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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

次回の山行

台風の進路が気がかりですが,次回は四国へ渡ります。
そして瀬場谷遡行&石鎚周遊トレランの予定です。

瀬場谷は赤石山系にある谷で,ここは遡行よりエクロジャイト採取が主目的です。
エクロ・・・とはマントル深部で形成される岩石で,地表にはめったに現れない,非常に貴重な岩石なんです。

日本ではここを含めて3箇所,世界でも10数箇所でしか採取できません。
鉱物マニアとしては垂涎ものなんです。

石鎚トレは面河を基点に時計回りで,愛大小屋~石鎚山~土小屋~面河を走る予定です。
ようやく実現できそうで何よりです。

あとは晴れてくれることを祈るのみ!
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川原一号谷下降 in 屋久島

さて,今日は岳之川の詰めと川原一号谷の下降。
いってみましょう。

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左:朝から雨で森の中は暗く,気分も一向にのってこない・・・。尾根を目指し延々と忍耐の時は続いてゆく。
右:尾根から下降し始めると雨も止み少しは明るくなり,気分ものりだす。

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左:そして川原一号谷着。いきなりの滝場で下降開始。
右:遡行人さんは唯一無二のルートを選び,上手に下っていく。

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左:15m斜滝の落口。左から下る。
右:海が見え始める。沢中から海が見れるのは屋久島ならでは。

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左:15m斜滝を下から。ようこんなとこ下ってきたな~。
右:沢は右にヘアピンカーブ。そこには4m滝。ここも下る。

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左:ここは右岸を荷物を降ろしてクライムダウン。
右:見上げても良い渓相。

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左:先には滝の気配・・・。
右:高度感あり。10m滝上。

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左:10m滝を下から。
右:5m滝をクライムダウンして釜へ。このリッジ状のクライムダウンは面白かった。

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左:右岸支流との俣に懸かる10m幅広スダレ滝。お見事。
右:この辺まで下ると幅が広くなってきて安心感が増す。

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左:6m岩断。
右:樹木も張り出してきて,渓に陰影がつくようになってきた。

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左:最後の滝場。5mトユ。
右:下流の流れも素晴らしい。

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左:5m滝を下から。
右:あとはナメ状を50mも歩くと川原一号橋。到着。

とまあ,予想以上に面白い下降となり大満足。ナビゲートしてもらった遡行人さんには大感謝です!
ここは遡行しても大当たりでしょう。たかだか2時間くらいでしたが,ずっと緊張の糸が張ったままで,非常に充実感に溢れていました。遡行人さんの活路を見出していく貪欲さはとてもためになりました。「近づけば道は開ける」・・・自分に不足している点の一つです。

やっぱり屋久島最高!
こうなれば遡行できる限り島を遡行しまくりたい,という思いを抱かせてくれた一本となりました。

遡行人さん,色々とありがとうございました!


★次も沢です。

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岳之川 in 屋久島

さて今年のお盆は再び屋久島。
岳之川遡行&川原一号谷を下降してきました。

同行は屋久島遡行人さん。
心強いパートナーとご一緒でき,充実の遡下降となりました。

今回は,遡行編。
永田集落を流れる岳之川です。

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左:いつもどおり高速を南下。今日は快晴。期待が高まる。
右:これまた混雑のトッピー乗り場。

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左:宮之浦で落ち合い,車をデポし,入渓点の海岸へ。
右:出だしはこんな感じで始まる。

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左:照葉樹の森は晴れると,渓の陰影がクッキリ現れる。
右:巨岩の狭間をゆく。

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左:夏渓の爽快さ。
右:水流アート。

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左:5m二段スダレ状。数少ない滝はシャワーで。
右:徐々に傾斜が出てくる。

とまあ,今日は午後からの遡行なので5:00くらいで切り上げて明日に備える。
適度に変化もありそれなりに楽しめました。

さて,明日はいよいよ源流域と下降が待っています。

つづく。


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樅木本谷支流:カキノ谷

今回はアクソ谷に続き,カキノ谷です。
樅木本谷の支流で,開持(かいもち)集落横を流れる谷です。

ではどうぞ。

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左:ここから入渓。右はスミガマノ谷。
右:水量は通常水位のよう。

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左:夏渓の一コマ。
右:水の躍動を,ちょっとだけ止めて見る。

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左:ここからはカキノ谷。出だしの5m滝。
右:開持の集落。人の気配がまだ残る。犬もいた。

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左:核心となった,ゴルジュ3連滝の下2連。手前は右壁Ⅲ級,奥は左壁Ⅳ級のクライムでゴルジュ奥へ入り込んでいく。もう後には戻れない。奥の滝は見た目以上に厳しい。核心ムーブは,左指のピンチのみで右足先をスタンスへ乗せ上がりこみ(右手,左足はブラ),足先の入れ替えをして,右手と右足はフリクションでバランスを取り,左足を上げて乗っ越す。知的なムーブで楽しませてもらった。

