。実際に,遡行前に会話をした埼玉の人は,自転車を事前にデポしてきたと言っていました。

さっ,ここからは湯めぐりといきましょうか。

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左:まずは小赤沢温泉。この外観から本物感が溢れています。

右:見た目で鉄泉とわかりますが,驚くべきは,その塩分濃度。大分の山香温泉とまではいきませんが,濃厚な苦みも味わえるという,鉄泉+塩化物泉という九州にはないような泉質でした。効能は保温効果と表皮回復です。

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左:そして雄川閣。
右:ここは普通の単純泉でした。

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左:奥志賀林道を走って野沢温泉までやってきました。
右:こじんまりとした温泉街です。

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左:ちょうど神社で盆踊りをしていたので,記念に。こういう地元の祭りを見学させてもらうことで,その地のことが体に染み込んでいきます。

右:今でも利用されてる麻釜〔あさがま〕。温泉を利用した生活の場です。

ここ野沢温泉は,13の外湯〔共同浴場〕があり,無料で利用できます。いくつか回りましたが,単純硫黄泉という泉質上,源泉温度が非常に高く,とても入ることはできませんでした。ある湯では,「ぬる湯」と「あつ湯」とがあり測温してみると・・・「ぬる湯」は46.1℃,「あつ湯」はなんと50.1℃・・・。これには絶句。とても入れるような温度ではなく,42度を超える温泉は心臓への高負担と血液粘化を起こしやすく,交感神経に作用し身体が覚醒すること以外,体にいいことはほとんどないので,無理には入りませんでした。他に入浴客がいない時に膨大な水を湯船に注げば入ることはできるでしょうが,そうすると温泉成分が薄まってしまうので,逡巡するところではあります。いずれにせよ,野沢温泉は,熱湯好きに方にはたまらない温泉と言えます。冬のスキーの時期なんかは特にいいんではないでしょうか。

という感じで今日も無事に下山。大きな事故やケガもなく魚野川の遡行を終えることができて感謝です。

魚野川は書物で知っていたものをはるかに凌駕する秀渓でした。ここは速足で駆け抜けるような沢ではなく,じっくりと自然に溶け込み,そのありがたさを痛感しながら遡行する渓だと感じます。人が使う言葉では表現しきれないものが,ここには未だに存在している・・・そんな国宝的な渓ではないでしょうか。天候不順の中,なんとかうまい具合に遡行させてもらったことに心から感謝したいと思います。

★明日は新潟に戻り,温泉巡りをする予定です。

沢(本州) | コメント:0 | トラックバック:0 |

魚野川・中ノ沢 DAY❷ 〔イワスゴゼン~大沼〕

さて遡行2日目です。今日は数々の滝〔ゼン〕を越えて,中ノ沢経由で赤石山頂。そして大沼までの下山となります。

今日も天気が持つことを祈りながら,それでも魚野川を堪能しながら遡行できればと思います。

ではどうぞ。

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左:昨日のイワナ。同じ場所で餌を待っている。おそらく彼の定位置なのだろう。素晴らしい魚野川の自然が,未来へ引き継がれていくことを祈るばかり。

右:今回のテントはファイントラックのカミナ1。コンパクトで軽く,居住性も良く,言うことなし。

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左:一晩お借りしたテン場。もう二度と来ることはない地。一期一会の意味をかみしめる。ありがとうございました。

右:50mも行くと【イワスゴゼン5m】。右手の赤線の草付きを登れます。

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左:その上は広々としたナメ。朝一から爽快な気分にさせてくれる。
右:ナメの奥にある【スリバチゼン2m】。かわいらしい小滝。

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左:ナメを振り返る。
右:そしてまた振り返る。何度見でもしてしまうほど美しい場所です。

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左:川底まで透き通っている釜【シンブチ】。
右:素晴らしい。

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左:この辺りは魚野川で一番の見所だろうという予感。

右:そしてお次は【ヘリトリゼン2m】。これもかわいい小滝。釜にはそれなりの型のイワナがうようよしています。実に羨ましい。

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左:またナメ。
右:ここも美しくて言葉が出ない。

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左:右手に奥ゼン谷を見て進むと森の中の流れへ。

右:こんな感じが魚野川の基本的な渓相。

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左:そして左手から小ゼン沢が出合うと本流に【燕ゼン4m】が懸かる。この滝は今までのナメ滝と異なる形状をしている。右手の岩場を越えていく。

