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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

UTSR ウルトラトレイル脊梁山地 後半

前回の続き。

コース後半部を走ります。
コースは以下の地図で緑線の部分になります。

コース図【茶臼山~杉越登山口】c

茶臼山~林道~谷沿いに登山道~椎原~県道445号~樽水~朴の木~小金峰~大金峰~二本杉峠~雁俣山~京丈山~平家山~国見岳~高岳~椎矢峠~三方山~向坂山~杉越~杉越登山口。

距離51,7km / 累積高度3,471m / 19時間32分

ではどうぞ。

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左:茶臼山からはいったん作業道へ下り,谷沿いに下る登山道に入る。が,ここがとんでもない荒れようで,作業道を走った方が良かったと後悔することになる。あんなのは登山道と呼べるものではない。たかだが2kmの道に1.5時間も費やし,車道に出る。ここからはしばらく車道を走る。できるだけ登山道にこだわりたかったが,ここはその価値がなかった。

右:夜のトンネルはどこか魅惑的。小金峰の取り付きの朴の木集落までは急な舗装道で走る脚力は残っていない。さらに強烈な睡魔に襲われ,途中,何度も何度も中腰になりながら眠気と戦いながら登っていく。

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左:小金峰までの登りも急登で,ゆっくりしか登れない。そして山頂着。5:06。そろそろ空が白み始めてきた。

右:大金峰へ向かう途中で夜明け。一瞬だけのモルゲンロードを眺めたら,天気が悪化し始めてきた。まずい予感。完全に予報は悪い方向に外れている。

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左:大金峰山頂。ここの手前でも強烈に眠くなり,トレイルの落ち葉の上に倒れ込むように横になり少し睡眠をとる。

右:大金峰からの下りで,雁俣山を望む。徐々に目が覚めてきた。

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左:二本杉峠。7:33。足底にはマメがあちこちにできているので,その対処をしていく。ここからは東に向かっていくのみ。あと残すところ31km,12時間ってところかな。

右:50分で雁俣山山頂。先がわかっていると,気持ちに余裕が生まれる。

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左:樹間から京丈山を眺める。約2時間の行程。

右:来し方を振り返る。昨晩の23:00に通過した上福根山が懐かしい。が,西の空には雨雲が迫りつつある。

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左:京丈山までの尾根は植林帯が多く,ヤブがないぶん快適に辿ることができる。しかし,森の中の木々が鉄筋の足場に見えたり,樹表のシミが文字に見えたり,あそこに人がいると思って近づくと単なる木だったりと,ありゃ~脳がだいぶんお疲れのようだな。

右:そして京丈山山頂。

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左:平家山へ向かう途中にはキノコ狩りができる場所がある。この付近でとうとう雨が降り出した。まずいな~今回は快晴の予報を信じて雨具類は携帯せず。まあそんなに強くは降らないだろうと勝手な希望的観測。

右:行く末を眺める。国見岳にもとうとうガスがかかり始めた。完全な天候悪化の兆し。それも結構降りそうな気配。

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左:そして平家山。12:50。手前の登りは疲れた脚には堪えたが,登り切ったぞ。

右:国見岳への尾根にはなだらかな森が広がる。雨脚は弱まるどころか益々強くなり,体が徐々に濡れてきた。

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左:そして24時間ぶりの国見岳。14:43。完全に雨。おまけに冷たい風まで吹き付けるので早々に退散。先は見えたが,雨に濡れたことと,冷風のせいで体温が急速に奪われていく。30秒もじっとしてたら,両腕がガタガタと震えだす始末。こら何としてでも動き続け,発熱せんといかんバイ。体内から発熱さえできればこの状態なら切り抜けることができるので,とにかく動き続けて先を急ぐ。もう頭から靴まで全て濡れてしまっている。あと5時間。

右:山の池湿原。神々の庭とも。山腹の急峻さが嘘のように,尾根筋には平地が広がる。それが脊梁山地の醍醐味の一つ。

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左:椎矢峠。ガスが濃くなり,風も強くそして冷たくなってきた。あと2時間30分。まだ発熱はできるので大丈夫だが,濡れっぱなしの頭部から痛みが出始めた。頭部は低温に対して真っ先に反応し,危険信号を送ってくる。

右:椎矢峠から20分で三方山。とうとう両手の指の曲げ伸ばしができなくなってきた。徐々に身体の末端がやられていく。対処は内側から温めることしかないので,ここからはさらに飛ばして体温が上がるように走っていく。

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左:向坂山までのトレイル。こんなコンディションで闇夜を走りたくないので(ガスだとLEDヘッドランプの光が拡散して,かえって見えづらくなる),視界が効き道が判別しやすいうちに,できるだけ向坂山まで近づくように飛ばす。さっきまでの疲労が嘘みたいに走りまくる。これが火事場のバカ力か。

右:そして急登もガンガン登り,向坂山到着。19:07。もう110km以上走っているのに,まだこんなに力があったとは・・・この時には間違いなく脳のリミッターを外して走っていたと,今になって思う。疲労度からは考えられない走りをしていた。これが人が誰しも備えている潜在的な可能性なのだろう。

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左:ここからは下りのみなので,今回のコースを反芻しながら走る。雨は小康状態になったが,風は益々吹きすさぶ状態。

右:夜の友,ヘッドランプの灯りとともに,あと700mでゴール。

距離113,4km / 累積高度6,988m / 36時間32分

走っている時は長くて,終わってみればあっと言う間だったウルトラトレイル脊梁山地(Ultra Trail Sekiryo Range),UTSRは終了です。真っ暗で風雨の中での到着となりましたが,万感の想いで胸が一杯になりました。

この計画を思いついて,準備して,失敗して,ようやく辿り着くことができたゴール。一つの目標を終えることができ感無量であるのと同時に,もう次の目標へ向けて気持ちは動いています。

今回走り終えて,身体全体の疲労感はそこまでひどくなく,それよりも脚部のむくみがいつもよりひどい状況です。普段履いている靴に足を入れるとパンパンで,無理やり押し込んで履く感じです。よっぽど疲労が溜まっているのでしょう。まあ,こんな状態は日常では体験できないことなので,楽しみながら身体の変化と回復をチェックしています。

また翌日は雨と風にうたれたせいで,軽い発熱と喉をやられてしまいました。雨具を持っていかなかったこと自体が反省点ですが,快晴の予報がこうも外れるとは・・・。雨具の代わりに食料を増やすことを選んだ戦術ミスです。

やはりウルトラは精神力がものを言うことを,改めて痛感しました。周囲の環境や身体のことは理性で冷静に判断しつつも,行動をやり遂げるには,絶対逃げずに諦めない,何事にも折れない強い気持ちが必要だと思い知らされました。また,身体の損傷を最低限に抑えようと常にシグナルを送ってくる脳のリミッターを外し,その先までどれだけ自分を追い込んでいけるのか,そこにこそ,潜在的な可能性が眠ってることも実感しました。

色々なことを学ばせてくれたことに感謝です。いい意味でも悪い意味でも,今回のことは決して忘れることはないでしょう。

★次回は未定です。身体の回復具合を見てから決めます。

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