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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

大山南壁&山陰湯めぐり

さて今回は,大山南壁と山陰湯めぐりです。

夕方に仕事を終えそのまま奥大山スキー場まで行き,そのまま登山するという徹夜コースです。ルート詳細は,奥大山スキー場~二の沢右俣~剣ヶ峰~弥山~一の沢右岸尾根~大山環状道路~奥大山スキー場という周遊になります。

ではどうぞ。

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左:まずは二の沢出合いまで環状道路を走る。この道路に雪がない時は,登山靴よりランシューの方が便利。

右:走ったおかげで40分ほどで到着。装備を替えて二の沢に入る。

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左:出合いから大山南壁と剣ヶ峰(1,729m)を望む。天気は最高のようで気分も高揚。

右:まずは二の沢を詰めて行く。雪質はあんまり固まっていない層の上に10cmほどの固い層がある感じ。そこから過去の天候を判断すると,比較的気温が高い状態(曇りや雨)が続き,最近15~20cm程降雪があり,その後,朝晩の気温低下があって雪が締まっている感じ。このような場合,雪庇等がなければ雪崩の心配は少ないが,気温変化が大きくなっていることから日があたっていなくても落石を注意しないといけない。

山は刻々と変化して同じ状態というのは二度はないので,経験則よりも現場判断で行動を決めていくのが鉄則。経験則に頼っていると,いつかは必ず事故に遭う。特に雪山では現場の雪層の状態から,過去の天候の変化を読み取り,今あるリスク判断をすることが必須。カナダにいた頃,毎日場所を替えて,弱層テストを散々させられたのが,今かなり活きている。

よく使われる「過去に例がない」という表現も,所詮は人間が知っているたかだか数十年の範囲でのこと。自然界では数十年なんてほんの一瞬にしかすぎないことや,もっと大きなスパンではあらゆることが起こり,また起こりうることを,人はもっと考えなければならない。

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左:徐々に南壁が近づいてくる。

右:そして二の沢二俣付近にて。過去に登った左俣と今回の右俣を眺める。日が登り始めているので,一刻も早く稜線に抜けないといけない。

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左:右俣に入ると名物のゴルジュ関門がお出迎え。
右:ゴルジュ下で落石の様子をしばし観察。ここは一気に越えないと危ない。

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左:そして休まずに一気に登りきる。見事なV字状景観。

右:ゴルジュ上は漏斗状になっており,周囲から落石が集まって来る。なので,落石のラインを読み取りそれらをかわしながら登っていく。

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左:順調に高度を稼いでいく。
右:上部にいくにつれて傾斜もついてきて面白くなる。

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左:雪壁を登っている途中から振り返る。

右:雪壁を登り支稜へ抜ける。振り返れば右から一の沢,二の沢,三の沢と俯瞰できる。剣ヶ峰へはダイレクトに雪壁登りで行けるが,岩場の露出部を抜けていかないといけないので,現場判断で,落石の心配のないルートをとる。

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左:山頂へ続く雪稜。左右とも切れているので,緊張感,高度感のある登りが楽しめる。やっぱり雪山は美しい。

右:そして頂上直下の雪壁。ここを越えると剣ヶ峰。中央の窪みは尾根の頂点を示している。残雪期は日光がたくさん当たる尾根の頂稜付近から融雪が始まり窪みができ,それが広がっていく。そして尾根筋が完全露出,左右に雪が残る形になっていく。

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左:そして縦走路に飛び出す。
右:早朝の山上はまるで別世界。人もいなく,空気も凛としている。

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左:弥山への縦走開始。
右:振り返れば剣ヶ峰と太陽。今日は素晴らしい日。

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左:また振り返る剣ヶ峰。縦走路の屈曲具合と北壁の暗部が見事な景観を作り出している。

右:そして弥山山頂。

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左:山頂小屋は雪で埋もれている。いつもの光景。
右:弥山山頂に登山者が登ってきたので一枚。

