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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

ベニガラ谷右俣

今回は,三度目の正直ということでベニガラ谷右俣に行ってきました。

昨秋,途中で引き返して以来,ずっと心に引っかかっていた谷です。

7月上旬並の天気の中,楽しい時を過ごすことができました。

《データ》
●水平距離:3,325m ●高度差:1,052m ●遡行:5時間53分 ●下山(杉ヶ越):1時間50分
●地域:傾山南東面 ●1:25000図:見立・木浦鉱山 
●地質:砂岩・砂岩泥岩互相・花崗斑岩・流紋岩・安山岩 ●備考:特になし ●人数:単独

杉ヶ越に車を止め,登山道途中の尾根を下降して,ベニガラ谷に降り立つ。
靴を履き替え遡行スタート。

左:昨年のほぼ同時期の滝と釜。釜が深く美しかったのが印象的だった。
右:今年の姿。釜が埋まっていた。やはり最近の出水は勢いが違う。
3m滝と釜(2007.5.21)       3m滝と釜(2008.5.26)

左:遡行開始後,30分ほどで現れる門番みたいな滝。左の側壁は首が痛くなるほど見上げる。
右:三俣から右俣に入ってすぐの核心滝。右の側壁中を上手に巻く。
17m二段滝       18m直スダレ滝

左:懸垂では5.5mmケブラーとペツルのピラナを使用。軽い・強い・嵩張らない。
右:谷を飾る黄色のヒメレンゲ。もう初夏ムード。
懸垂道具       ヒメレンゲ

左:この日,一番美しかったスダレ滝。右壁を登る,が見た目以上に難しい。ホールドは指を立てた幅の1/2サイズ,スタンスは全て外傾でコケで滑る。ステルスでもギリギリのクライムだった。5.7。
右:ここは暑さを吹き飛ばすシャワークライム。爽快。
25m斜スダレ滝       15m斜滝

左:下部の10m斜滝部。この上にまだ隠れている。
右:本傾手前のギャップから。この構図は見たことあるな,どこかで。
20m衝立滝       九折越方面


下山時のショット。昨年以上に色鮮やかに森が彩られていた。
山ツツジ


懸案だった谷を無事に遡行でき,まずはひと安心です。

ガイドでは本谷(左俣)がよく紹介されますが,こちらもまったく引けを取らない
どころか,個人的には今回の右俣の方が好みに合っていました。

下部の長閑な沢歩きから一変,急峻な地形にかかる滝,険悪なゴルジュ,
そして詰めは緑が眩しい,ヤブなしの原生林。
ベニガラ谷は,やはり魅力的な谷でした。




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中村谷 2008.5.11日

今回は【中村谷】の遡渓です。

名もなき小谷ですが,それなりの渓相で
5月の谷を楽しむ事ができました。

《データ》
●水平距離:2,575m ●高度差:811m ●遡行:4時間05分 ●下降:1時間34分 ●地域:脊梁山地(白岩山東面) ●1:25000図:胡麻摩山・国見岳 ●地質:泥岩・砂岩・チャート ●備考:国見峠越えの旧265号は,五ヶ瀬側は峠まで通行OKだが,椎葉側は崩落で通行不可。●人数:単独

左:入渓点。流入口は非常にショボイ印象。大丈夫かいな。
右:いきなりの滝。おお~,良い感じじゃないの。
出合       10m二段滝

左:真っ赤なツツジ。昨年はベニガラ谷で見たのが印象的だった。もうそんな時期かと回想。
右:この谷一の滝。涼やかに流れ落ちている。
ツツジの赤       15m斜滝

左:谷が右に屈曲する地点にあった滝。辺りは岩壁に囲まれている。
右:ウツギの白がまぶしい。この花は5月の沢の代名詞だ。
10m飛出滝       ウツギの白

左:源流の様子。このあと傾斜はどんどん急になり,最後は60°くらいまできつくなる。ほとんど崖。
右:帰りしなに咲いていたフジ。藤色とはここから来てる。天ぷらにしても美味しく,その芳香が何とも言えない。
源流の渓相       フジの紫


短い谷でしたが,終わって見ればそれなりのものはあったと思います。

主要な谷はほぼ遡行しつくしているので,今は落ち穂拾い的な遡行ですが,
意外な場所に,意外な谷があるものです。

狭窄的な見方をせず,見るもの触れるもの何でも受け入れることが
できると,どんな谷であろうと楽しむことはできると思います。

帰りは,林道+車道の15kmランニングで元の入渓地まで。
6kgの荷物を背負ってのランでしたが,良いトレーニングになりました。





沢(九州) | コメント:0 | トラックバック:0 |

Canada 1999

今日は今から9年前,カナダのヤムナスカという会社主催の
「セメスターコース3ヶ月」を受講した時の記録を紹介したいと思います。

これは,バックパッキング,クライミング,アイスクライミング,アルパインクライミング,氷河登山,スキー全般,クレバスレスキュー,カヌー(ツアー含む),屋外ビバーグなどアウトドア全般に関する講習を行うものです。

