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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

樒谷川 in 坂州木頭川 〔徳島県那賀町〕

さて今回は 『 樒谷(しきびたに)川 』 をお送りします。

各都道府県を代表する一本を探している中で見つけた谷で,谷沿いに林道がないこと,標高差が1,000mを越えること,下山時に20kmくらい走れそうなこと(源流部に剣山スーパー林道が走っている),などから選んだ谷になります。

樒(しきび)とは聞きなれない言葉ですが,これはお墓参りなどの際に使用されるもので,強い香りや毒性を含む植物です。土葬が主だった江戸時代頃,動物に墓が荒らされることがあったようで,それらを防ぐ意味がありお供えをしていたようです。

水線距離約4,000m,高城山までの標高差約1,100m,市房の名渓・境谷に似た造りに思いを馳せて遡行してきました。

まずは早朝の観光からですが,ではどうぞ。

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左:ここは徳島県美馬市。「うだつ」という,写真右上に移っている家屋の端にある小柱で有名な街並みです。

右:その拡大写真。この「うだつ」は元々は防火壁として作られたようで,時が経つにつれて家屋の装飾の一部となっていきました。後に,これを屋根上に上げられるかどうかが家主の富裕の象徴となっていきました。もう気づかれているかと思いますが,出世できないことなどを「うだつが上がらない」と言いますが,その語源となったものです。国内で現存するのはここ美馬市と岐阜美濃市の2か所のようです。江戸時代に源をもつ言葉は現代でも数多く残っていることを改めて実感させられた早朝の散歩でした。

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左:さて移動です。山を2つ越えて目的地へ。雲早(うんそう)トンネルを抜けると高城山の山頂が見えます。山頂部にある雨量観測レーダーが目印です。

右:日本の滝100選・大釜の滝。チャートゴルジュの中に懸かる10m滝と埋まっている釜です。ここは側壁が峻烈で見上げるほどの険しさです。ここは釜ヶ谷というらしく,下から遡行してみたいと思わせられます。

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左:これは大轟の滝。車道から見下ろせる滝です。いや~徳島のこの辺りは滝だらけですね。これ以外にも道路から見える谷には結構な数の滝を視認できます。

右:そしてようやく到着した入渓地。天気は晴れ,ワクワクしながら準備に取りかかります。

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左:車道を少し歩きカーブする地点から堰堤を越えて入渓。今日もよろしくお願いします。

右:するといきなりゴルジュ。右手の岩壁は高さ80mくらいはありそうな垂直チャート壁で,さすがは四国です。

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左:ゴルジュの中を慎重に進むと,奥に滝の上に堰堤が建てられたものが目に入る。

右:いったん河原っぽくなり,

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左:再び右手に岩壁が立ってくる。
右:出だしから緊張感のある遡行をしていくと,不意に水利施設と出くわす。

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左:ここからはゴーロ帯となり,気軽に遡行できるようになる。
右:2m滝。
  
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左:稜線を遥か奥に眺める。開けた渓と青い空,最高の避暑です。
右:そして二俣。ここは右に入ります。ここから傾斜は一気にきつくなります。

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左:4m滝。

右:中間部のゴルジュ帯。これは入口の6m滝。中には15m,8m,4m,7mと滝が連続しています。

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左:そしてゴルジュを抜けたところにある15m滝。地形図にある2つの滝記号のうち,下のものになります。

右:ゴルジュを振り返る。良い刺激になったな~。

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左:5mスダレ滝。
右:ちょっと地形が緩む。

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左:ちょっと一服。
右:樒谷には色とりどりのチャートがゴロゴロしています。

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左:そして大物,44m二段滝。実に険しく立派な滝です。地形図にある滝記号の上のものです。

右:滝の横顔。

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左:左:滝頭から。ここはすんなりと左から巻けます。滝頭には植林用の作業道がありビックリ。

右:夏の渓花・イワタバコ。

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左:源流域に突入。
右:3m斜滝。ずいぶん流れも細くなってきた。

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左:そして最後の二俣に懸かっていた46m二段斜滝。もう林道が近いはずなのにこのような立派な滝と出会えて感謝。

右:ここも左手をあっけなく巻き上がれます。樒谷は全体的に巻きはほとんど右岸になると思われます。

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左:5m斜滝。シャワークライムで頭から思いっきり濡れていきます。
右:そして剣山スーパー林道へ。ここから高城山まであとひと登りです。

