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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

姫路城&高野山

さて今回は今回の沢旅の目玉,姫路城と高野山の観光になります。それに値しないようなものでも,供託金にものを言わせて何でもかんでも世界遺産にしたがる日本で,両方とも訪れるに値する世界遺産と思っていましたので,楽しみにしていました。

まず姫路城からどうぞ。コメントなしで一気にいきます。見るだけでもその素晴らしさが伝わってくると思います。

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さすがは白鷺(はくろ)城と呼ばれるだけのことはあり,とにかく純白な漆喰が印象的であるとともに,雲よりも白く青空に映えていました。地元の熊本城と比較しても,こちらの方が一枚上手ですね。城郭以外の付加価値的な所で勝負している感のある熊本城に対して,姫路城は城郭そのもので勝負して熊本城に勝っています。今年の3月に足かけ6年に及ぶ大工事を終えたばかりの,新生・姫路城を堪能できました。

 江戸時代に一国一城令(1615)が出されてから,全国に約3,000あった城は,約200まで激減しましたが,その中で熊本城も姫路城も,取り壊しが特に多かった西日本で生き残ることができました。それもひとえに家康の目論んだ外様大名対策です。

 外様大名は基本的に家康の元ライバル達で,強大な力を保持していました。その力を警戒した家康は,姫路城は毛利氏を,熊本城は島津氏を抑え込むための築城でした。姫路城は譜代大名の池田氏,熊本城は外様大名の加藤氏がそれぞれ築城した経緯があります。

 熊本城のように外様大名の城は特に意識して破壊されているのですが,熊本城は加藤氏の恭順により,また前述の島津氏対策のために破壊をまぬがれました。その城を現代でも目にすることができるのは,家康の英断と言えるのではないでしょうか(再建されてはいますが・・・)。

 また姫路城も二度にわたる姫路市の空襲にもかかわらず,戦中の空襲をまぬがれた幸運なども重なり,現代まで,一度も消失することなく生き延びています。これまであちこち城を見て回っていますが,全国にある城郭の中でも,その白さが特に際立つ名城でした。国内はもとより世界的に通用する遺産だと確信しました。

お次は高野山をお送りします。

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 言わずと知れた日本仏教の二大聖地の一つ,高野山。真言密教を学んだ空海が816年,八つの峰々に囲まれた山上の盆地(東西6km,南北3km)を,曼荼羅の八葉蓮華に見立てて,この地を開きました。高野山は山全体を寺院としてとらえる「一山境内地」なので,高野七口と呼ばれる七つの門をくぐった山中は全て境内とみなされます。1872年に明治政府により女人禁制が解かれるまでは,女性の立ち入りは固く禁じられていました。

 そんな高野山の中でも二大聖地とされるのが「奥之院」と「壇上伽藍」。特に奥之院は約20万基とも言われる墓が立ち並び,最奥に,現在も入定されている空海のいる霊廟があります。ここの空気は周囲の凛とした空気とは明らかに一線を画すもので,奥深い質感をひしひしと感じることができます。神社などの神聖感のある空気とは異質な空気感です。

 傍らの墓名を見ると,石田三成,上杉謙信(景勝),武田信玄(勝頼),織田信長,明智光秀,豊臣秀吉,結城秀康,浅野内匠頭,しろありの墓(?)・・・等々全てのものを受け入れているようです(さすがにしろありの墓を見た時には,高野山の底知れぬ寛容さに驚きましたが・・・)。その極めつけは法然と親鸞の墓もあること。彼らは天台宗系の浄土宗と浄土真宗の開祖ですが,彼らの墓がここ,真言宗の総本山にあるとは。仏の御心は,人間の決めた宗派や敵味方など関係なく,森羅万象,全てを取り込んでくれるようです。延暦寺と違って焼き討ちの危機を逃れた高野山に,当時の人々は浄土の姿を見ていたに違いありません。

 太古の昔より,人々は政治,戦争,そして宗教に支配されてきました。宗教に関して言うならば,その信仰心がこれだけのものを作り上げたことを思うと,人間が持つ「信じる」気持ちの底知れない力を感じてしまいます。「信じる」ことこそ,人間に備わっている最も大きな力ではないでしょうか。高野山に来てこの場の空気を感じ,壮大な建築物を目の前にして,そう思わざるを得ませんでした。

 話は変わりますが,鎌倉幕府の8代目執権・北条時宗は元寇に際し,その対策に悩んでいる時,無学祖元から次のような言葉を送られています。「莫煩悩(ばくぼんのう)」・・・一度決めたらあれこれ悩まずに集中して事にあたれ,という意味の言葉を。その言葉を受け入れた時宗は,見事元軍の猛攻を阻止し,日本を守ることができました。「信じる」ことによって,偉大な事を成すこと,また,苦境を変えることも可能だと,歴史が教えてくれている気がします。ただし,「信じる」ことは壮絶な戦いでもあることを付け加えておきます・・・。

まだまだ書きたいことはありますが,あまり行くと際限がないので,この辺りで指を止めます。
 
最後は奈良の秘湯,「入之波(しおのは)温泉」を紹介します。

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左:ダム沿いの道を奥に進むと温泉に着きます。この秘境感がたまりません。

右:ここの湯は重曹泉という泉質で,成分の炭酸カルシウムの付着で湯船は原型をとどめていません。重曹泉には乳化効果があり皮膚の汚れや古い角質を落としやすくする効果があるので,美肌の湯としての効能が期待できます。

