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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

啞谷:右俣 in 耳川 (宮崎)

さて今回は,お盆の沢遠征の前の仕上げとして,啞谷(おしだに)の右俣を遡行してきました。

ここは耳川の右岸支流の一つで,水線距離は約6km。遠征前の調整にはちょうど良い規模です。また,啞谷(おしだに)という聞きなれない谷名ですが,地元の方に伺いその由来も聞いてきました。

ここは70~80年前までは『ニクミ〔二組〕谷』と呼ばれていたそうです。確かに椎葉村史にもその記述があり,私の中で一つの疑問でした。谷沿いに2つの集落があったそうですが,上流の集落が現在の鳥の巣集落へ移転して以来,もうニクミ谷とは呼べず,誰ともなく,『おし谷』と呼ぶようになったそうです。長年の疑問が晴れて,スッキリした気分になりましたが,なぜ『啞』という字を当てたかの疑問はまだ残りますが・・・。

別れ際,地元の人曰く「ここは悪いから気を付けて」。何とも魅惑的な一言で,今日の遡行が始まります。

ではどうぞ。

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左:生活感あふれる木橋を渡り入渓。今日も気をつけていこう。
右:下部はこんな河原的な渓相が中心で,のんびりした雰囲気が広がる。

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左:4m滝。水量が多いので迫力がある。やはり沢は水が多くないと迫力が出ない。
右:ちょっとした深みはスイスイ泳いで暑さ知らず。

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左:河原で動くものを発見,なんとウリ坊じゃないの!一生に一回だけでもいいから出会って,触りたかった野生のウリ坊。縞模様がまだ残っているので,春先に生まれた生後3~4か月の個体だろう。このウリ坊は明らかに弱っていて,足腰がおぼつかず目が虚ろ。それでも少しでも触ると「プギー」という甲高い声を発し,警戒してくる。「持って帰って元気になるまで飼育しようか」とか,「これも彼に与えられた野生の命運なのかな」とか,あれこれ逡巡した結果,残せる分の食料を置いていくことにする。どうか少しでも元気になって生きていってほしい。頑張れよ。

右:両岸が迫りくると予想通りの大滝が待っていました。11m滝。高さはさほどではないが,水量の影響で轟音を響かせている。深々とした釜も魅力的。

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左:今日も晴天,夏の沢だな~。
右:日向でのんびりしているカラスアゲハの雌。今日はさぞかし気持ちいいことだろう。

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左:谷幅一杯のトロが出てきたり・・・
右:印象的な斜滝も出てきたりします。

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左:ふと空を見上げると緑の天蓋。日焼けを気にすることなく遊べるのも沢登りの魅力の一つ。

右:夏の花,イワタバコ。若葉は食用になるので,沢の中で泊まる際や,緊急時には役に立ちます。おひたしや和え物で頂くと結構いけると私は思います。

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左:啞谷右俣で最大の17m斜滝。周囲を巡る岩盤が迫力あり。
右:8m斜スダレ末広がり滝。この形状の滝は美しい。

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左:5m滝。こういうのは泳いで取り付きクライム。面白い。
右:上部の水量はまだまだ豊富。

この後,平流が続き,谷も荒れ気味になり,「そろそろ終わろうかな」と考えていた頃,黒々としたゴルジュが現れる。

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左:ゴルジュを進むと5m滝の登場。左右は巻けないのでシャワークライムで登る。
右:左の滝の上にまた5m滝。ここもシャワークライム。この二本は特に面白かった。

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左:これは8mスダレ滝。上流でもまだまだ滝は健在(見栄えがよくないので紹介していませんが,この上には逆「く」字14m二段滝があります)。

右:もう終わりかな・・・と思っていたらまだまだありました15m直滝。素晴らしい,源流域にこんな滝があるとは,啞谷最高。

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左:15m滝上は急速に水枯れ。ヤブ漕ぎなしで作業道に抜ける。

右:帰りは尾根を跨いで向う側にある啞谷まで走るコース取り。アブやブヨの猛攻をハッカ油スプレーでしのぎながら,13km/1.5時間のランで帰着。

という感じでした。いや~長い沢はやっぱり色んなことがありますね。出発時の地元の人の言葉通りの谷でした。とても充実していた一本でした。ケガなく戻って来れて感謝。また次の沢を楽しみたいと思います。

次回は毎年恒例の沢旅です。今夏は新潟の米子沢と釜川右俣ヤド沢の予定です。天候が微妙ですが,越後の名渓を楽しんでいたいと思います。また,親不知海岸まで足を伸ばし,なんとしてでもヒスイの採集をすることも,岩石マニアには欠かすことはできません。

アップはお盆明け後になると思います。
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