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左:すがすがしい森を抜けると,

右:山頂へ。山頂付近は下草の低いブナ林で実に爽快な気分を味わうことができました。

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左:いや~ここは最高ですね。ここでボーっとする時間を過ごしたくなります。
右:衰えと盛り。

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左:これが今朝がた遠望した雨量観測レーダー。明日,登る剣山からも見えます。

右:下山は剣山スーパー林道。国内最長約90kmにも及ぶダート路です。こんな所を走れるなんて幸せです。

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左:川成(かわなり)峠。ここまで約6,7km。左に取り川成集落まで下っていきます。

右:日が隠れていますが夏場のロング走は汗だく。でも予想以上に体が動いてくれます。

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左:そして下ること約9kmで川成集落。

右:あとは坂州木頭(さかしゅうきがしら)川沿いに5kmほど走ればおしまい。結局21,3km,ハーフマラソンと同じくらいの距離でした。3時間かからずに下山でき,思ったよりよく走れた感がありました。

という感じで非常に中身の濃い一本となりました。夏場に下山でこれだけの距離を走ることはあまりないので,現状確認ができ良かったと思います。

樒谷はやや大味な造りですが,乗っけのゴルジュに中~上流部の40m級の大滝2本とミニゴルジュ帯,詰めは草原的な高城山とそれなりに楽しめた渓でした。周辺にはまだまだ面白そうな谷がたくさんありそうなので,地質図と地形図を読みながら,機会を見つけ新規開拓をしていければと思います。

★次は剣山ハイキングをお送りします。

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滑床渓谷 in 愛媛県松野町

さて今回は 『 滑床渓谷 』 をお送りします。

ここは渓谷というだけあって花崗岩の織りなす長大なナメが有名な場所で,17年ぶり三度目の訪問となります。

本流筋は詰めたことがあるので今回は,右岸支流の雪輪谷を遡行して,二ノ俣を下降する予定です。

ではどうぞ。

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左:記憶にほとんど残ってないが久しぶり。
右:万年橋(まんねんはし)から入渓。今日もよろしくお願いします。

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左:いきなりの釜泳ぎ。暑い日には最高です。
右:河鹿の滝4m。

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左:出合滑。長さ100m程のナメが続いており,滑床らしい最初の見せ場です。

右:15m斜滝。右のスラブを登ります。

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左:そしてほどなく左手から入ってくるのが雪輪谷と雪輪の滝。

右:雪輪の滝は高さ138m,長さ400m程のナメ滝で6段ほどで構成されています。これは高さ23m,長さ40m程の最下段の滝です。水紋が雪の輪っかのような形状に見えることからの命名です。

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左:多段30m。
右:二段40m。こんな感じで続いています。

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左:最後の10m斜滝を越える。
右:振り返るとナメの舗装路。

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左:何度でも振り返ってしまうほど見事なナメの連続です。
右:何やら上方に滝が見えてきました。

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左:この6m滝を越えると,

右:大嵓(おおくら)の滝,三段35mです。本流のナメ具合とは対照的にそそり立つ姿が印象的です。

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左:大嵓の滝上部のナメ。
右:ここを越えると傾斜が緩みます。

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左:広々とした源流を遡っていくと,
右:三本杭手前のタルミと呼ばれるコルに詰め上げます。

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左:登山道を八面(やづら)山方面に少し歩き,
右:右手の二ノ俣へ下降します。ここから後半戦。

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左:しばらく下るとナメの登場。
右:いや~ここも素晴らしいナメが広がっています。

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左:これほどのナメは,
右:国内でもそうそうお目にかかれるものではありません。

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左:どこまでも続くナメ。
右:まだ続きます。既に20分,1km以上はず~とこんな状況です。

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左:ようやく本流に合流。あまりのナメにゲップが出るほどお腹いっぱいって感じです。

右:下山する頃,出合滑のところでウォータースライダーを楽しむ人々を見かける。

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左:そして無事に下山。

右:移動中,森の国・ぽっぽの湯に入湯。ここは駅舎の2階にある湯で珍しい造りをしています。宮崎県の日之影温泉に似た感じですね。

という感じでした。

久々に訪れた滑床渓谷・・・やはり最初の頃に感じたナメの壮大さは相変わらずでした。ここまで広範囲にナメが広がっているのは,他にはないと思われます。ナメ好きにはたまらない山域ですね。