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左:自然を眺めながら,ぬる湯にゆっくり浸かると,今回の旅が回想されてきます。・・・姫路城の白さ,高野山の神聖さ,そして東ノ川シオカラ谷の豪快さ・・・今,この湯に浸かることができる喜びが込み上げてきます。どんなことがあっても「生きている」,これこそが一番の幸せですね。

右:ここは温泉通も唸らせることができる湯治場です。

という感じでした。やはり知らない世界を体験することは,色んな意味で刺激を受けますね。調べればわかるような知識の受け売にならないように,これからも各地に足を運んで,自分の目で見て,耳で聞いて,そして肌で素直に感じる経験を積み上げていきたいと思うような観光になりました。

★次は沢です。行先は桧山谷:左俣奥谷から林道を歩いて中俣右沢の継続遡行になります。大崩周辺では,渓相の悪さを楽しめる名渓です。

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東ノ川シオカラ谷 in 北山川 〔奈良〕

さて予定通り遡行してきました。台高山脈を代表する一本,「東ノ川(ひがしのかわ)シオカラ谷」。

シオカラとは珍しい名前ですが,その由来は,昔シオカラトンボが数多く飛んでいたことによるそうです(「世界の名山 大台ケ原山」より)。聞いてすぐに「イカの塩辛」を連想した私は,貧弱な発想を露呈してしまいました。

久々に12時間を越える長い遡下降でしたが,充実感は満点です。
写真も多いですが,最後までお付き合いの程を。

コースは3つに分けられます。
① 駐車場から白崩谷下降地点まで
② 白崩谷下降
③ 東ノ川遡行~日出ヶ岳まで

ではどうぞ。

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左:駐車場を4時40分発。この尾鷲辻までジョギングで20分。まだ夜が明けきらない。ヘッドランプ付けてのスタートは初めて。

右:徐々に空が白んでくる。尾鷲道は細い踏み跡が続いている。

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左:下降地点を遠望する。あの辺りだな・・・。
右:白崩谷の上部はゴルジュになっており,滝が遠望できる。

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左:ようやく夜明け。
右:待ってました日の出。ここで足元を沢装備にする。

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左:いよいよ白崩谷の下降開始。
右:すぐにミニゴルジュが出てくる。中には2m滝が2本あり,いずれもクライムダウン。

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左:標高差で200mも下れば谷床へ。さらに下降は続く。
右:3m滝と大釜。上部でこれだけの水量があるとは・・・増水しているな。

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左:ほどなく造りが大きいゴルジュ帯。最上部の滝は15m程。

右:最下部の滝は20m。全て左巻きで下ると左から支流が出合う。のっけから迫力のあるゴルジュで,台高山脈の洗礼を受ける。標高からは計り知れない造形をしている。

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左:少し平流部も出てくる。
右:しかし,ほとんどはこんな感じで急激に下って行く。これは15m三段滝。

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左:10m滝。白崩谷は主に右岸側が下りやすい地形になっている。
右:ようやく傾斜が落ちてきて下りやすくなってきた。

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左:屋久島並の巨岩。
右:水量もだんだん増えてくる。

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左:真っ青な渕も増えてくる。

右:東ノ川本流との出合い。標高差860mを3時間で下る。9:15。さて,ここからがいよいよ本番。本流も増水してるな~。

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左:460m出合いから上流を眺める。
右:出だしはこんなゴーロ基調で溯るので行程がはかどる。

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左:垂直に聳える嵓(くら/岩壁のこと)。こんな渓相は初めて目にする。これが大台の沢か~と感慨深い。

右:おそらくアメ止めの滝。10m直段。アメ・・・と聞くと皆さんは何を連想しますか?この場合,アメノウオ・・・つまりアマゴが正解なのですが,私的にはネコ派なので,アメリカンショートヘア(アメショー)というネコの種類をすぐに連想してしまいます。

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左:アメ止めの滝上は急な巨岩帯が続き,足が出ないので,左巻を継続。
右:さっきの嵓は三角錐的な,険しくも美しい形状をしている。

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左:20m地獄釜の滝。水量が勢いよく吐き出され轟音が轟いている。右巻き。
右:巻きの途中から周辺の風景を一緒に取り込む。

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左:滝上はこんな感じで続いていく。
右:正面には高々と立ちはだかる嵓が見えてくる。

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左:ほぼ一直線に川筋が伸びる。巻きは悪いので谷通しに遡行していく。
右:さっきの嵓がさらに近づいてくる。あの右には・・・。

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左:谷を塞ぐ巨岩。屋久島の安房川下流にあるサイズ。縦13m横横15m。結果的にここは右巻きだったのだが,読み誤り左壁から越えようとして30分ほど時間ロス・・・まだまだ読みが甘いな。

右:日が射すと渓が一気に煌めきだす。今日は高曇りで,なかなか晴れきらない。

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左:出た~,何という巨瀑・・・これが西ノ滝150m(左)と中ノ滝245m(右)か。とてつもないサイズで唖然としてしまう。

右:西ノ滝150m。増水しているので飛沫が遠くまで飛んでくる。出合いからここまで5時間で予定通り。14:17。

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左:西ノ滝150m。少し登っては振り返る。
右:また少し登っては振り返る。それ程に見事な滝です。

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左:シオカラ谷に入り,樹間越しにまた振り返る。こんなに凄い滝が見れるなんてここは遡行価値が高い。

右:ここからはシオカラ谷。両岸迫り,油断できない地形。この先のゴルジュは通常なら中を突破だろうが,今日の水量では巻くしかない。

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左:3m三条収束滝。
右:谷が左に屈曲する地点から下流を見下ろす。V字具合が何とも言えず魅力的。