右:再び河原。徐々に身体が目覚めていく。

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左:【燕ゼン】の上流300m程上流左岸に良いテン場あり。増水で洗い流されていましたが,平地の良い場所です。昨日,ここまで来ても良かったかな~とも思ったが,まあいいか。

右:そして美しいトロの登場。凝灰岩の造りだす淡い緑はやさしい雰囲気を漂わせています。

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左:【オッチラシ】と呼ばれる庄九郎沢付近のナメ。ここもまた筆舌に尽くしがたい。
右:ふと岩手の葛根田川を思い出す。岩質,ナメの感じ,とよく似ています。

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左:雲がばらけて日が射しこむと渓は輝きを増す。

右:う~ん,本当に言葉にならない。曇り気味の天気でもこれだけ美しいのだから,晴れの日なんかはあまりの美しさに卒倒しそうな気がしてくる。

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左:5m斜滝。急に狭まり始め,何か出てきそうな予感。

右:すると真打【庄九郎滝8m】の登場。左壁が登れそうだが,この水量では無理。大人しく右から入るガリーを巻く。

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左:ガリーの途中から。このガリーは上部に斜滝を懸けており,高度差で約40m,その上まで登り左へ少し歩くと尾根に出ます。あとは,その尾根上を谷に向けて下り(左右は切れている),最後,右手に逸れて歩いて下ると復渓です。

右:庄九郎滝上からは【ゴウトウ〔上のゴート〕】と呼ばれる急ゴーロになり,グイグイ登って行きます。途中にはこんな5m斜滝なんかもあります。

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左:3m滝。

右:そして登りきると再び平流へ。【ゴウトウ】は全体を通して良いアクセントになっていると感じる。

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左:言葉のない感動をデジカメに収めていく。
右:一際目を引いた切り立った側壁。

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左:だんだん流れが細ってきた。
右:水質は文句なし。

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左:1570m地点のヘアピンカーブ。
右:まだまだ平流は続きます。

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左:3m滝を越えると・・・
右:また平流へ。どこまでもたおやかな魚野川です。

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左:こんな深い釜もまだある。もちろんイワナたちが大勢たむろしています。
右:芝沢出合付近の平流。

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左:芝沢の上流100m程の右手にテン場あり。その付近にあったもの。久々の人工物。

ここで一つ。これだけ自然の残る貴重な魚野川ですが,唯一残念に思ったことは,理由はわかりませんが,所々にブルーシートの切れ端が引っかかっているのを見たことです。この芝沢から上では見かけなかったので,恐らくこの付近で流されたものが,下流に流されたものだと思われます。私が見ただけでも6カ所はありました。少しでも持って帰れば良かったな・・・と今になって後悔しています。

右:もう源流の様相。本来ならこの辺りでもう一泊してゆっくりしたいですが,天気が崩れていっているので,仕方ありませんが,今日中に抜けるつもりです。

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左:2mスダレ滝。
右:そして南ノ沢との分岐。ここにもテン場がありました。北ノ沢を進む。

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左:小滝と釜。

右:【追詰ノ滝】。文字通りイワナを追い詰めて捕まえ,この上流に放流したことからの命名のようです。

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左:源流部にしては水量が豊富。
右:なんか似たような写真ばっかり撮っている気がする・・・。

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左:さっきから日が射しているので気持ちいい。
右:これこそ夏の渓の一コマ。

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左:そして北ノ沢と中ノ沢の二俣。遡行は赤石山山頂で終わりたかったので,左の中ノ沢に入る。最後まで思いに忠実でありたい。

右:中ノ沢はこじんまりとした雰囲気。

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左:こんな平流や・・・
右:なんとナメまで用意してあります。

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左:またナメ。なかなかいいの~。

右:そして1865m二俣。ここの左俣にはこの8m二段滝が懸かりシャワークライム。ここが技術的に一番難しかったところでした。

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左:徐々に両脇からヤブが迫って来る。

右:最後の俣。1942m地点。赤石山頂まであと標高差で167m。いよいよ最後のヤブ漕ぎ区間。

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左:これは全然薄いヤブ。

右:こうなると忍耐の時が始まる。しかし,ここで力まかせで漕いでも息が上がり,イライラして,文句の一つでも叫びたくなるだけです。ネマガリタケの集合根の場所を見極めそこは避けて歩く。ヤブの被さっている位置で,束毎上に持ち上げたり,脚で踏みつけたりして空間を作って,ゆっくり行けばイライラせずに漕げる・・・これまでで得た教訓です。九州のスズタケと異なりネマガリタケは弾力性に富み太いので,数本でも体に引っかかると思うように体を動かせません。