遡行後は一気に徳島県まで移動し,明日の沢に備えます。

★次回は 剣山系の沢である『 樒谷(しきびたに)川 』 をお送りします。

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瀬場谷 in 赤石山系 【愛媛】

一年ぶりの四国。今回は,赤石山系の瀬場谷の遡行です。
遡行もさることながら,今回はエクロジャイトという岩石の採集目的でやってきました。

ではどうぞ。

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左:四国の山は急峻。峰々の隆起具合が素晴らしい。

右:瀬場谷入口にあるエクロジャイト標石の部分拡大。緑色の部分はオンファス輝石,桃色の部分は柘榴石(ガーネット)。マントル深部で形成され,地表ではまずお目にかかれない石。すごいのがゴロゴロしているので,赤石山系は岩系マニアにはたまらない。

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左:瀬場橋のすぐ上から入渓。
右:大釜を持つ10m滝。水がしょぼい。

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左:渓を射す光線。美しい。
右:15m屈曲滝。水線沿いにシャワークライム。上段には錆びたハーケンあり。三級。

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左:エクロジャイトの岩塊。大きすぎて採取不可能。
右:瀬場谷,最大の見物,八間滝60m。岩壁を断ち割って落ちてくる。爽快。

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左:左右岸ともに高い岩壁が張り巡らされている。右岸の登山道に逃げる。
右:岩壁上にある登山道。右下はスッパリと切れ落ちています。黒部の下の廊下のような場所。

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左:水流の流線が見事。一瞬の造形。
右:光線が谷に陰影を刻む。

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左:3m滝を横から。ここは左壁のハングを豪快に越える。
右:こんな感じのスダレ状の滝が多い。

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左:屈曲水流。
右:10m二段滝。ここも直登。Ⅲ級。

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左:これまた10m滝。直登。三級。この谷の滝は気楽に登れるものが多いので良い。
右:25m斜滝。周囲が開けているので爽快。右の岩上を歩いていく。

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左:ミニゴルジュの先には15mスダレ滝。
右:登山道が横切ると谷は落ち着く。

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左:ナメ帯の始まり。
右:ここのナメは素晴らしい!予想外の渓相。これまでの急峻さがウソのよう。

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左:ナメと森に癒されながら歩く。
右:最後の5m滝。すぐ左には登山道あり。これも直登。三級。

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左:直径1mの石英の岩塊。こんなものが見れるのも赤石ならでは。九州の谷ではここまで巨大なものは見たことがありません。

右:赤石山荘へ向けての登山道が横切る。ここで遡行は打ち切り。

後は,採取できなかったエクロジャイトを求めて,尾根に上がり,権現岩まで縦走することに。
いや~しかし瀬場谷,良かった。見所がしっかりあり,滝も登れてナメもある。最高でした。東方の保土野谷より良いです。

さて,ここから縦走モード。

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左:赤石山荘。
右:尾根上にはアルペン的な景観が広がる。

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左:リンドウ。九州のより青みが強く大ぶり。

右:登山道はこんな感じ。岩は橄欖(かんらん)岩。これも地下深くで形成される岩で,この色合いから赤石山脈の由来が来ている。

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左:遠くを見つめるロボット岩?
右:東赤石山頂。眺めには素晴らしいものがある。

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左:東方へ縦走開始。しかしここは山頂までのルートは整備がいき届いているが,縦走系のコースになると途端にヤブになる傾向があるな~。その落差が激しい。奥のコブから下れば権現越。

右:イヨフウロ。愛媛の代表花。由来は伊予の国(愛媛県)で多く見られることから。九州でも見れますが,本場で見るものはやはり格別。

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左:権現越。北側からさかんにガスが湧いてくる。
右:権現岩。これはエクロジャイトそのもの。

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左:縦走してきた東赤石山方面の山並み。
右:雲間からスポットライトが当たる権現越。

エクロジャイトも採取でき,これで安心して下れる。四電の鉄塔コースで床鍋登山口へ。走って1時間。そこから少し尾根一つ分,10分歩けば瀬場谷へ。

とまあよくまとまった一日でした。
瀬場谷の良さ,縦走路の景観,そしてエクロジャイト。
今日も感謝です。

さて,これから石鎚へ移動して,明日は面河起点のトレランです。
脚の疲労を少しでも抜き,明日に備えます。

つづく・・・

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番匠( ばんしょう )谷 【 愛媛県 石鎚山系 】

今回は石鎚まで足を伸ばしてきました。
2004年に面河(おもご)川本流を遡行して以来,ずっと頭にあった谷の遡行です。
情報が少ない谷だけに,どんな谷なのか,ワクワクです。

天気は快晴,秋めいた空の下での遡行スタート!