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左:左に曲がると千石嵓が衝立のように立ちはだかる。
右:13m滝と下流。

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左:15m高倉滝。左から右上に斜上できる感じだが,この水量では無理。突っ込めば水圧で吹き飛ばされて釜にダイブだろう。

右:2m滝と直径10m大釜。ここも水が少なければ泳いで滝を登れそう。

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左:そして最後の大物,東ノ滝30m(旧飛龍滝)。西や中ノ滝に比べると高さ的には見劣りするが,一直線に落下する様は見事。飛龍を連想するのも頷ける。

右:滝上はこのような岩盤になっており,ここが大台の縁になっているようだ。下は急激に切れ落ち,上は何とも素敵な渓相となっている。

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左:なんだこの優雅なスダレ滝は。シオカラ谷バンザイ!!
右:急登の後にはたおやかな平流とナメが広がるのでした。屋久島と似たような造形をしている。

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左:シオカラ吊橋が見えてきた。17:10。予定通り。このまま谷を日出ヶ岳まで詰めることにする。ここで止めるのはもったいなさすぎる。

右:所々にあるトロ場も美しい。水中には渓魚が泳いでいる。ビバーグするならここだな。

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左:ほんと,さっきまでとは打って変わっておだやかだな~。
右:ナメも素晴らしい。ヒタヒタ右に左にわざと蛇行しながら歩いていく。

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左:釜の色は深い緑。透明感ある深さなので綺麗。
右:たまにはこんな水流も見られる。

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左:谷幅一杯に広がるナメほど素晴らしいものはない。
右:上部二俣。右は元木谷。左をとる。

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左:トリカブト(カワチブシ)・・・九州のより紫味が強く出ている。これに含まれる有毒成分のアルカロイドには未だ有効な解毒剤がないが,昆虫の中にはそれを無毒化できるものもいる。

右:周囲は徐々にクマザサに変わってきて,源流味が溢れる。

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左:尾鷲辻への道に架かる橋。13時間前に通った場所。
右:水流もだんだん細くなってくる。

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左:遊歩道に飛び出す。左へ向かう。
右:木段を一登りで日出ヶ岳(ひでがだけ)山頂。

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左:三角点。実はここに来るのは20年振り。和佐又山キャンプ場に泊り,ここに登りに来たんですが,悲しいことにあの時のことは記憶に全くと言っていいほどありません。何も思い出せませんでした・・・。まあ人は忘れることで前へ進んでいく生き物なんで,それはそれでよいことだと思っています。到着は18:42,日出ヶ岳ならぬ日入ヶ岳になってしまいました。

右:下山はヘッドランプを付けて今日の遡行を反芻しながら下る。宿泊施設の灯りが煌々と闇夜に輝いていました。

という感じでした。

久々に夜明け前から日没までたっぷり沢を楽しむことができました。東ノ川は遡行の醍醐味がほどよく詰まった名渓ですね。地形的には屋久島の瀬切川,黒味川,鯛之川,小楊子左俣などと似ていると思いました。渡渉,ボルダリング,泳ぎ,モンキークライム等々,あらゆることをしながら遡行する醍醐味がここにはあります。しかし思い返してもあの急傾斜から上部で平流になる様は,最高としかたとえようがありません。ケガなく遡行できたことに今日もまた感謝です。

★次は観光をお送りします。姫路城と高野山が主になります。
沢(本州) | コメント:2 | トラックバック:0 |

有島 京コンサート

さて今回は,今年のショパンコンクールに出場予定の有島京(みやこ)さんのコンサートに行ってきました。

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熊本出身者で初の,世界最高峰と言われるショパンコンクール出場とあれば,話題性は極めて高く,多くの聴衆が県立劇場につめかけていました。

曲目はショパンの前奏曲などが中心でした。大げさな身振りが少なく,純粋にピアノを弾くことに傾注している姿勢が印象的でした。アンコール時に,これから弾く演奏曲目(「雨だれ」と,もうひとつは忘れました)を言っていたのですが,前の方にいても何を言っているのかわからなく,残念でした。マイクを付けるなりして拡声の必要があったと感じました。でも「雨だれ」の演奏は雰囲気が良く表現されており,良かったと思います。

10月から始まる予選でも全てものを出して頑張ってきてほしいと思います。

★次回は予定通り,大台ケ原の東ノ川の遡行をお送りします。台風一過後の遡行です。また,南紀白浜,那智の滝,高野山,姫路城などにも立ち寄る予定です。

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新潟観光 2015

新潟沢旅のとりを飾るのは,これまで行きたかった名所の訪問になります。

ではどうぞ。

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左:出発時に機窓からの眺め。空を飛べることって本当にすごいことだと思います。昔,パイロットを目指していた頃を思い出させてくれる。

右:伊丹空港へ降りる前には必ず撮る大阪城。

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左:無事に到着。

右:まず向かったのはここ,今年3月に北陸新幹線開通に併せてリニューアルオープンしたフォッサマグナミュージアム。新潟から糸魚川まで約200kmあり,新潟の大きさを実感します(面積は全国5位)。山形県境から富山県境までなんと約290kmもあります。九州で置き換えると博多~北九州間の古賀SAから鹿児島ICまでに相当。大きいはずだ。

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左:ヒスイの原石。これは一般的な緑のもの。ここ糸魚川は大地溝帯なので,堆積岩,火成岩,変成岩など様々な岩石が産出されますが,その中でもヒスイが最も希少価値がある。他にも数多くの岩石が収蔵されており,地学に興味を持つ人にとって,ここはメッカ。