右:そして3連滝のおおとり,15mトユ滝。岩壁を一条の流れとなって,深い緑釜へ吸い込まれていく様は優雅のひとこと。カキノ大滝と命名。

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左:砂岩の灰色と水流の白色がマッチ。
右:上流にあった雅なスダレ斜滝。今回最も美しかった滝。

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左:上流でもぽろぽろ滝は出てくる。が,変化には乏しい。
右:源頭にはカツラの木が。ヤブを10分も漕げば平家尾根上に出る。

距離の割には出だしのゴルジュが核心で,後は単調な谷でした。
でもゴルジュ内の15m大滝はめっけもんで,厳しさの先にある優しさを見た思いです。


★さて次回はお盆,屋久島アゲイン。アップは8/16になります。
予定では岳之沢遡行,川原谷下降。それと奥岳トレランを考えています。


沢(九州) | コメント:0 | トラックバック:0 |

アクソ谷のアクソとは・・・?

先日遡行した【アクソ】谷。渓相の良さはピカイチでしたが,その名の由来が頭に引っかかっていました。

アクソ・・・悪相,悪祖,悪鼠,阿糞など漢字表記で候補を考えてみても,皆目検討がつきません。

ということは,ここの地名は,漢字が定着する以前から,「音」で伝わってきたものだと推察されます。こういう言葉を無理に漢字表記にすると,全く意味を成さなくなったり,違う意味を持つ言葉に摩り替わったりします。

例1:知床(しれとこ)→シル・エトク(「北の果て」のアイヌ語。アイヌ語には文字表記がない)

例2:佐賀の鳥栖(とす)→元々は,大分の玖珠(楠)にあった巨大な楠を伐採した際に,樹冠にあった鳥の巣が落ちた場所だと言われています。鳥の巣→鳥巣→鳥栖

さて表記に関する話はこれぐらいで止めておいて,本題に入りましょう。熊本の多良木町にはアクソ山という山があります。ここもカタカナ表記で,アクソ谷と通じるものがあると思い,調べていきました。

ここでわかったことをまとめると・・・ここからマニア道まっしぐら。

「現在の福岡,大分,山口辺りには,太秦(うずまさ)一族が「秦王国」を構えていたと考えられています。有名な古代豪族,秦(はた)氏の宗家です。東漢(やまとのあや)氏らと同じく,彼らは古代日本史を紐解く上では欠かせない豪族の一つで,帰化渡来人として,機織(はたおり)や秦(畑)作などの技術を日本にもたらしたと伝えられています。彼らは後に,山背国(現在の京都南部)に渡り地盤を築き上げ,大和政権,果ては日本の中枢部に深く食い込んでいきます

奈良時代の人口は約600万人前後だと推測されていますが,なんとその3分の1は秦氏or東漢氏だと考えられています。また,全国に展開する八幡宮,稲荷神社なども彼ら,秦氏との関わりが深いものです。八幡総本宮の宇佐神宮が大分にあること,稲荷神社総本社の伏見稲荷神社が京都南部の伏見区にあること,これらは全て秦氏との関係を示しています。後の薩摩の島津,四国の長宗我部(諸説あり)などはその子孫だと考えられています。

話を九州の太秦(うずまさ)氏に戻しましょう。さて,その太秦氏ですが,彼らは高度な冶金の技術を持ち合わせており,鉱物を求めて,九州各地を探索したようです。

当時,彼らの中ではある種の鉱物を「にゅう」と呼んでおり,これが見つかった場所に「にゅう~」という地名が残されたようです。例えば「新田原」・・・ピンと来る人も多いと思いますが,福岡県には「しんでんばる」,宮崎県には「にゅうたばる」という読み方の地名が残されています。九州では「原」と書いて「はる,ばる」と読むケースがあり,古代から伝わる読みです。よって双方とも古くから残る地名であり,福岡の前者は稲作絡み,後者は鉱物絡みからの由来だと推察されます。因みに現在の宮崎県の新田原は,新田原航空基地があることで有名ですが,その近くに八幡宮,稲荷神社の両方とも残されています。

この「にゅう」という音は漢字表記の際,新・入・乳・湯などに当てられたようで,温泉などないのに,湯の田という地名があれば,そこはかつて「にゅう」が採れた場所だと考えることができます。

閑話休題。彼らは鉱物探索過程でアクソ山がある多良木町にもやって来て,山周辺を探したそうです。しかし,ほとんど何も見つからなく,また地質的な脆弱さもあったことなどから,この山周辺を【アクソ】を言うようになったようです。よって【アクソ】とはマイナスイメージを持つ言葉だと考えられます。現代風に言い換えると,たいしたことはないもの,つまらないもの,という具合でしょうか。」

