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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

東ノ川シオカラ谷 in 北山川 〔奈良〕

さて予定通り遡行してきました。台高山脈を代表する一本,「東ノ川(ひがしのかわ)シオカラ谷」。

シオカラとは珍しい名前ですが,その由来は,昔シオカラトンボが数多く飛んでいたことによるそうです(「世界の名山 大台ケ原山」より)。聞いてすぐに「イカの塩辛」を連想した私は,貧弱な発想を露呈してしまいました。

久々に12時間を越える長い遡下降でしたが,充実感は満点です。
写真も多いですが,最後までお付き合いの程を。

コースは3つに分けられます。
① 駐車場から白崩谷下降地点まで
② 白崩谷下降
③ 東ノ川遡行~日出ヶ岳まで

ではどうぞ。

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左:駐車場を4時40分発。この尾鷲辻までジョギングで20分。まだ夜が明けきらない。ヘッドランプ付けてのスタートは初めて。

右:徐々に空が白んでくる。尾鷲道は細い踏み跡が続いている。

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左:下降地点を遠望する。あの辺りだな・・・。
右:白崩谷の上部はゴルジュになっており,滝が遠望できる。

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左:ようやく夜明け。
右:待ってました日の出。ここで足元を沢装備にする。

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左:いよいよ白崩谷の下降開始。
右:すぐにミニゴルジュが出てくる。中には2m滝が2本あり,いずれもクライムダウン。

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左:標高差で200mも下れば谷床へ。さらに下降は続く。
右:3m滝と大釜。上部でこれだけの水量があるとは・・・増水しているな。

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左:ほどなく造りが大きいゴルジュ帯。最上部の滝は15m程。

右:最下部の滝は20m。全て左巻きで下ると左から支流が出合う。のっけから迫力のあるゴルジュで,台高山脈の洗礼を受ける。標高からは計り知れない造形をしている。

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左:少し平流部も出てくる。
右:しかし,ほとんどはこんな感じで急激に下って行く。これは15m三段滝。

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左:10m滝。白崩谷は主に右岸側が下りやすい地形になっている。
右:ようやく傾斜が落ちてきて下りやすくなってきた。

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左:屋久島並の巨岩。
右:水量もだんだん増えてくる。

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左:真っ青な渕も増えてくる。

右:東ノ川本流との出合い。標高差860mを3時間で下る。9:15。さて,ここからがいよいよ本番。本流も増水してるな~。

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左:460m出合いから上流を眺める。
右:出だしはこんなゴーロ基調で溯るので行程がはかどる。

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左:垂直に聳える嵓(くら/岩壁のこと)。こんな渓相は初めて目にする。これが大台の沢か~と感慨深い。

右:おそらくアメ止めの滝。10m直段。アメ・・・と聞くと皆さんは何を連想しますか?この場合,アメノウオ・・・つまりアマゴが正解なのですが,私的にはネコ派なので,アメリカンショートヘア(アメショー)というネコの種類をすぐに連想してしまいます。

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左:アメ止めの滝上は急な巨岩帯が続き,足が出ないので,左巻を継続。
右:さっきの嵓は三角錐的な,険しくも美しい形状をしている。

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左:20m地獄釜の滝。水量が勢いよく吐き出され轟音が轟いている。右巻き。
右:巻きの途中から周辺の風景を一緒に取り込む。

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左:滝上はこんな感じで続いていく。
右:正面には高々と立ちはだかる嵓が見えてくる。

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左:ほぼ一直線に川筋が伸びる。巻きは悪いので谷通しに遡行していく。
右:さっきの嵓がさらに近づいてくる。あの右には・・・。

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左:谷を塞ぐ巨岩。屋久島の安房川下流にあるサイズ。縦13m横横15m。結果的にここは右巻きだったのだが,読み誤り左壁から越えようとして30分ほど時間ロス・・・まだまだ読みが甘いな。

右:日が射すと渓が一気に煌めきだす。今日は高曇りで,なかなか晴れきらない。

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左:出た~,何という巨瀑・・・これが西ノ滝150m(左)と中ノ滝245m(右)か。とてつもないサイズで唖然としてしまう。