右:これはラベンダーヒスイ。最近人気の石です。紫が高貴さを醸し出しています。

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左:そしてお次は断層見学。西日本と東日本のプレートの境界が露出しているところです。

右:地質も年代もまったく異なるプレートが合わさってることを視認。

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左:予備知識を入れた後は,実際に海岸でヒスイを探します。初日と二日目に8時間ほど探し先ほどのミュージアムで鑑定してもらいましたが,ヒスイはありませんでした・・・やはりそう簡単には見つからないようです。ただ様々な石を見分ける眼力は確実にアップしたと実感しています。ヒスイは海が荒れる冬場の方が海岸に打ち上げられていることが多いようですね。夏場は厳しいと地元の方が言っていました。

右:これは市振(いちぶり)海岸にある「海道の松」。昔の北陸道はここから河岸沿いに糸魚川へ抜けており,それはそれは難所だったらしい。かの松尾芭蕉も訪れ句を残している。「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」。

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左:その難所を「天険」というようです。このように岩壁が直に海に落ち込んでおり,この海岸線を昔の人は辿って往来をしたようです。ここを通過する時,親は子の様子を見る余裕がなく,子もまた親の様子を見る余裕がなかったことから,親不知(おやしらず)海岸の名前が生まれたようです。

右:お次はクライマーにとってはぜひとも登っておきたい岩壁の一つ,明星(みょうじょう)山南壁です。石灰岩の岩壁は高さ440mにも及び,石灰岩岩壁としては国内最大です。マニフェスト,キャプチュード,左岩稜・・・好ルートが盛りだくさんです。

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左:明星山の下を流れている小滝川にもヒスイがある。原石がゴロゴロしている。
右:今回ミュージアムで鑑定してもらった石たち。自分では判定できなかったものを見てもらいました。

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左:そしてお次は「越後の虎」こと上杉謙信公に会うために,春日山城跡を訪問。

右:春日山城は自然の地形を巧みに利用して築城されているのが,今でもよくわかる形で残されている。

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左:本丸跡からは上越市や直江津港を見渡すことができました。約450年前,謙信公も,この地から眺めていたんだな~と思いを馳せる。

右:ここは直江兼続(なおえかねつぐ)公の屋敷跡。彼は上杉景勝(うえすぎかげかつ)に仕えた武将で,景勝と二大巨頭体制を敷いていた為政者でもあります。軍神,愛宕(あたご)権現からとった「愛」の文字の兜を使用したことでも有名です。因みに前述の直江津港と直江兼続の直接の関係はありません。直江津港は三津七湊(さんしんしちそう/堺津,十三湊など)として昔からその名称がありました。兼続は元々南魚沼の樋口氏の出で,後に直江の家名を継ぎました。この直江氏が直江津港辺りを支配していた一族だったので,最初に直江津港ありきです。

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左:謙信公の像。去年の青葉城の政宗像も格好良かったが,こちらも負けてはいない。さすがです。

右:できればこういう地元の祭りに参加して雰囲気を味わいたい。今でも慕われているところに謙信公の人徳が偲ばれる。権力や地位といった肩書で人を自発的に動かすことができないのは,時が変わっても同じこと。

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左:今回の宿は栃尾又(とちおまた)温泉。いつも屋久島でお世話になっている遡行人さんのお勧め宿で,楽しみでした。

右:最初の雰囲気からストライク。この年代感あふれる感じが最高。食事も地元の食材を美味しく頂くことができ,まったりとした浮遊感に包まれました。また,特筆すべきは温泉。ここの泉質は単純放射能泉で,秋田の玉川温泉,鳥取の三朝(みささ)温泉などと同じ泉質を持ちます。このタイプは湯上り時の発汗がすさまじく,上がってしばらくは汗が身体の底から湧き上がってくる感触を楽しめます。この汗は油分はすくないのでベトつきにくい,スッキリ感のある汗です。元々は湯治場だったようで,泉質は極上でした。遡行人さん,本当に良い温泉を紹介して頂き,ありがとうございました!

という感じでした。

あちこち回るために沢も含め,一日15時間位行動しましたが,日本三大峡谷の一つである清津峡や新潟の名山,越後駒ヶ岳など,行きそびれた場所もあるので,将来的に,行先候補としておきたいと思います。

現在,全国47都道府県の名渓を遡行していますが,一年で1都道府県では,行きたい沢に行けないので,これからはもっとペースを上げて遡行していく予定です。

★ということで次は台高山脈の東ノ川の遡行予定です。連休を利用して奈良を代表する一本として遡行できればと思います。

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釜川右俣ヤド沢 in 釜川 〔新潟〕

さて越後の沢旅の第二段,「釜川右俣ヤド沢」です。

昨日の米子沢と,宿泊した栃尾又温泉の余韻に浸りながら,今日もまた越後の名渓と誉れ高い沢を登らせてもらいます。天気は晴れ時々曇りで,夕方には新潟空港から帰るので,時間を意識しての遡行となりました。

ではどうぞ。

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左:ここが入渓地の駐車場。わかりづらく迷いながら到着。ここまで来るのに予定より時間がかかったので,速攻で支度して出発。左に伸びる道を辿り沢まで降りていきます。ちなみに正面のゲートのある道は帰りにトレランで走ってくる道になります。支度をしていると地元の方が来られてゲートを開けて入っていった。その人曰く「沢ね?なら一番右の沢(ここが遡行予定のヤド沢),滝が8本くらいある」とのこと。遡行前のちょっとした事前情報でした。

