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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

八重谷 in 川辺川 〔熊本県五木村〕

さて,今回も新規開拓の沢である五木の『八重谷』をお送りします。

平野谷の一本上の谷になります。昨秋に平野谷の遡行の帰りに目を付けていたところです。

ではどうぞ。

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左:まず川辺川に降りる。先週までの台風やらで増水している模様。こんな時には,日頃,水の少ない枝沢が遡行適期。

右:まず出だしの6m滝。これは道路からも見えています。期待が高まる。この上はゴルジュ状となり,1m滝,4m滝と連続します。

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左:いったん落ち着くと思ったら・・・。

右:この12m三段滝から,息つく暇のない滝場のオンパレード。この滝は,全て水線沿いにクライム。

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左:8m滝。青空によく映えていた。
右:これは13m二段滝。下段5m,上段8m。う~ん,いいね~。

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左:9m滝。シャワーで登る。まだまだいける。
右:7mV字。これもシャワー。この谷は登れる滝が多いので,楽しさも増す。

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左:10m滝。

右:美しい層理を持つ8m滝。これは中古生層で見られる層状チャートと呼ばれるもので,白っぽいチャートの隙間に黒っぽい泥質岩(ここのは粘板岩でした)を挟んでおり,厚めのチャートと薄めの泥質岩が交互に規則正しく層理を作っているので,見た目が美しい。

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左:滝場を越えるとすぐ源流域。ほんとあっという間に登って来た感じ。記録に取った3m以上の滝だけでも22本もあった。

右:詰めは地図にない作業道に飛び出す。振り返ると宮園集落と,2011年に廃校になった五木北小学校が見える。あちこちの山域で廃校や廃村を目にすると,過疎が静かに,確実に広がっていく様を実感します。しかし,高齢化率が40%を越える島根県邑南(おおなん)町のように,子育て対策,地元の食材によるA級グルメの促進,移住者への徹底したケアなど,過疎対策が成功し,戦後初めて人口増に転じたようなところもあります。

下山は反対側に下り,尾根を回り込んで13km程走って帰着。ほどよい感じでした。これから徐々に追い込みをかけていきます。

という感じで,小振りな割にはピリッとした遡行になりました。やはり,この界隈には大いなる可能性があることを痛感した一本となりました。無事下山に感謝です。

★次回も沢になります。地形図より地質図を注視し,下山で長く走れる沢を探しています。
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枳(げず)之俣川:右俣 in 枳之俣川 〔熊本県〕

さて今回は,球磨川支流の枳(げず)之俣川の右俣をお送りします。

『枳』と書いて『げず』とは,なんとなく違和感を覚える読みですが,これは奥豊後地方の方言で,原意はミカン科の『からたち』の木のことです。南橘北枳(なんきつほくき/人間は環境により良くも悪くもなる)という言葉があるように,同じミカン科の橘に似ていますが,樹幹に棘があるのが特徴です。

阿蘇市の市ノ川駅の近くや,高千穂町の上野には,『枳』,『枳原』という地名が残っていることから,かつて奥豊後から各地へひっそりと伝播していったことがわかります。

前置きが長くなりましたが,沢登りは単に谷川を遡行し,自然と触れ合うだけでなく,人間の長い営みにも触れることのできる総合スポーツです。また一つ勉強させてもらい感謝です。

ではどうぞ。

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左:まずは穏やかなゴーロで始まる。左岸には昔の取水路跡が残る。
右:徐々にゴルジュ的になってきて,期待が高まる。

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左:ミニゴルジュを越えていく。まだ泳いでも大丈夫。

右:すると両岸が一気に岨立ってきて本格的なゴルジュに。立ち方が凄くて巻けない。

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左:武平谷や由布川を思い出させる険しさを超越した美しさを感じる。ゴルジュってただ恐怖感を煽るだけのものもあれば,それを超越して美しさを兼ね備えるものもあるんですよね。