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左:そして赤石山頂。結局50分ほどのヤブ漕ぎで済みました。

右:山頂からは大沼が見下ろせた。この眺めを期待していただけに,なんとかもってくれた天気に感謝。ありがたく見させてもらいました。

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左:午後になると急に雲が湧きだしてきた。崩れる予兆。
右:大沼までの登山道。さっきまでのヤブ漕ぎと比べると,なんと快適爽快なことか。

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左:万感の思いで赤石山を振り返る。
右:どんどん下って行く。

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左:そして大沼に到着。ここは火山活動による堰止湖で,世界で初めて強酸性湖という言葉が使われた湖だそうです。

右:今宵のテン場。遡行と下山の完了で,今日に感謝。

★明日はいよいよ下山です。天気が心配ですが,最後まで自分のスタイルを通し,ここから切明まで走って帰るつもりです。

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魚野川・中ノ沢 DAY❶ 〔切明~イワスゴゼン〕

さて遡行初日。昨夜から降り続く小雨に気が乗らない起床。とりあえず支度して天気の動向を伺う・・・

すると雨は上がり,鳥たちが鳴き始め,山腹のガスも上昇し始めたので出発を決意。今日と明日の天気にかける。

ではどうぞ。

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左:ここからゲートのある林道へ入る。
右:しばらくは車も走れるような路面。15kgの荷をからっているがジョグで進む。

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左:約1.5kmで吊り橋を渡る。対岸を約200m登る。
右:道はジグを切ってあり徐々に登っていく。それにしてもよく整備された道だ。

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左:ふいに登りきると休んでくださいと言わんばかりの椅子があった。先は長いので,ジョグ再開。

右:入渓地の渋沢ダムまでは,このような水平歩道が続いていく。

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左:樹間から切明橋が見えた。
右:岩場ではこのような場所もある。

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左:道脇でタマゴタケを発見。見た目に反して食用です。
右:朝からこんな場所を走れるとは爽快。

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左:第一トンネル。中は長いのでヘッドランプが必要です。これを抜けると渋沢ダムまでは一投足。

右:そしてついに見えた渋沢ダム。2時間15分。案内板では切明から9km,GPSでは8,640m。走れば程よいアプローチでした。

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左:いや~頭の中でしか存在しなかったものが今目の前に。感動です。

右:対岸へ渡る橋上から。途中であった下山中の二人組によると,昨日まではとても遡行(釣行)できる水量ではなく,出発したパティ―もすぐ先の千沢までも行けずに引き返してきたらしい。ちなみに今日は二人組×2パーティーが出発したとのこと。

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左:ダムを過ぎて渋沢を吊り橋で渡る。少し行くと左手に小屋らしきものがあるので,そこから20m進んだ右手にピンクテープのある所から右手の川に向かいます。

右:そして魚野川に降り立つ。明らかに増水しているが,憧れの一つであった魚野川にいるということで気分も高揚。この程度の増水ならいけると確認。

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左:今回の装備。軽量化した快速遡行。

右:いよいよスタート。天気は回復傾向にあり,なんと青空まで見えてきた。山の神様,ありがとう!

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左:まず千沢までは川幅いっぱいに水が流れる。
右:思わず振り返ってしまうほどの美渓。

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左:そして15分で出合い。千沢の方には二人組がいたようで,この先で諦めて引き返してきたようだ。

右:千沢出合から100mも進むと【桂(かつら)カマチ】と呼ばれる廊下帯。長さ50m,幅5mに狭まった場所で,ここで太腿まで水量があるようなら遡行は厳しくなるらしい。今日の水量は,どこで計るかによるが,おおむね膝上~股下。これから減っていくことを期待して先に進む。

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左:これこそ思い描ていた魚野川,的な渓相がそここにある。
右:ほどなく【箱淵】。水量が少なければ泳いでいけそうだが,今日は無理。右手から巻きに入る。

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左:巻きを終えいったん河原に降りて振り返る。
右:そして【不動コイデ】。再び右巻き。

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左:夏の渓には青空が良く似合う。
右:イワナがあちこちで走り,魚影が濃い。さすが魚野川。

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左:何でもない平流でも絵になる。
右:これも。

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左:噂に違わずここは名渓ですね。
右:河原はのんびりと遡行。

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左:特に難所はないが,渡渉は場所を選ばないとすぐに流されてしまうので慎重に進む。
右:高沢出合(左が高沢)。ここの右岩のへつりは今回最も厳しかった場所だった。