右:取水堤までの道。ヤブっているが歩くのに問題はない。10分下って沢床へ。

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左:これも写真なんかで何回となく見た取水堤。それが今目の前にある・・・。やっとこれたな~,感無量。

右:出だしはこんな感じの河原状。朝一から天気がいいので気分も高揚。

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左:ゴーロ帯はそれなりに気を遣う場所もあり,準備運動にはもってこい。

右:50分かからずに二俣到着。ここから右俣に入るが,左右の岩壁が凄い造りをしている。乗っけからゴルジュ帯になりそうだ。

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左:手始めに3m滝。これは右手の岩場に赤い細引きがぶら下がっており少し興ざめ。使わずとも簡単に登れる。

右:滝を越えるとゴーロ帯となり遡行がはかどる。

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左:次は4mCS滝と釜。泳いでも行けそうだったが,右を小巻きする。

右:4m滝上にて。左手の壁をクライムダウン。ここは降りるところを間違えると懸垂することになりそう。

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左:両岸が狭まるとゴルジュ帯。左に急角度で折れている。

右:ゴルジュの先には4mスダレ滝。ここは左手の階段状の岩溝をクライム。ゴルジュの中でも程よい突破口があるのが安心。こういう場所をを巻くのは不可能。

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左:ゴルジュの後はゴーロ。ここはその繰り返しで遡行していく。緊張と弛緩が繰り返されるので飽きが来ることはない。

右:またゴルジュ。釜をもつ1m小滝。ここはさすがに泳ぎを覚悟したが,右手の岩場をハンドへつりで突破。胸まで水に浸かりながら手を使ってへつり,正面の岩場を越える。

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左:越えた後から振り返る。この狭さがなんとも魅惑的。
右:短いゴーロを経てまたゴルジュ。今度のはかなり狭そう。

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左:右手からへつり,最狭部では対岸までひとまたぎ。「釜川右俣ひとまたぎ」だな。幅40cmに圧縮された水流が流れ下る。

右:「釜川右俣ひとまたぎ」を振り返る。それにしても凄まじい自然の造形。左斜上の写真と比較すればその狭窄具合は一目瞭然。

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左:右手にはすり鉢状のスラブが見えてきた・・・もしかして・・・。
右:うっほ~!凄い,素晴らしい,これがあの三ツ釜か。

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左:女性的な15mスダレ滝。岩肌といい水流といい,完成度が非常に高い。しばらく休んでこの場の空気を楽しんでいこう。こんな場所にいたら,去りがたい気持ちになってくる。

右:ひとしきり堪能したら,滝横のリッジ状を登る。ここが唯一無二の突破ルート。

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左:上部にはさらに8m滝があり,二俣となっている。両方とも8m滝となっており,それらが合体して一本の滝となり,一つの釜に落水。この造形も白眉。

右:8m滝の上には10m滝があり,その上から見下ろす。3つ目の釜(最初の15m滝の釜)が見えないが,名前の通り三ツ釜。釜の形,配置具合,周囲の開けた地形・・・どれをとっても感嘆せずにはいられない・・・。これがここの名渓たる所以だろう。

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左:右俣のヤド沢に入る。名残り惜しいが過去が背を向けねば,未来には進めず。何度も振り返ってしまう景観だった。

右:ヤド沢はナメ帯で始まる。こんなに凄くていいんかいな・・・と思ってしまう。ここは最高やないか。

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左:6m滝。左クライム。上部2mのヌメリがひどく,今日の沢靴(キャニオニアSAR)では慎重にならざるをえない。

右:お次は15m斜滝。結構な滝が次から次へと出てくる。等高線も詰まっているので,ここからは滝場だろう。ここからも楽しめそう。

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左:15mスダレ末広がり滝。やっぱりこの形状の滝は優雅さがあり,見栄えがする。
右:13m滝。いい滝が連続するので嬉しくなってくる。

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左:20m直瀑。立っているので迫力あり。

右:ここは滝横の岩溝が登れそうなので,左から取り付く(巻くなら左岸だが結構な大巻になりそう・・・)。下部5mがほぼ垂直でスタンスやホールドが小さいので慎重に上る。もし落ちたら地面にもろ衝突・・・今回の遡行で最も緊張したクライム。でも自分で「行ける」と判断した以上,迷わず,焦らず,力まず,自分を信じて,行動に集中するしかない。驀直前進あるのみ。

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左:20m滝を越えるとちょっとしたナメがあり,癒される。
右:お次はゴルジュの8m滝。この上部の10m三段滝と4m滝もまとめて右巻き。

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左:沢が少し屈曲する場所にあった40m滝。周囲が開けているので開放感がある。ここは左の斜面を登り,上部で右にトラバースして落ち口へ。読み通りに登れて満足。

右:さらにその上には18m三段滝の登場。本当,どこまでも楽しませてくれる沢だな~。ここは水線沿いにすべてクライム。程よい緊張感で登れる。

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左:滝を越えると地形が変化して,平流になる。源流帯にたどり着いた。
右:ブナ林と平流に癒されながら遡行を続ける。

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左:まだ小滝も散見される。
右:開けた場所は最高。今日の遡行も終わりに近づくと万感が去来するようになる。

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左:日が射すと渓が輝きだす。
右:流れは少しずつ細くなっていく。