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左:風を避けてタコツボを掘り,一休み。

右:赤線が今回登ったライン。山頂直下の雪壁のラインは本当に美しく,満足のいく登りだった。

本来なら,ここから元谷へ下り,弥山西稜を登り返す予定だったが,もう満足してしまったので,下山に切り替える。そして早めに湯めぐりに入ることにする。

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左:下山は一の沢の右岸尾根にとる。しかしこの高度感は素晴らしい。
右:尾根筋では融雪がかなり進んでいる。

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左:広い雪面を好きなコースで下って行く。
右:左を見て今日のルートを確認していく。

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左:振り返ると,一の沢のシンボル,三角形の筍(たけのこ)岩が見える。
右:そして樹林帯へ入る。

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左:一の沢出合いから見る南壁。
右:同じく三の沢出合いから見る南壁。

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左:雪のある森は,美しく見える。
右:鍵掛峠から見る定番の大山南壁。

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左:帰途,烏ヶ山(からすがせん)を眺める。あの山も美しい山容をしている。
右:春を感じる一枚。

ここからは,いよいよ湯めぐりになります。まだ昼前なので,たっぷり湯めぐりできるので,楽しみ。

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左:北海道のような雪景色。はるばるやって来た甲斐があった。
右:大山と烏ヶ山の眺め。地域の名峰ですね。

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左:そしてまずは岡山県の湯原(ゆばら)温泉・砂湯へ。ダム下にある混浴露天風呂です。

右:ここは足元湧出の露天で,小石の間からプクプクと湯が湧いています。国内に2~30カ所しかない貴重な足元湧出湯であること,この広々とした開放感のある露天・・・噂に違わない名湯です。今日みたいに晴れて暖かい日には最高です。

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左:お次は湯本温泉館。地域の共同浴場だということで入浴してきました。
右:普通の浴場でした。

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左:そしてお次は,郷緑(ごうろく)温泉。石垣がいいですね~。
右:期待が高まり中へ。

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左:ここも自然石の割れ目から湯が湧出する貴重な湯です。

右:自然石の拡大。この割れ目からプクプクと不定期に泡が上がってきます。このタイプの湯は低刺激なものが多いですが,湯の新鮮さを明確に感じることができます。とにかく湯が極めて透明でクリア。湯中で写真を撮っても,言われなければそれが湯中だとはわからないほどです。

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左:そして鳥取に戻り関金(せきがね)温泉・関の湯。地域の共同浴場で,別府を思い出させてくれる造りでした。

右:お次は関の湯の近くにある旅館・鳥飼。ここの湯も良いと聞いたので立ち寄ります。単純弱放射能泉で湯は非常にクリアで,湯上り後の発汗があります。九州では珍しい放射能泉によるホルミシス効果を体感できます。

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左:そして本命の三朝(みささ)温泉・旅館大橋。唐破風(からはふ)造りが貫禄あります。

右:中も良い造りで期待が高まります。

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左:日帰り男性客は,このせせらぎの湯に入ることになります。

右:湯は単純放射能泉で,入浴中から汗が噴き出してきます。本来なら岩窟風呂に入りたかったんですが,男性は宿泊しないと入れないので,次回に持ち越しです。

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左:締めは同じ三朝温泉の株湯。以前入った場所は足湯になっていました。
右:そして新たに建てられた湯場。

という感じでした。雪山に温泉・・・今日も一日,ケガなく十分に楽しむことができ感謝です。

★また明日も湯めぐりの続きをお送りします。

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アソパイン2

さて今日は予定通り,今季2度目のアソパイン。
仙酔峡~赤谷~ダイレクト尾根~仙酔峡の予定で入りました。
天気は終日晴れで,暗くなるまで遊んできました。
ではどうぞ。

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左:今日の氷結具合は・・・情報通り甘そう。
右:関門までは3人で行動。

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左:いつもより遅い時間帯で動いているので,光線具合に新鮮さを覚える。
右:赤谷出だしの10m滝。なんかいつもより難しく感じる。

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左:赤谷最難の8m新出滝(今日はⅥ級)。上部の薄いシート状氷は厚さ1~3cm程で,叩くと割れるので浅い窪みに引っ掛けながら登る。私は気持ちが折れたので,代わりにAさんに登ってもらう。ピック,ツァッケ共に絶妙なバランスで突破。凄いクライミングを見させてもらいました。ここは先日ボルトを打設してもらったIさん達のお陰で登れました。ありがとうございました!