世界各国から人が集まり,約3ヶ月間,共同生活を送りながら上記の技術を習得していくというプログラムです。一流のガイドと自然の中で,素晴らしい日々を送ることができました。

①カナダはアルバータ州のキャンモア。この町のシンボルとなっている山です。右からBig sister,Middle sister,Little sisterと呼びます。カナダのスケールが感じられる一枚です。
スリーシスターズ
②バックパッキング中の一枚です。3つのグループに分かれ山中に分け入りました。その途中で他のグループと交差した時のショットです。思わず目が細くなるシーンです。
メンバー

③ヤムナスカという山です。屏風のように岩壁が連なっています。ここには数多のクライミングルートがあり,ロケーション抜群の中,クライミングを心ゆくまで楽しむ事ができます。
ヤムナスカ山

④ここは観光地として有名なレイクルイーズです。奥にクライミングエリアがあり,そこの壁中からの一枚です。コバルトブルーの湖と広大な大地の広がりは,ロッキーそのものです。
レイクルイーズ

⑤鮮やかな紅葉でした。日本に比べロッキーの植生はあまり豊かではないので紅(黄)葉する植物は限られます。多色の融合の日本に対して,単色のカナダ,といったところでしょうか。
地衣類の紅葉

⑥待ちかまえてようやく撮れた一枚です。自分の中ではベストショットの一つです。この辺りには写真のシープが群れており,このアングルになるまで待ち続けました。このシープは今でも元気なのかな。
ビッグホーンシープとウィルコックス山

⑦クレバスで練習風景です。氷壁を登ったり,レスキューの練習をしたりと,日本では絶対に味わうことのできない貴重な体験でした。クレバスの形成からその変容と見極めまで,ガイドの話は有益でした。
クレバス練習

⑧グループ全員でアサバスカ山に登頂した時のものです。朝4時,ヘッドランプをつけての出発でした。氷河を登り,稜線を辿った果ての山頂で,眺めはそれはもう,筆舌に尽くしがたいものでした。
アサバスカ山頂にて


以上,簡単ですが懐かしい回顧録でした。

今年はロブソン山を登りに6年振りにロッキーへ帰ります。
登頂が一番ですが,あの風景が今はどうなっているのか,
と思う時,私の中で脈がドクドクと上がっていくのを感じます。

どうなるかは終わってみないとわかりませんが,
最善のものになるよう,日頃からの準備や徳を積んでいきたい,
とそう思います。


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屋久島~番外編~

本来ならベニガラ谷の記録の予定でしたが,
曇天のため沢は来週に延期。

昔なら多少の悪天でも沢に突っ込んでたのですが,
最近は転進することを厭いません。

これを年を取ったと見るか,経験を積んだと見るか…
複雑な心境です。

そこで,代わりといっては何ですが,
GWの屋久島を番外編という形でお送りします。

今回は沢以外のネタで話を展開したいと思います。

①トッピー
トッピー

屋久島に行かれた方はご存じかと思われます。高速船【トッピー】です。
海面を滑空するように走る高速船です。語源は飛び魚から来ています。

最近は,別会社のロケットなる高速船が就航し,価格競争が熾烈になっています。
利用者にとってはありがたいことですが,現在,双方の価格は最低ラインまで
引き下げられており,赤字のようです。

ロケットは以前,瀬戸内海で就航していたものを持ってきたようで,これにより
全国の高速船の約30%がこの航路に就いている現状があるようです。

ロケットは折田汽船との提携もあり,航路事情は複雑になっています。

②栗生橋
栗生橋

【東洋のナポリ】と呼ばれる栗生(くりお)集落にある橋です。
ここから小楊子川(左)と黒味川(右)が見えます。
晴れていれば川面が鮮やかなグリーンに輝き,
それはそれは見事な景観をつくりだすのですが…。