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左:最後の1m滝と釜。水が茶色っぽいのは植物のタンニンが染み込んでいるせい。この色が出るのは,周囲の森が豊かな証拠で,タンニンを含んだ水は皮膚病に効くようです。また口に含むと渋みがあるのは赤ワインと同じです。赤ワインの渋味は,醸造する時のブドウの皮や種子から,またオーク樽から染み出たタンニンのせいです。ここは美肌の沢という意味でも名渓ですね。

右:もうそろそろ林道かな・・・と思っていると着きました。恒例の土管をくぐって向こう側から脱渓です。

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左:小松原湿原の入り口とトイレ。ここからは着替えてトレランになります。

右:すると地元のトレイルランナーが下りてきたので,少し立ち話をする。クロカンをやっているらしく,細身で締まった良い体つきをしていた。

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左:ここは国有林の林道なので整備はされている。

右:ブナの森を感じながら,一期一会という気持ちで走らせてもらう。いい感じで走れて35分で到着,約5.6kmのあっという間の下山でした。

という感じでした。ここも昨日の米子沢と同じく,小松原湿原入口までの遡行なら半日で行けるお手軽コースでした。

前半のゴーロとゴルジュ帯,見せ場の三ツ釜,後半の滝場と源流帯・・・ここも名渓にふさわしいい,うならされる渓相でした。技術的に米子沢より難しいぶんだけ,緊張感が高くなり,弛緩との落差があり,印象深くなりました。まあ贅沢をいうならば,林道に出るまでの源流が場所によって少しヤブっぽくなり,煩わしかったことくらいです。でもそれはほんの些細なこと,釜川右俣ヤド沢は起承転結の効いた素晴らしい沢に違いはありません。

次回は,第三弾として新潟の個人的な名所〔春日山城,フォッサマグナなど・・・〕をお送りします。
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米子沢 in 登川 〔新潟〕

さて今夏の沢旅は,新潟の名渓「米子沢」を第一弾としてお送りします。

お盆は前半が悪天,後半が好天となり,遡行予定日を変更することになりましたが,遡行できたので良しとしよう。

噂に聞く越後の名渓がどれほどのものか,いざ出発。

ではどうぞ。

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左:米子沢橋から上流の堰堤群を見る。入渓は左岸側の作業道を登ってから看板に従って左折,最も上部にある堰堤の下から。

右:今回のコース図。米子沢を登って,巻機(まきはた)山まで登り,井戸尾根をトレランで下るというもの。

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左:ここが入渓地。出だしはゴーロで始まる。最初は興奮しがちだが,すぐに飽きてくる。でも,この区間での退屈さと単調さが,後からスパイスとなって効いてくる。

右:滝が現れ始めて,だんだんそれらしくなってきた。

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左:最初の大物,20m二段斜滝。
右:沢筋にはコオニユリのオレンジの花が彩を添えている。

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左:岩盤を滑るスダレ状の流れ。その滑らかさが上質のシルクのようで美しい。

右:前半のハイライト,40m四段滝。右岸についているしっかりとした巻道を辿る。写真なんかでよく見る滝が今,目の前にある。「これか~」という感じ。

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左:19m「く」字二段滝。後で下山の時にこの滝が遠望できます。覚えておいて下さい。

右:ガスがまとわりついて晴れきれない天気だが,それが時に幽玄さを醸し出すので,晴れっぱなしのベタ光の時よりシャッターチャンスが増えるのは嬉しいこと。

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左:沢筋にはタテヤマウツボグサの紫の花も咲く。これは白神の追良瀬川でも見たことがある。オレンジ,紫,黄色,白,と沢筋は意外に煌びやか。

右:12mスダレ滝。陽光を浴びて赤みのかかった岩がよく映える。美しい滝だった。

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左:ツバメ岩と呼ばれる右岸の岩壁の先には,残雪が塔のような形で残っていた。さすがは北陸,8月に残雪とは・・・。九州では見ることはないので,まじまじと眺めていく。これも後で下山の時に遠望できるので,覚えておいて下さい。

右:そしていよいよ面白さの核心部,ゴルジュ帯の始まり。出だしの4m滝は右クライム。次がこの5m滝。これは左クライム。奥の8m滝は中央クライム。面白い!

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左:6m滝は左クライム。登り応えあり。
右:ゴルジュ奥の4m直瀑。右バンド使用。

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左:下流を振り返る。このV字切れ込みが雪国ならでは。いい感じの切れ込み具合。
右:15m二条滝。見応えあり。

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左:九州でも見かけるシモツケソウだが,ちょっと違う。おそらく日本海側系のコシジシモツケソウだろう。

右:ゴルジュ帯を抜けるとナメ帯に入る。この変化は素晴らしい。ゴルジュからナメ,狭急から広緩へ。素晴らしい渓相変化。

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左:雲がとれ始め,青空がのぞき始めた。やったー!
右:数百mに渡ってナメが空へ伸びている。素晴らしいぞ米子沢。

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左:こんなに愉悦を感じさせる渓相なのに,しばらくするともう飽きてくる,贅沢だな~。ナメはおなか一杯って感じ。

右:ナメが終わるとゴーロになり4m滝。周囲の開け具合が天国的。

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左:源流域に突入。
右:平坦な流れを歩いていく。この場にいれることに幸せを感じる。

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左:最奥の二俣。右俣は進入禁止なので,左をとる。

右:青空が少しずつ低くなり近づいてくる。降り注ぐ陽光と風にそよぐ草原・・・自然に頬が緩む自然がここにはある。

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左:またまた登場の残雪。やっぱりここは雪国。左に避難小屋へ抜ける踏み跡を見つけるが,まだ沢にいたかったのでそのまま詰め上がる。