右:小滝を2つほど越えると,とうとう人返しの滝が登場。3m程度だが,どうにもならない。両岸の切れ具合とともに,見事な造形。これこそゴルジュの完成形の一つ。300m程戻って大きく高巻くしか選択肢はない。

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左:参考までに,これは武平谷のゴルジュ。
右:これは由布川のもの。両方とも恐怖感より美しさの方を強く感じる。

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左:先の3m滝の上には4m程の滝があり,その滝頭からゴルジュを覗く。実に素晴らしい造形。

右:ゴルジュの最後は4m滝。

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左:ゴルジュを抜けると平流に変わる。
右:一カ所,昔の軌道が谷を横切る地点では,谷が大きく開ける。爽快。

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左:6m二段。
右:植林帯の中の平流。淡々と遡行していく時間。

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左:見所が少ないが,きれいな平流が散在する。
右:最後の登りも植林帯。

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左:なかなか水が涸れない。
右:そして最後は林道へ飛び出す。

という感じで今日も無事に帰って来れて感謝。

しかしこの沢の下部のゴルジュは素晴らしかったの一言です。これまで遡行した中でも,指折りの美しさを備えていました。あの3m滝を突破できれば,さぞかし満足度の高い遡行になることでしょう。おかげで新規開拓に対するモチベーションがさらに高まりました。

★次も沢になります。遡行先は,『栗鶴谷』と『明神谷』を予定しています。今週の雨で少しでも水かさが増えることを祈っています。また,両方とも下山を長く走れるようにしているので,2日連続で高い負荷をかけて走るback to backの練習になればと思っています。
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落水谷:中俣 in 日之影川 〔宮崎県日之影町〕

さて今回は,落水谷:中俣になります。
以前,右俣と左俣は遡行しているので,10年振りくらいです。

天候がある程度回復するのを待っての遡行です。

ではどうぞ。

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左:煤市橋から入渓。
右:この渇水期でも水量は豊富。

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左:ゴーロだけでなく,要所にナメも出てくるのが良い。

右:そしてこの谷随一の見どころ,20mナメ斜滝。12年振り。以前は左手の水流脇に樹林帯があり,そこを歩いて登りましたが,今ではすっかりそぎ落ちて岩盤が露出している。

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左:自然豊かな森の中を流れる。
右:なんとなく記憶にあった5m二段滝。

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左:釜とナメ。ここは覚えていた。というのも,釜上のナメで人生初のヤマメ手づかみをしたので。この場に来て急に思い出す。

右:ここは谷筋の自然林が素晴らしい。

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左:中俣に入りせっせと高度を稼いでいくと現れる10m滝。
右:お次は20m二段滝。

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左:地形が緩むと林道は近い。

右:林道終点。よくぞ,この地点で敷設を中止してくれた。当事者の活動に感謝。このまま林道が伸びていたら,落水谷左俣の源流部に広がる,極上の森は破壊されていたことだろう。あの森は後世に残すべき美森。

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左:樹間からは本谷山南尾根のピークが俯瞰できる。日之影から本谷山まで,距離21,7km,高度差1,542m,累積高度3,900mを誇る,クライミングしながら走れる九州一の尾根です。

右:本来なら,林道を奥村まで遠回りして帰る20kmコースを走りたかったが,時間が押しているので,不本意ながら,梅ノ木峠へ降りる尾根を下ることにする。林道カーブから少し下ると,川の詰谷の上部伐採地に出る。

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左:見立礫岩の尾根を下る。
右:あっと言う間に梅ノ木峠。入渓点の橋までは林道を2.5km程下る。

という感じで出発を遅くしたぶん,慌ただしかった沢でしたが,無事に遡行・下山でき感謝です。

ここは本当,久々に遡行しましたが,水量豊富で,造りが大きく,自然林も残る良い沢です。祖母・傾の南面では,岩戸川右俣,見立本谷,クワズル谷左俣,ベニガラ谷とともに5指に入る名渓だと思います。

★次回も沢になります。例のごとく遡行先は検討中です。10月以降のランの大会を見据えて,下山ランを長くとれる沢を探しています。

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