※ピック・・・アックスの刃の先端部
※ツァッケ・・・アイゼンの先端刃。

右:赤谷三段大滝の上段6m。足元のバツーラ,サルケンがビシバシと氷に食い込む。上部には通称「エイリアンの手」が覆いかぶさるように発達中。

※エイリアンの手・・・フェイスハガーの触手状に発達する氷。ここの名物となっている。これが発達すると上部へ抜けにくくなるので,適当に破砕しながら登る。



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左:時間が迫ってきたので,ダイレクト尾根は諦め,帰りはカンスのコルからの下山路を利用。4~5年前に伐開した跡と,その時につけた赤テープが所々残っていたので,それを辿る。日も傾いてきた。

右:カンスのコルから俯瞰する阿蘇市。あそこは日が当たり暖かそう。早く里に帰りたい。

という感じの一日でした。終日晴れたのと,怪我なく今日を終えることができたことに感謝です。また寒気の様子を見ながら計画を立てたいと思います。

最後に,たまには自分の写真を。

赤谷 (8)       赤谷 (10)

赤谷 (18)       赤谷 (28)


★次回は,女鹿平スキーをお送りします。


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アソパインスタイル(阿蘇北面)

コースは仙酔峡~赤谷~境界尾根~赤ガレ谷~頂上台地~仙酔峡。
コースの状況調査と,中岳遭難者の捜索を兼ねての山行。

今期初のアソパイン。
ではどうぞ。

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左:駐車場横の滝。ここの氷結具合でいくかどうかを決める。これはOK。
右:関門までの道はやはり谷筋が激変していた。以前より岩が流されてスッキリしている。

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左:関門から二俣までも岩がなくなりスラブ状に氷結している。以前,右の2m壁を回りこんでいた所では,岩が流され,本流筋に新たに6m滝が出現。以前より面白さが増している。

右:二俣にて。赤谷出合いの10m斜滝。上部のベルグラは慎重に処理。

※ベルグラ・・・岩に張った厚さ数cmの薄い氷。力を入れすぎると壊れるので,微妙な力加減が必要。

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左:10m滝上の様子も変わっている。とにかく以前よりスッキリしている感じがある。
右:6m二段滝。ここも雪に埋もれると高さや傾斜がなくなるので,今日くらいのが良い。

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左:落口がやや被っている5m滝。ここは氷結が緩いと難しくなり,場合によっては登れずに,右手の岩場を巻くこともある。これはバッチリ。

右:???なんだこれは。今期初出現の7m滝。以前の場所と照らし合わせると,ここは大岩が積み重なった場所だった。右手の岩穴を三次元ムーブで上に抜けていた箇所。赤谷の中で最も激変していた箇所の一つ。

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左:そしてとりの大滝。嬉しいことに最下段が復活していた(ここ数年は最下段は岩に埋もれていた)。

右:大滝中段と上段は相変わらず。エイリアンの手も発達中。


赤谷のアイスクライミング

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左:赤ガレ谷から北尾根のギザギザを眺める。境界尾根から赤ガレ谷に入ってからは,周囲をじっくり見回しながら遭難者を探す。

右:鷲ヶ峰を振り返る。赤ガレ谷5m滝下にて。実は,今回の捜索でもし見つかるとしたら,ここが一番怪しいと睨んでいた。天狗の舞台脇から迷って赤砂利斜面に入り込み滑ると,ここまですっ飛んでくる。ここは右のガリーから巻いたが,ヤシャブシの潅木帯で,銀マットを発見。遭難者のものかはわからないが,木に巻きついていた。

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左:頂上台地の大鍋の様子。ここら一体は隈なく捜索されているので,いないだろう。