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左:フェリー,高速を使って面河まで。四国は高速から山へのアプローチが近いのがとてもいい。

右:石鎚スカイラインの長尾根展望所。ここからは御来光の滝と石鎚山を眺めることができる。やっぱり石鎚は格好よく,風格のある山だ。

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左:展望所から上へ100m程行った所のミラーの所から踏跡に入る。踏跡といっても利用者が多いのか,登山道並みの道。高度差300mを一気に面河川まで下る。途中,7人くらいのパーティーとすれ違う。彼らの仲間は南沢に入っているようだ。

右:降り立ったのは第二堰堤の上で,そこから10分も歩くと二俣着。右が番匠谷,左が面河川本流。6年ぶりの出合いは記憶が薄れていたが,なんとなく覚えていた。どうみても渇水のようだ。

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左:出だしはこんな感じで始まる。いいね~このたおやかさ。
右:アブも少なく快適に遡る。

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左:二俣から約40分,番匠谷最大の大滝「ねじり滝」が現れる。ほ~凄い迫力。落差は25m程で逆くの字型の滝。両岸の岩壁が圧倒的で,滝をより大きく見せている。しばらく鑑賞したあと,左のガリーから巻いていく。岩塊交じりの尾根側面を縫うように登り上がり,裏手から滝頭に降り立つ。

右:巻きの途中でさっきの滝。上部で吐き出された水は折れて二条流となって駆け下る。

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左:滝上はミニゴルジュ。水線沿いに突破。ここは増水していたらもっと面白そう。
右:再び渓相は落ち着いてくる。激から静へとメリハリがよく効いている。

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左:水は透明度高し。
右:美しい水の流れ。

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左:岩床には独特の模様が入っている。規則性がありそうでない感じがいい。
右:10mスダレ滝。谷はまだまだ終わらない。

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左:振り返る空と稜線。いい谷だな~。
右:上部ではこんなナメ帯が続き癒される。

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左:このナメ帯の存在は以外だった。面河本流にはなかったので。番匠谷バンザイ!
右:最後の滝らしい5m滝。もちろんシャワーでわざと濡れて登る。

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左:谷央に鎮座するカツラの大木。かつての番匠(中世の大工)達もこのような木々を求めて,この谷に分け入ったのだろうか。

右:抜けは石鎚スカイライン上。ほんの少しのヤブ漕ぎで脱渓。何度見ても石鎚は貫禄あり。

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左右:下りはスカイラインを走って下る。長尾根駐車場まで3.2km。こんな所を走れるのは幸せ。次はトレランで来てみようかな。面河~石鎚~土小屋~面河で周遊コースがとれる。または,成就~石鎚~面河~土小屋~石鎚~成就のロングもできそうだ。

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左:イノシシとは珍しい。
右:さっ,あとは帰るのみ。今回もありがとう!


ようやく遡行でき,ホッとしています。番匠谷は予想以上の素晴らしい谷でした。

全体としては大雑把なつくりですが,要所要所にポイントがしっかりと配置されている,そんな感じです。水線距離の割には遡行は速いので,お手軽さや帰路の手軽さが好ポイントです。展望所発着で5~6時間って所です。

遡行中,ふとある文章が思い出されました。
「かつては探険,現在は探検。同じ表記でもかつては危険,冒険の険で,現在のそれは検査の検。現代の技術の発達は,安全に探検を遂行する道具や手段を人に与える一方で,人間の意志の領分であった,自身の判断で自身の意思で実行したことが誤りではなかったという喜びを希釈させてしまった。「考えるアシ」である人にとって,これこそが最大の喜びであり,最大の生きがいとなるものでもある。ぼうけん達成後の感覚において,マゼランと現代の探検家の決定的な違いの一つは,ここにある。」

「最後まで詰めれるだろうか」,「難場を突破できるだろうか」,「行き詰ったらどうしようか」等々,遡行の魅力は,未知に挑む一歩を踏み出す時の気持ちの高揚と,不安に打ち勝つための自己肯定にある,と改めて感じさせられました。きっとこの達成感を味わいたいがために,沢に出かけているのでしょうね。マゼランが海峡を発見した時の達成感とは比べようもありませんが。少しでも彼が生涯でおそらくただ一度だけ味わった達成感に近づくためには,安全を保障する装備はなるべく家に置いた方がいいのと,人が全く入っていない所から生還することが必要なのでしょう。


★次回は沢&トレランを予定しています。


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保土野谷 【愛媛県別子山村】

面河川本流遡行から6年。
あの日から思い続けてきた保土野谷に足を運べるチャンスがやってきました。

ここは80年代にルビーが発見されて,一躍その名を知られることになった谷であり,
また,地質学的にも非常に興味深い山域です。久々の四国の谷に胸が高まります。

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左:久々の臼杵港。今回は初めての昼間渡航。夜間とは雰囲気が異なる。あっ,しまった~車検証忘れた!