右:西ノ滝150m。増水しているので飛沫が遠くまで飛んでくる。出合いからここまで5時間で予定通り。14:17。

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左:西ノ滝150m。少し登っては振り返る。
右:また少し登っては振り返る。それ程に見事な滝です。

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左:シオカラ谷に入り,樹間越しにまた振り返る。こんなに凄い滝が見れるなんてここは遡行価値が高い。

右:ここからはシオカラ谷。両岸迫り,油断できない地形。この先のゴルジュは通常なら中を突破だろうが,今日の水量では巻くしかない。

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左:3m三条収束滝。
右:谷が左に屈曲する地点から下流を見下ろす。V字具合が何とも言えず魅力的。

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左:左に曲がると千石嵓が衝立のように立ちはだかる。
右:13m滝と下流。

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左:15m高倉滝。左から右上に斜上できる感じだが,この水量では無理。突っ込めば水圧で吹き飛ばされて釜にダイブだろう。

右:2m滝と直径10m大釜。ここも水が少なければ泳いで滝を登れそう。

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左:そして最後の大物,東ノ滝30m(旧飛龍滝)。西や中ノ滝に比べると高さ的には見劣りするが,一直線に落下する様は見事。飛龍を連想するのも頷ける。

右:滝上はこのような岩盤になっており,ここが大台の縁になっているようだ。下は急激に切れ落ち,上は何とも素敵な渓相となっている。

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左:なんだこの優雅なスダレ滝は。シオカラ谷バンザイ!!
右:急登の後にはたおやかな平流とナメが広がるのでした。屋久島と似たような造形をしている。

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左:シオカラ吊橋が見えてきた。17:10。予定通り。このまま谷を日出ヶ岳まで詰めることにする。ここで止めるのはもったいなさすぎる。

右:所々にあるトロ場も美しい。水中には渓魚が泳いでいる。ビバーグするならここだな。

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左:ほんと,さっきまでとは打って変わっておだやかだな~。
右:ナメも素晴らしい。ヒタヒタ右に左にわざと蛇行しながら歩いていく。

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左:釜の色は深い緑。透明感ある深さなので綺麗。
右:たまにはこんな水流も見られる。

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左:谷幅一杯に広がるナメほど素晴らしいものはない。
右:上部二俣。右は元木谷。左をとる。

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左:トリカブト(カワチブシ)・・・九州のより紫味が強く出ている。これに含まれる有毒成分のアルカロイドには未だ有効な解毒剤がないが,昆虫の中にはそれを無毒化できるものもいる。

右:周囲は徐々にクマザサに変わってきて,源流味が溢れる。

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左:尾鷲辻への道に架かる橋。13時間前に通った場所。
右:水流もだんだん細くなってくる。

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左:遊歩道に飛び出す。左へ向かう。
右:木段を一登りで日出ヶ岳(ひでがだけ)山頂。

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左:三角点。実はここに来るのは20年振り。和佐又山キャンプ場に泊り,ここに登りに来たんですが,悲しいことにあの時のことは記憶に全くと言っていいほどありません。何も思い出せませんでした・・・。まあ人は忘れることで前へ進んでいく生き物なんで,それはそれでよいことだと思っています。到着は18:42,日出ヶ岳ならぬ日入ヶ岳になってしまいました。

右:下山はヘッドランプを付けて今日の遡行を反芻しながら下る。宿泊施設の灯りが煌々と闇夜に輝いていました。

という感じでした。

久々に夜明け前から日没までたっぷり沢を楽しむことができました。東ノ川は遡行の醍醐味がほどよく詰まった名渓ですね。地形的には屋久島の瀬切川,黒味川,鯛之川,小楊子左俣などと似ていると思いました。渡渉,ボルダリング,泳ぎ,モンキークライム等々,あらゆることをしながら遡行する醍醐味がここにはあります。しかし思い返してもあの急傾斜から上部で平流になる様は,最高としかたとえようがありません。ケガなく遡行できたことに今日もまた感謝です。

★次は観光をお送りします。姫路城と高野山が主になります。
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