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左:高沢と魚野川の間の尾根上にあるテン場。ここは水も取りやすく眺めも良い。時間があればぜひ泊まっていきたいような場所だった。

右:まだまだ水量は減らない。

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左:そして魚野川最初の滝である【大ゼン6m】。高沢出合いから150mほど行ったところにあります。ここは右手の岩場を容易に越えていきます。ちなみにゼン(セン)とは,この地方の言葉で『滝』を意味します。

右:美しいナメも登場。

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左:再び河原。これが基本的な渓相。

右:柱状節理の岩壁。この付近は凝灰岩なので,森の感じとあわせると霧島山系の沢に似ています。

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左:そして「もうそろそろかな・・・」と思っているとタイミングよく表れた【ナマリ岩】。珍しい奇岩です。ここも左に砂地があり泊まれそうです。

右:ナマリ岩から100mも進むと右から高沢が出合います。ここで二人組と会う。彼らは今朝出発したパーティーの一組で,今日はここで泊まるそうです。まだ13:30なので,明日のことを考えてもっと先まで進む。

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左:幾分水量は減ってきましたが,まだ油断はなりません。
右:しかし,この渓相にも慣れて次第に飽きてきた・・・なんとも贅沢な。

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左:上流に人工物が全くないので,水は極めてきれいです。
右:こんな釜もあります。

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左:ちょっとした岩ゴーロもあります。

右:すると右から15m斜滝をかけて支谷が出合い,そこから50mも行くと【カギトリゼン4m】の登場です。川幅一杯に水を落とし見事です。ここは左の壁際が登れそうでしたが(上部にトラロープあり),途中で行き詰る可能性もあったので無理せず,右巻き。下流の右支谷の出合いから巻き始め,支谷に入り尾根を越えて復渓します。

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左:いい時間になってきたのでテン場を探しながら進みます。

右:するといい場所が。増水には耐えられませんが,天気が安定しだしたので,今日はここで投宿。

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左:するとテン場から50mも上流には見事な滝がありました。これは【イワスゴゼン5m】です。

右:幅広のカーテン滝は,美しく見事な造形でした。

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左:放り投げたミミズをくわえる瞬間のイワナ。タイミングよくいい写真が撮れました。

右:そして今日の釣果。本当は二匹頂こうかと思っていましたが,殺生は最小限にとどめたかったので,この一匹だけをありがたく頂きました。肝心の釣りの方は,もうたまらないくらいに釣れました。ポイントに投げると釣れるのは当然ですが,同じ場所で複数匹釣れるのなんかも,他ではありえないでしょう。あきれるくらいに豊穣な魚野川です。

と今日はここまででした。予定よりだいぶん進め,ひと安心。明日は一気に抜けて志賀高原の大沼までいく予定で行動計画を立てます。ここはもっとゆっくり遡行する渓ですが,天気がこうも不安定だと仕方ありません。

★明日は,DAY❷ 〔イワスゴゼン~大沼〕までをお送りします。天気がもつことを祈るばかりです。

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魚野川・中ノ沢 in 中津川 〔長野県〕

さて今年のお盆は,天候が悪い利根川を断念し,魚野川を遡行してきました。

まずは移動からです。ではどうぞ。

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左:早朝にいつもの朝練をやってから出発。
右:四国の来島海峡を見下ろす。

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左:大阪の街並み。いつ見ても広い。
右:神戸の六甲山。ここもいつかは東西の縦走をする予定。

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左:三度目の新潟に降り立ち,松之山温泉へ。ここは薬湯として有名です。

右:鷹の湯を頂く。湯は薄緑色で,初めて嗅ぐ匂いがする。これがメタホウ酸の匂いなのか。塩味も強烈で,総成分量もゆうに10g(10,000mg)を超えている強烈な湯感がある。体液成分が8,000mg程度なので,それを超える高張性の湯だと体の中にお湯の成分が入ってくるので,効能も高くなる。

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左:いよいよ信州三大秘境の一つ,秋山郷へ。

右:そして雄川閣〔ゆうせんかく〕へ。今まで写真や地図上でしか見たことがなかったものが目の前にあるのは,何とも嬉しい限り。やはり自分は現地に行って体感したい宇宙飛行士タイプなんだな~と思います。

という感じでした。予報では,明日,明後日と何とかもちそうですが,こんなに小雨が降り続くと心配になってきます。

★明日はいよいよ遡行初日になります。どうなることやら・・・。
   
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