右:約2時間の航海で八幡浜港へ。西種子川以来,4年ぶりの四国上陸。

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左:翌日。ここが一般的な保土野谷入渓点。

右:いったん谷に入ると,ここが九州か四国かなんかはどうでもよくなる。純粋に自然の造形を楽しむのみ。

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左:夏の早朝の森は適度にひんやりしており過ごしやすい。
右:いよいよ黒滝の登場か。

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左:そしてついに黒滝へ。ここだけなら落差20m。「これが黒滝か~」ようやくここに来れたな。
右:フェルトも歯が立たないツルリン壁を,全身フリクションでズリ上がり,正面へ。豪快。

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左:滝の右手を巻き,上段15m斜滝の下を横断。ここの巻きこそ,巻きとはこうあってほしい,と思わずにはいられない巻きだった。会心の一本。頭上には殿ヶ関を呼ばれる岩壁が屹立する。この岩壁はカンラン岩といって地中深部で生まれる岩石で,赤茶けた色をしている。沢では珍しい岩石。もし見かけたら欠片を持ってみてください。その大きさ以上の重みがズシッときますよ。それだけ高密度なんです。

右:上段滝を巻いて滝頭から見下ろす。中央やや左奥に入渓点の橋が見える。この高度感は素晴らしい。

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左:さて,ここからは地形も緩み,青空ものぞき,真夏の遡行に突入。最高の水遊びの始まり。
右:コオニユリ。日当たりの良い岩場などで見られる花。真夏の青空に生える花の一つ。

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左:躍動の一瞬。一瞬の積み重ねの上に,流れる連続ができあがる。
右:ゴーロの沢をいくと現れる15m滝。清清しさ満点。中段から右を巻き上がる。

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左:落ち口と青空。
右:この赤いのがザクロ石(ガーネット)。タイプは変成岩中に見られるので,鉄礬ザクロ石。

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左:15m滝の上で水は急速に枯れ,早々と源流の詰めが始まる。しかしヤブはほとんどなく,このようなアルペン的な景観の中を詰めていくので,爽快この上なし。

右:タカネオトギリ。これも盛夏の花の一つ。オトギリソウはその清楚,可憐さとは裏腹に,花の秘密をばらした弟を切った(オトギリ)ことに由来する。

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左:黒岳山頂からこれから歩く権現岳方面を望む。
右:先ほどのザクロ石(ガーネット)を含む角閃岩。黒岳西のガレ場にたくさん落ちている。

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左:シコクフウロ。これも今が最盛期。

右:保土野谷の詰めのガリーと黒岳。最後にちょこっとヤブになっただけで快適に谷から抜けることができた。

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左:黒岳(左)とエビラ山(右)。ここは縦走路といっても腰までのヤブに道が覆い隠されている。踏跡をきちんと追えば問題はないが,一般登山道とは言いがたい。

右:権現山か権現峠と東赤石山方面を望む。鉄塔左下にある岩は権現岩。その周囲では,非常に貴重なエクロジャイト(りゅうき岩)が出る。地表ではめったにお目にかかれない岩で,緑とピンクの色合いが美しい岩です。

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左:権現峠からは床鍋(とこなべ)への道を下る。最初は沢伝いで歩きづらいが,次第に快適になってくる。四国電力(よんでん)の鉄塔関連の道がきれいに整備されている。鉄塔もそうだが,道を作るもの大変だったでしょう。

右:ゆっくり下り約2時間で登山口。ここから保土野へは車道をテクテク歩いて帰る。


ようやく懸案だった保土野谷へ行けて満足。
詰めの爽快さ,尾根上の草原,地質構造など四国の沢もまたいいものです。
予定ではこの後,石鎚の番匠谷でしたが,これは次回の楽しみとしてとっておきたいと思います。


★次回も沢を予定しています。

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