右:するとこんな草原に飛び出す。吹き抜けるそよ風が最高。ヤブこぎもなく,アブもおらず,抜け上がる。

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左:下山路を見下ろす。登山者が見えている辺りに詰め上がりました。避難小屋が左手奥に見えています。

右:尾根に上がると巻機山の山頂標識があったが,どう考えても最高点ではなく,右手にさらに数分行ったところが本当の山頂。右手には奥利根湖が見えた。利根川本流も必ず遡行したい渓の一つ。

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左:山頂からはトレラン下山。標高差で約1,200m下り,登山道に遊びがない(まっすぐ下っている)ので1時間30分程度だろう。

右:尾根の右奥が巻機山頂。中央の窪みが遡行してきた米子沢。

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左:麓が見える区間。雲上にいることを実感しながら走る。
右:森林帯に入るとブナの若々しい森が広がる。

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左:遡行した米子沢を眺める。19m「く」字二段滝と残雪塔が見える。登ったルートを見ることができるのも素晴らしい。

右:地形が緩くなると登山口はもうすぐ。予想通り1時間29分で下る。山頂から5,6km,高度差で1,237m。程よい下りでした。

という感じでした。

いや~ここは噂に違わず,いや,噂以上の沢でした。名渓に相応しい沢だと思います。初心者を連れてきたら間違いなく,一発で沢登りにはまるでしょう。それだけ沢のエッセンスが詰まった渓でした。

つまらない下部のゴーロ,徐々に出てくる滝群,ほぼ中をたどれるゴルジュ帯,その後に出てくるナメ帯,そしてフィナーレは草原という,起承転結のよく効いた構成でした。下りを走れば半日で終わる手ごろさもまた良し。

無事に遡行でき感謝です。

★次は釜川右俣ヤド沢をお送りします。ここも米子に勝るとも劣らない名渓でした。

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啞谷:右俣 in 耳川 (宮崎)

さて今回は,お盆の沢遠征の前の仕上げとして,啞谷(おしだに)の右俣を遡行してきました。

ここは耳川の右岸支流の一つで,水線距離は約6km。遠征前の調整にはちょうど良い規模です。また,啞谷(おしだに)という聞きなれない谷名ですが,地元の方に伺いその由来も聞いてきました。

ここは70~80年前までは『ニクミ〔二組〕谷』と呼ばれていたそうです。確かに椎葉村史にもその記述があり,私の中で一つの疑問でした。谷沿いに2つの集落があったそうですが,上流の集落が現在の鳥の巣集落へ移転して以来,もうニクミ谷とは呼べず,誰ともなく,『おし谷』と呼ぶようになったそうです。長年の疑問が晴れて,スッキリした気分になりましたが,なぜ『啞』という字を当てたかの疑問はまだ残りますが・・・。

別れ際,地元の人曰く「ここは悪いから気を付けて」。何とも魅惑的な一言で,今日の遡行が始まります。

ではどうぞ。

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左:生活感あふれる木橋を渡り入渓。今日も気をつけていこう。
右:下部はこんな河原的な渓相が中心で,のんびりした雰囲気が広がる。

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左:4m滝。水量が多いので迫力がある。やはり沢は水が多くないと迫力が出ない。
右:ちょっとした深みはスイスイ泳いで暑さ知らず。

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左:河原で動くものを発見,なんとウリ坊じゃないの!一生に一回だけでもいいから出会って,触りたかった野生のウリ坊。縞模様がまだ残っているので,春先に生まれた生後3~4か月の個体だろう。このウリ坊は明らかに弱っていて,足腰がおぼつかず目が虚ろ。それでも少しでも触ると「プギー」という甲高い声を発し,警戒してくる。「持って帰って元気になるまで飼育しようか」とか,「これも彼に与えられた野生の命運なのかな」とか,あれこれ逡巡した結果,残せる分の食料を置いていくことにする。どうか少しでも元気になって生きていってほしい。頑張れよ。

右:両岸が迫りくると予想通りの大滝が待っていました。11m滝。高さはさほどではないが,水量の影響で轟音を響かせている。深々とした釜も魅力的。

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左:今日も晴天,夏の沢だな~。
右:日向でのんびりしているカラスアゲハの雌。今日はさぞかし気持ちいいことだろう。

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左:谷幅一杯のトロが出てきたり・・・
右:印象的な斜滝も出てきたりします。

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左:ふと空を見上げると緑の天蓋。日焼けを気にすることなく遊べるのも沢登りの魅力の一つ。

右:夏の花,イワタバコ。若葉は食用になるので,沢の中で泊まる際や,緊急時には役に立ちます。おひたしや和え物で頂くと結構いけると私は思います。

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左:啞谷右俣で最大の17m斜滝。周囲を巡る岩盤が迫力あり。
右:8m斜スダレ末広がり滝。この形状の滝は美しい。

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左:5m滝。こういうのは泳いで取り付きクライム。面白い。
右:上部の水量はまだまだ豊富。

この後,平流が続き,谷も荒れ気味になり,「そろそろ終わろうかな」と考えていた頃,黒々としたゴルジュが現れる。

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左:ゴルジュを進むと5m滝の登場。左右は巻けないのでシャワークライムで登る。
右:左の滝の上にまた5m滝。ここもシャワークライム。この二本は特に面白かった。

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左:これは8mスダレ滝。上流でもまだまだ滝は健在(見栄えがよくないので紹介していませんが,この上には逆「く」字14m二段滝があります)。

右:もう終わりかな・・・と思っていたらまだまだありました15m直滝。素晴らしい,源流域にこんな滝があるとは,啞谷最高。

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左:15m滝上は急速に水枯れ。ヤブ漕ぎなしで作業道に抜ける。

