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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

上の小屋谷:長谷遡行

九州本土では距離のある「上の小屋谷」の支流の一つ
【長谷】の日帰り遡行です。梅雨の晴れ間と休みがうまく重なりました。

ここは2000年,当時の相棒と1泊2日で挑んだことがあり,
夜の8:00に林道に上がり込み,泊。翌日,縦走して下山しました。
とにかく歩き通した印象が強く残っています。

間の8年を思うと,時間の早さをしみじみ感じてしまいます。
今回はどういう印象を持つのか,楽しみです。

《データ》
●水平距離:5,875m ●高度差:1,144m ●遡行:7時間24分 ●下山:3時間05分 
●地域:国見岳南東面 ●1:25000図:国見岳 ●地質:砂岩・泥岩・石灰岩・チャート 
●備考:下山は今回の萱野コースが最短だが,下山口と出発点の橋は9,2km離れている。車を回すか自転車デポが効率的。雷坂コースを下ると同じ場所に帰着可能。この場合,走って約2時間30分 ●人数:単独

左:以前はなかった林道と橋。このために上の小屋の廃屋は取り壊されてしまった。出発の橋からここまでは林道歩き。早朝のひんやりとした空気が心地よい。
右:明らかに増水している様子。最初は緊張する水音も次第に馴染んでくる。
尾向橋       水の流れ

左:基本的に大人しい渓相。自然とリズムを一つにして遡行していく。
右:散在するゴルジュの一つ。本流は左曲,正面の滝は支谷のもの。
渓相       8m逆くの字滝

左:ここはかすかに記憶にあった。本流で最初に出会う本格的な滝。
右:躍動の一コマ。増水していると迫力が増す。
10m滝       躍動する水

左:本流一の滝。見応え十分。
右:長谷に分け入り,しばらく遡行すると立ちはだかる,長谷最大の滝。これも迫力十分。右手には岩壁・岩峰が連なる。実はこの上にも別の20mの段滝が隠れている。
20m滝       25m長谷大滝

左:懐かしい登山口。8年前のキャンプ地。前回は長谷入口で既に落日。暗闇遡行となり,途中から左尾根に逃げ林道までヤブコギしたので,谷通しでの遡行は今回が初めてとなる。達成感と安堵感。
右:人が希な長谷にはこんな森が広がります。森が透き通るこの感じは,最高。一応道らしきものはありますが,ほとんど消失しているので,谷通しに好きな場所を歩く。
長谷登山口       美しい森

左:そしてフィナーレ。遡行してきた上の小屋谷の刻みを俯瞰する。意外に早かったので余裕が生まれる。ここからの風景はもうお馴染み。
右:山頂にあった花。この時期は人はまばらだが,見るべき花は結構ある。
国見岳山頂からの眺め       ドウダンツツジ

左:国見岳からは→五勇山→萱野集落→尾前集落→出発の橋コースを採用。特に国見~五勇間の縦走路は快適なトレランで颯爽と駆け抜けることができます。標高1,600m前後の高原コース。この日,下では29°まで上がったそうですが,ここは走っても快適でした。
国見~五勇縦走路

早朝に出発して,夕方に帰着する頃には,満足感で一杯でした。
特に萱野集落から出発の橋までの9.2kmの車道ランは正念場でした。

8年前の記憶を辿りましたが,ほとんど消失。悲しいくらいに思い出せません。
たまに"あっ,ここは!"という所があると,非常に懐かしくなりました。
まあ,人は前進する生き物で,色々と忘れていくんですね,きっと。

過去はどうあれ,上の小屋谷はやはり九州を代表する谷の一つだと
改めて思いました。

ここには支流も色々あるので,
まだ遡行していない山の池谷・国見谷・小国見谷・左谷・スゲ谷左俣などを
ふらつけたらと思いました。

今日も無事に遡行できたことに感謝です。ありがとう。
また次の沢も楽しみたいと思います。




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沢(九州) | コメント:2 | トラックバック:0 |

Cnanada ~2002~

今回は1999年のカナダ第1弾に引き続き,
2002年の第2弾アシニボイン山(3,618m)遠征のレポートを
お送りしたいと思います。

メンバーは当時所属していた山岳会の4名です。
3年振り,3度目のカナダで,目標の1つだった山に登れました。

《データ》
●山名:アシニボイン山(Mt.Assiniboine) 3,618m(カナダのマッターホーンと呼ばれる)
●位置:カナダ ブリティッシュコロンビア州(バンフの南方に位置)
●アクセス:キャンモアからスプレイ湖岸道路をヘリポートまで車で38km(約2時間)
その後,ハイク25km(約10時間)かヘリ10分かで,アシニボインロッジ到着。
ここで宿泊するもよし,さらに足を延ばし,ハインドハットまで4時間。
●ルート:北稜(North Ridge) 高低差約900m Ⅳ級 5.5
●概要:カナダを代表するアルパインルート。核心は2つのロックバンドの突破と
頂上手前のロックステップ帯。他はスクランブル(四肢で這うように登る形態)に近い。
●時間:往復12時間前後(人数,技量,スタミナ,気象条件による)

