保土野谷 【愛媛県別子山村】2010-08-16 Mon 11:26
面河川本流遡行から6年。
あの日から思い続けてきた保土野谷に足を運べるチャンスがやってきました。 ここは80年代にルビーが発見されて,一躍その名を知られることになった谷であり, また,地質学的にも非常に興味深い山域です。久々の四国の谷に胸が高まります。 左:久々の臼杵港。今回は初めての昼間渡航。夜間とは雰囲気が異なる。あっ,しまった~車検証忘れた! 右:約2時間の航海で八幡浜港へ。西種子川以来,4年ぶりの四国上陸。 左:翌日。ここが一般的な保土野谷入渓点。 右:いったん谷に入ると,ここが九州か四国かなんかはどうでもよくなる。純粋に自然の造形を楽しむのみ。 左:夏の早朝の森は適度にひんやりしており過ごしやすい。 右:いよいよ黒滝の登場か。 左:そしてついに黒滝へ。ここだけなら落差20m。「これが黒滝か~」ようやくここに来れたな。 右:フェルトも歯が立たないツルリン壁を,全身フリクションでズリ上がり,正面へ。豪快。 左:滝の右手を巻き,上段15m斜滝の下を横断。ここの巻きこそ,巻きとはこうあってほしい,と思わずにはいられない巻きだった。会心の一本。頭上には殿ヶ関を呼ばれる岩壁が屹立する。この岩壁はカンラン岩といって地中深部で生まれる岩石で,赤茶けた色をしている。沢では珍しい岩石。もし見かけたら欠片を持ってみてください。その大きさ以上の重みがズシッときますよ。それだけ高密度なんです。 右:上段滝を巻いて滝頭から見下ろす。中央やや左奥に入渓点の橋が見える。この高度感は素晴らしい。 左:さて,ここからは地形も緩み,青空ものぞき,真夏の遡行に突入。最高の水遊びの始まり。 右:コオニユリ。日当たりの良い岩場などで見られる花。真夏の青空に生える花の一つ。 左:躍動の一瞬。一瞬の積み重ねの上に,流れる連続ができあがる。 右:ゴーロの沢をいくと現れる15m滝。清清しさ満点。中段から右を巻き上がる。 左:落ち口と青空。 右:この赤いのがザクロ石(ガーネット)。タイプは変成岩中に見られるので,鉄礬ザクロ石。 左:15m滝の上で水は急速に枯れ,早々と源流の詰めが始まる。しかしヤブはほとんどなく,このようなアルペン的な景観の中を詰めていくので,爽快この上なし。 右:タカネオトギリ。これも盛夏の花の一つ。オトギリソウはその清楚,可憐さとは裏腹に,花の秘密をばらした弟を切った(オトギリ)ことに由来する。 左:黒岳山頂からこれから歩く権現岳方面を望む。 右:先ほどのザクロ石(ガーネット)を含む角閃岩。黒岳西のガレ場にたくさん落ちている。 左:シコクフウロ。これも今が最盛期。 右:保土野谷の詰めのガリーと黒岳。最後にちょこっとヤブになっただけで快適に谷から抜けることができた。 左:黒岳(左)とエビラ山(右)。ここは縦走路といっても腰までのヤブに道が覆い隠されている。踏跡をきちんと追えば問題はないが,一般登山道とは言いがたい。 右:権現山か権現峠と東赤石山方面を望む。鉄塔左下にある岩は権現岩。その周囲では,非常に貴重なエクロジャイト(りゅうき岩)が出る。地表ではめったにお目にかかれない岩で,緑とピンクの色合いが美しい岩です。 左:権現峠からは床鍋(とこなべ)への道を下る。最初は沢伝いで歩きづらいが,次第に快適になってくる。四国電力(よんでん)の鉄塔関連の道がきれいに整備されている。鉄塔もそうだが,道を作るもの大変だったでしょう。 右:ゆっくり下り約2時間で登山口。ここから保土野へは車道をテクテク歩いて帰る。 ようやく懸案だった保土野谷へ行けて満足。 詰めの爽快さ,尾根上の草原,地質構造など四国の沢もまたいいものです。 予定ではこの後,石鎚の番匠谷でしたが,これは次回の楽しみとしてとっておきたいと思います。 ★次回も沢を予定しています。 スポンサーサイト
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