右:帰りは尾根を跨いで向う側にある啞谷まで走るコース取り。アブやブヨの猛攻をハッカ油スプレーでしのぎながら,13km/1.5時間のランで帰着。

という感じでした。いや~長い沢はやっぱり色んなことがありますね。出発時の地元の人の言葉通りの谷でした。とても充実していた一本でした。ケガなく戻って来れて感謝。また次の沢を楽しみたいと思います。

次回は毎年恒例の沢旅です。今夏は新潟の米子沢と釜川右俣ヤド沢の予定です。天候が微妙ですが,越後の名渓を楽しんでいたいと思います。また,親不知海岸まで足を伸ばし,なんとしてでもヒスイの採集をすることも,岩石マニアには欠かすことはできません。

アップはお盆明け後になると思います。
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崘出谷:右俣 in 小八重川 (宮崎)

さて今回は崘出(ろんで)谷右俣を遡行してきました。

崘出とは珍しい地名ですが,崘(論)とは古語で,「泥」を意味し,それらがよく出ることからの地名だったのでしょう。実際,地質は剪断泥質岩が主部を占めており,元々は泥でできた地形だと言えます。

距離は短いですが,等高線が密になっているので,何かはあると思います。

ではどうぞ。

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左:まずはこんな感じから始まる。夏は沢に限る。
右:小滝が出始めた。スダレ状で見心地がいい。

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左:いよいよ核心の急傾斜帯に突入。
右:出だしの6m滝。

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左:15m滝。滝下で水に打たれ身体を冷やす。
右:ラストの7m直滝。

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左:滝場を越えると溪はおとなしくなる。結局,滝場は,標高560mから630mの区間で,下から6m,7m,6m,15m,15m,7mと6本の滝が連続していました。大滝はありませんでしたが,そこそこ滝が連続していたので良しとしましょう。

右:作業道が谷を横切る地点で脱渓し,道を辿ると車道に出る。ここからは着替えてランモード。

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左:崘出谷:右俣を眺める。
右:下り一辺倒のロードを5.5kmで帰着。今日も無事に帰ってこれて感謝。

という感じでした。規模は小振りでしたが,滝場では滝が連続してそれなりに見応えはありました。今の遡行範囲の沢はほぼ行き尽くした感があるので,今後はもっと遡行範囲を外に広げて行きたいと考えています。そういう意味で,今回の崘出谷はその橋頭堡としての位置づけで遡行しました。

★次回も沢になります。場所は検討中です・・・。
    
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スノクチ谷 in 大藪川 (宮崎)

さて今回は,6月に一度挑んで,悪天等で引き返したスノクチ谷の遡行です。

乗っけのゴルジュが核心で,それなりに気合を入れて遡行してきました。

ではどうぞ。

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左:ようやくの梅雨明けで,すっかり夏の空。沢の本格シーズン到来。
右:堰堤を3つ越え入渓。まずは河原から。森の中は日が当たらず渓流の水で涼しさ満点。

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左:標高660mで右からスノクチ谷が出合う。ちょうど日が射してきて良い構図を提供してくれる。

右:ゴルジュ出だしの10m滝(前回は8mとしてましたが,今回修正)。

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左:右岸の岩尾根から空中懸垂8mで谷床に降りる。
右:立ちふさがる8m滝。左壁に活路を見出すが,これがなかなかの渋さ。慎重に越える。

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左:滝頭からは右岸岩尾根がすぐそこに見える。尾根の向う側は3~40mの垂壁になっている。

右:再び8m滝。もう少し水量が少なければ登れそうだが,それだと遡行の面白みに欠けるかも。

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左:5m二段滝。黒色粘板岩の地質では,節理ごと部分崩落を繰り返す傾向があるので,滝や側壁はハングすることが多く,岩角は鋭くなりやすい。この滝は上段下部がすでに崩落しており,上部が突き出したような形をしている。地質によって滝の形状にも特徴があるので,それを知るのも沢登りの楽しみの一つ。

右:平流部は素晴らしい。

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左:やはり遡行は晴れの日に限る。前回無理して来なくて良かったとつくづく感じる。

右:1090m三俣。本来なら右端のフルゴエノ谷の予定でしたが,左端のクミコウ谷に変更。

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左:そこには素晴らしい源流が広がっていた。
右:水も空気も澄んでいる。

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左:渓流も森も言うことなし。まるで東北の源流のよう。
右:詰めもヤブ漕ぎなしで尾根へ上がり込むことができる。

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左:尾根上から西米良の山々を眺める。
右:下山は長谷方面へ。一部の尾根筋は二重山稜で平坦になっており,素晴らしい原生林が広がる。

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左:アブの猛攻に耐えかねて尾根筋を離れ,銀水谷を下ることにする。とにかくじっとしてても走ってもアブがたかって,あちこち噛みついてくるので,動き続ける。次回からハッカ油を持参しよう。

右:道路に出たらアブからも解放される。後は6.5km走れば入渓地。市房山を見ながらのランは滅多にできないので,楽しんでいく。

という感じで小ぶりな沢でしたが,内容は◎でした。無事に帰って来れて感謝。乗っけのゴルジュと,詰めで出てくる,森の中を流れる平流・・・いい思い出になりました。しかしあの源流帯は規模こそ小振りですが,大崩の三里河原や脊梁の水上越周辺の森と同質で,植林の多い九州では一級品のものでした。

★次も沢になります。場所はこれからです。

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