辿りついたのはここまでで,これ以上は歴史の流れを遡行できませんでした。
もちろんこれがアクソ谷に適用できるかは疑問を残しますが,長い年月の言葉の淘汰の中で,現代まで残っているという観点から,共有する部分を多く持っていることは否めないと思います。

今回,アクソ谷の遡行を通じてまた新たな歴史を発見し,非常に興奮を覚えました。
こういうの,大好きなんです。

現在残る名称の裏に,脈々と流れる歴史の流れ。

「溯渓」とは,現実世界の,表面的な水流や滝を登ることだけでなく,その地に受け継がれてきた,内面的な歴史の流れをも,溯っていくことでもあると考えます。

水流,歴史,人生,自然の真実,果ては宇宙の真理,それらの全てを溯りながら到達できる源流の一滴。

いやはや,沢登りって最高の学び&遊びですね。
だから止められないのかもしれません。

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樅木本谷支流:アクソ谷

今回は予告通り,アクソ谷の遡行です。

ただここだけ行くのはもったいないので,前回巻いた樅木本谷の関門ゴルジュの泳破と,スミガマノ谷の車道下の滝をつまみ食いしていきます。

まずは樅木本谷関門ゴルジュとスミガマノ谷の滝からです。

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左:取水堤上から入渓。前回より-30cmくらい減水かな。前回ほど迫力がない。

右:すぐ先に二人組の釣人がいたので,ポイントを荒らさないように巻いて,関門ゴルジュに降り立つ。相変わらず凄まじい迫力。

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左:ゴルジュ内部から下流側を振り返る。

右:岩壁の額縁により切り取られた空。この感覚は由布川,武平谷以来。両岸とも石灰岩でハングしているので,重圧がのしかかってくる。

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左:渕だけではなく瀬もある。

右:ほぼ抜けた所からの俯瞰。これは間違いなく九州でも一級品のゴルジュ。両岩壁の高さは写真に写っている範囲の3~5倍あります。惜しむらくは人工物があること。これがなければもっと素晴らしいゴルジュだっただろうに・・・。

とまあ,まずは無事に関門ゴルジュ突破。ここは凄い渓相です。由布川,武平谷より少し劣りますが,出色の一本でしょう。さてお次は少し上流からスミガマノ谷へ入ります。

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左:この渕で右からスミガマノ谷が出合う。
右:渓の陰影。

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そしてお目当ての滝。15mくらいかな。左上に車道のガードレールが見えています。ここのゴルジュもなかなか。

ここでいったん車道へ這い上がり,旧四方田(よもた)集落への道をたどり,堰堤上で再び入渓。お次はいよいよお目当てのアクソ谷です。

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左:堰堤上は埋まってしまい,このような河原になっている。ここはハシノ谷出合い。ハシノ谷には5mのきれいなスダレ滝がかかっている。

右:生きることの凄まじさ。

ここからはアクソ谷に入ります。

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左:ここからがアクソ谷アトラクションの始まり。滝はシャワークライムで突破。
右:日が差してくると渓は色めきだつ。

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左:次から次へ登れる滝が出てきて,興奮度アップ!
右:シャワーの途中で見つけたイワタバコ。夏の渓花。

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左:そしてこれが先日,林道からチラ見した滝。見える範囲で15m。

この滝を巻くために,左から出合うガリーを登り始め,ふと振り返ると・・・とんでもない物を見てしまいました。

右:それがこれ。なんと!さっきの滝の上に更に滝が連続。全部で三段構成の,上から15m,10m,15mの計40m滝だったのです!これには驚き!名づけてアクソ大滝。凄い!アクソ谷バンザイ!来て良かった!

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左:最下段の落口。うまい具合に渋いトラバースができました。流芯を渡りクライム。
右:中・上段はシャワーを交えクライム。三級。上段落口から下流を見下ろす,の図。

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左:次の18m斜滝もシャワークライムで突破し,次に現れたのがこれ。15m美スダレ滝。思わず「うおー」と叫んでしまいました。アクソ谷最高!

右:その上にある小滝。これも美しいスダレ状。

とここまでがアクソ谷のハイライトでした。この後,谷は左折し,五家宮岳へ延びていきます。谷も小ぶり,単調となり,しきりにまとわりついてくるアブを掃いながら平家尾根上へ。後は帰るだけです。

尾根上はヤブの濃い道で,五家宮岳南にある1530mコブから先は今日,測量の人たちが入り,ヤブがきれいに刈り払ってあり,楽々,作業道まで降りることができました,感謝です。ありがとうございました。あとは作業道と車道を11.6km走って戻るだけです。

いや~今日は何とも贅沢な日でした。一気に懸案を3つも消化でき,それぞれが素晴らしかったので満足です。また,生還できたことにも感謝したいと思います。この年になっても初体験ができること,これは沢の醍醐味の一つです。

今日という日に感謝。

★次はまた樅木本谷です。目指すはカキノキ谷。

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