栗生集落は,昔,鹿児島からの定期便が発着していた場所で,
今とは事情が違っていたようです。

また,屋久島全島の中で,この集落にだけ今もなお,赤い石でできた昔ながらのお墓があることも
特筆すべき事柄です。古き良き時代の面影が残る場所,それが栗生です。

ここに立つと,2泊3日で遡行した小楊子川左俣のことが,
遠い夏の日のこととして甦ってきます。

ペンション・ハロー
ハロー

尾之間(おのあいだ)にあるペンション・ハローです。
個人的にここは三つ星です。

施設は築35年で新しいとは言えないのですが,
細かい所にいき届いている配慮や,食事時の語らいなど
もう,素晴らしいとしか言えません。

旅に島民との語らいや形式ばらない対応を求めているものに
最高の居心地をもたらしてくれる場所です。

また,偶然にも私の住んでいる町と姉妹提携があり,
何かしらの縁を感じています。

場所は郵便局の先200m,JRホテル手前です。

また来年も宿泊する予定です。
何回も泊まりたくなる場所,そんな感じです。

④千尋滝
千尋滝

屋久島の名を冠する書籍には必ずといっていいほど登場します。
落差約60mの一枚岩を流れ落ちる,千尋滝(せんぴろのたき)です。

滝自体もそうですが,ここのポイントは右岸に展開する高度差200m,底幅400mにも及ぶ
大スラブの存在ではないでしょうか。クライミングルートも拓かれており,たまにクライマーの
姿を目にすることもあります。

私がここを最初に訪れたのは今から12年前,まだ今の展望台ができる前の事でした。
屋久島が世界遺産に登録されてから3年しか経っておらず,今より静かでした。

ここも以前遡行しており,泳いでトロ沖の滝を登り,この下のゴルジュを突破し,
この滝を真上に見上げた時の感動は今でも色褪せることなく,焼き付いています。

また,安房川にも千尋滝(中島権現滝)というのがあるので,詳しい書籍には
その事にも触れてあります。

屋久島のスケールを気軽に体感する場所としてはNo.1ではないかと思います。


以上,だらだらと思うままに書き綴ってしまいました。

屋久島にはこれらの場所以外にも素晴らしい所が満載なので,
訪島された際には,自分流の絶景ポイントや感動ポイントを探して見ては
いかがでしょうか。

屋久島にはもう10回ほど訪れていますが,訪れるたびに新しい発見や
出会いがあります。また,過去の歴史を知れば知るほどに,変化していく
現状との対比が興味深くもあります。

また来年も訪島したいと思います。





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屋久島 永田川遡行 ②

《 DAY ② 4/28 425m地点~神様のクボ 》
●水平距離:4,925m ●高度差:1,461m ●遡行:10時間08分 ●天気:曇り


左:出発直後の渓相。幅が狭くなり,傾斜も出てきました。
右:神様のクボの鋭切込が間近に迫ってきます(一番右端のもの)
R10m釜と前方       目指す神様のクボ

左:自然のポットホール。よくこんなのができるな~。
右:障子岳が近づく。
ポットホール       迫る障子岳       
左:美しいスダレ滝。水流とコケの組み合わせが最高。
右:こうなると左右を巻くしかない。岩が大きすぎる。
左岸支流の10m二段スダレ滝       3m岩上滝

左:水の色は深く透明なグリーン。どこまでも澄んでいる。
右:見上げる障子岳の岩壁。大迫力。これでも下部の一部でしかない。
素晴らしい緑色       障子岳下部岩壁


最上部の二俣(930m)で,左にネマチクボ,右に右谷を分けます。
正面には永田岳北尾根が横に屏風のように衝立ち,圧巻です。
ここから右谷に入り,いよいよ後半部の遡行となります。

左:ようやく沢らしくなってきた。この滝はシャワークライミングで登る。技術的には5.4程度。荷物を背負ったままでも問題なし。しかし,この時期のシャワーは冷たかった。中段には錆び付き抜けたハーケンあり。
右:上の滝から障子岳の岩壁を振り返る。これまた大迫力。
35m二段滝       障子岳が背後に

左:印象的だった滝。これは右のブッシュを巻いた。
右:宮之浦川のような側壁。尾根上までこれが続く。こうなると手がつけられない。
印象的な8m飛出滝       左岸の側壁

左:鬱蒼とした神様のクボ出合いを見下ろす。対岸から枝沢が降りてきているので,標高とそれも併せて判断。
右:ヤクザル。付近にも3頭は視認できた。ごめんよ,邪魔して。
神様のクボ出合いの屋久杉       いました,ヤクザル

左:この手の広ガリーは,①左右の岩壁の縁 か ②水流沿いを行くか のどちらか。理由は傾斜角と土の堆積が貧弱なので,植生が乏しいため。そういう場所ではシャクナゲやアセビがあまり成長できないので,藪が薄くなる傾向にある。実際,左岸の岩壁沿いに登高したが,藪コギはほんの少しだけであった。鹿道もついていたし,動物たちもここを登っているようだ。野生に習うべし。
右:たまにはこういう花で一息入れるのも良い。
登路を見下ろす       アセビの花