右:仙酔尾根を下る。左側のツバメの浄土や仙酔谷には何回も捜索隊が入っているが発見に至っていない。遭難者とのやり取りの中にあった「町の灯りが見える」「潅木がある」「水が流れている」の条件を満たす場所を絞り込んでいくと,どうしても右下の谷は気にかかる場所ではある。遭難した昨年12/22は,山上にはガスがかかっていたので,標高をある程度下げないと,高森町にしろ阿蘇市にしろ,町の灯りは見えない。

久々のアソパインは赤谷の様子が変わり,登れる氷瀑が増えていたので,以前より面白くなっています。その分危険が増えているので,より慎重に行動する必要があります。仙酔尾根の東の谷には天気のいい日に入ろうと思います。とにかく気温が上がりだす前に見つかってほしいと願っています。


★次回は未定です。

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元日登山 in 大山

新年あけましておめでとうございます。
拙いブログですが今年も宜しくお願いします。

さて新年第一弾は鳥取の大山。
登り始めにいってきました。
予定では弥山尾根(右)。

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左:まずはここで参拝。
右:北面を望む。上部はガスっている。


北面の斜面を登っていく。

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左:登るにつれてついにホワイトアウト。視界は5mもない。こりゃダメだと転進。行者谷から山頂を目指す。
右:夏道との合流点。ここからは登山者も多いので道もOK。


山頂付近の様子。

P1010010.jpg       谷コース入口へ
左:吹雪の山頂。
右:下山は夏道を駆け下る。


下山は快適快適。

P1010012.jpg       リンドウ
左:あっという間に登山口へ。
右:ひっそりとした参詣道。名物「大山そば」は食べられず。

結果的に転進となりましたが,冬山を体感させてくれた大山でした。


★次回は「スキー in 女鹿平(広島)」をお送りします。


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アソパインスタイル① 【赤ガレ谷~ダイレクト尾根】

今期初の阿蘇北面,アソパインスタイル。
ルートの状況調査と速攻登山で登ってきました。

ちなみにアソパインスタイルとは・・・登山形態の一つアルパインスタイル(速攻,簡素,少人数)を,私的にもじったもので,今流行の3Dです。すなわち,DoroWall(泥壁),Dirty(汚れる),DamasiDamasi(確実性に乏しくだましだまし登る)。ではどうぞ。

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左:仙酔峡の氷。ここの氷結具合で北面の氷結状態が予測できる。これはOK範囲。
右:阿蘇谷と久住連山を臨む。今日は寒気が少し緩んでいる。

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左:関門。昔は地獄門と呼ばれていた。ここは北面入口。

右:赤ガレ谷の中ほどにある小三連滝。氷があればサクサクいけるところだが,今日のベルグラ状態では慎重なクライミングとなる。★ベルグラ・・・氷の厚さが薄い状態。薄い分壊れやすいので優しく丁寧な扱いが必要。


いよいよクライミングのスタートです。

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左:上部にいくにつれ高度感が出てくる。
右:そして赤ガレ谷大滝。以前は三段,今は二段。積雪と岩石の堆積がないぶん,すっきりしている。


積雪が増えるとこれらの滝も埋もれ,高さがなくなってくる。

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左:仙酔峡を見下ろす。
右:ダイレクトの頭(かしら)から尾根のルート上部を見上げる。あともう少し。


そして山頂へ。この視界に入ってくるものの変化は,いつでも感動を与えてくれる。

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左:山頂台地は荒涼としている。南郷谷を脊梁の峰々を眺める。
右:冬の芸術。不純物の極めて少ない氷柱。

とまあ,無事終了。

この時期は,氷結は進んでいますが,積雪量の少なさ,泥壁の不凍,などででハイシーズンの1~2月よりシビアなクライミングとなります。まあ,その分だけ技術が磨けるので良いトレーニングになります。

今年の活動はこれにて終了。
ブログ更新は来年2012年になります。

皆様,良いお年をお迎え下さい。

★年末は予定では大山の弥山(みせん)尾根・右を登り山頂でご来光,の予定。

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