ヘリポートから約25km,ハイキング約9時間で,ロッジに到着。荷の重さに辟易。登山靴は失敗,アプローチシューズの方が良い。ロッジで余計な荷を預かってもらい,ハインドハットまで。グモーザーズハイウェイと呼ばれる岩壁帯(Ⅲ級)を縫うように歩き(登り),這々の体でハットへ。夜10:00着。この日は,14時間行動。疲れた~。

この日は上部で風が強かったらしく登頂に成功したパーティーはゼロ。
簡単には登れない山のようだ。因みに年間登頂パーティーは約15らしい(登頂率20%)

明日はどうなることやら・・・

翌日,天気が良いのでアタック。既にいくつかパーティーが取りついている。

下部はほとんど傾斜のあるガレ場登り。バンドが出てくると気合い入れ。
①レッドバンド(15m Ⅳ):北壁(右手)にトラバースして雪の詰まった65°のルンゼを登る
②グレイバンド(6m Ⅳ+):左右2つの溝あり。左を登る。85°
③ロックバンド(20m Ⅳ+):慎重にホールド・スタンスを求めて登る。左の東壁側の切込みは凄まじい。これらを突破すると山頂へは,200mの雪面歩きで着く。

左:残照のアシニボイン。ルートは左手の「く」の字になった北稜。
右:核心部のロックステップ。これが地上にあれば楽勝だろうが,標高3,500m+雪+左右の切込み+クランポン装着というものが加わると,途端に恐怖の対象となる。平常心。
残照のアシニボイン山       核心のロックステップ

登頂成功!バンザーイ!
アシニボイン山頂(2002.8.13火 1:20pm)

翌日はのんびり下山。

その後は近くのナブピークへ散策へ出かけたり,ロッジで祝賀会をしたり,緩んで過ごす。
時間なんか関係なく,これこそ最高のひとときかも知れない,なんて思ってしまう。

左:登頂後,翌日の祝賀バンザイ。お疲れでした。ハインドハットとアシニボイン北壁をバックに。
右:下山後はのんびりと。ロッジで朝っぱらから黒ビールをあおっているとおなじみのリスがやってきた。彼の名はコロンビア地リス(コロンビア・グランド・スクワーラル)。文字通りあちこちに穴を掘って住処としており,時折人間観察に出かけるようだ。あいくるしいロッキーの人気者。
ハインドハットとアシニボイン山       リス

左:こちらはマーモット。7kgサイズのネコといった感じ。動きは緩慢,人目につかない所に住んでいる。モサモサと歩く様はどこか愛嬌を感じる。
右:今回のメンバー。一夜で15cmの積雪があったため,風景は一変。夏から冬へ。
マーモット       遠征メンバー


この雪には驚いてしまう。天気が崩れているのはわかっていたけれど,こんなに積もるとは・・・。でもおかげで良いものが見れて,良い経験ができました。
左:夏のロッジ
右:冬のロッジ
8/15のアシニボインロッジ       8/16のアシニボインロッジ


下山はヘリ。出発のヘリポートに降り立つと,他パーティーにさかんに登頂状況を聞かれました。
「おめでとう!」「コンディションはどうだった?」みたいに。「なんでもう知ってるの?」という感じでした。白人は素人でもそれなりのクライマーに見えるから不思議だ。そう思うのは自分だけだろうか。

この日に登った6パーティーはほとんど登頂できたようです。
おそらくみんな天気の持つこの日を,待ち続けていたに違いありません。

中には,地元クライマーもいましたが,彼らの技量には目を見張りました。
懸垂で降りる箇所を,何事もないようにクライムダウンしてくるのです。
"a walk in the park"と余裕たっぷりに。さすがです。カナディアン。

という訳で全員無事に登頂でき,めでたし,めでたし,でした。

道中,色々なことがあり軋轢もありましたが,全体として無事に終われたのが,
今は何よりだと思っています。

人って,幸せには鈍感ですが,不幸には敏感な生き物ですもんね。
登頂できた喜びを改めて噛みしめたいと思います。

そして2008年夏,
今はこの山に登ることが目標です。

Mt.Robson(3,954m) 
南壁ノーマルルート(Ⅳ級 高度差3,099m)

途中の山小屋を利用せず,自分なりのアルパインスタイルで
速攻したいと思っています。






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