左:ついに到着,神様のクボ。この風景に会うためにここまで来たのだ。
右:この頃になると天気は下り坂でガスが湧き始めた。
遡行してきたルートを俯瞰する       ガス湧く永田岳北尾根


午後4:29,神様のクボに詰め上がる事ができました!
ここに来るのは,2004年GWの小楊子川左俣以来,4年振りのことでした。

奥に水平に広がる永田集落,東シナ海への眺めと,
垂直に切れ落ちる左右の岩壁。
写真を撮るものにとっては,この構図は見過ごす訳にはいきません。

オーストラリアのカタジュタ(オルガ)の「風の谷」と呼ばれるコルからの眺めと
そっくりなことに気がつきました。水平と垂直の芸術。

荒涼のオーストラリアと自然の屋久島。
たとえ離れていても,元は同じ,そんな気がしました。

とても楽しかった永田川遡行でした。

久しぶりの屋久島の谷もよかったですが,日頃のトレーニングの成果を実感できたこともまた,大いなる収穫でした。以前なら息が上がったような登高でも,今回は余裕でこなせたし,全行程で,息が上がることがほとんどなかったことにビックリしました。これも日々のランニングとウェイトトレのお陰です。

この調子でこれからもトレーニングを続け,夏のロブソンに向け,さらなる向上を目指したいと思います。

★次回は,5/12月 ベニガラ谷右俣(大分県)をお送りします。昨秋のリベンジなるか。★
沢(屋久島) | コメント:7 | トラックバック:0 |

屋久島 永田川遡行 (神様のクボ)

さて,今回のレポートは永田川です。

予定通りに遡行でき,満足です。
これで島央山岳に四方から全て遡頂したことになりました。

北:宮之浦川(2003),南:小楊子川左俣(2004),東:安房川北沢左俣(2007),
そして今回の西:永田川(2008)。

これで屋久島の沢に一区切りできた感じです。

《データ》
●水平距離:8,925m●高度差:1,841m●遡行:15時間24分●地域:屋久島●1:25000図:永田岳●地質:花崗岩●備考:基本的にゴーロ主体の谷。軽量化,猟師道使用,スピード重視遡行でいけば,12時間で永田岳まで可能●人数:単独

DAY ①(4/27) 【座敷所(ザッショドコロ)~正八郎沢上流425m地点】

さて,今年もGW屋久島遡行の始まりです。
入渓点は,永田の岳参りの起点である座敷所。
ここから入渓することで,身が引き締まる思いです。

天気は晴れ,気分は最高。ついこないだも遡行した気分での遡行スタート!

左:ここは横河(ヨッゴ)渓谷の一部で,最近は観光客にも知られるようになった。準備していると神奈川から来ていた姉妹とお会いし,言葉を交わす。やはり屋久島は「出会いの島」でもある。
右:水量は平水のようだ。光に照らされる水面や渓が美しい。
座敷所(ザッショドコロ)       渓相

左:滝はあるものの多くは5m以下の小滝で見るにとどめて遡行していく。
右:ミー散乱による水の色。花崗岩中の鉱物の場合だと,このような色になることが多い。
3m滝       清冽な水

左:谷はほぼ100%こんな感じで展開する。
右:ここで初めて永田岳が望まれる。中央奥の最高点左下の鋭切込が神様のクボ,あそこに詰め上がる予定だ。明日の夕方には逆の構図で,この場所を見下ろしていることになる。5泊分の荷物と記録媒体を詰め込んだ60Lザックは23kgにもなった。通常は45Lザックで十分。
ゴーロ主体の谷       シラハマ谷出合上部

左:予定の尾の上沢出合。明日のことを考えてもう少し遡行する。
右:ちょっとしたアクセントになる小滝。
尾の上沢出合上流       3m二条滝

左:河原の砂地を整地して今日の塒とする。砂地は最高の寝心地を提供してくれる。
右:これも遡行には欠かせないもの。サバ節と三岳で入渓祝いだ。みなと醤油とマヨネーズで頂く。
今日の塒       焚き火


今日は昼からの遡行で,5時間16分,約半日の遡行でした。

後になって残るものは,もう,想い出しかないので記録はこまめにとっていきます。
デジカメ,一眼レフ,DVD動画,これらは装備として重いですが,大切なものでもあります。

明日はいよいよ核心。
何とか日があるうちに永田岳に立てるよう,ガンバリます。




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