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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

2019 祖母傾大崩縦走(UTSKO) ❸

さて祖母傾大崩縦走(UTSKO)の第三部をお送りします。

コースは,木山内岳~要山~夏木山~桧山~新百姓山~杉ヶ越~傾山~三尾~上畑。区間距離:25,18㎞,区間累高:2,304m,区間時間17時間32分。

2日目の夜間と3日目の午前中までの行程になります。いよいよ最後の区間となります。

ではどうぞ。

P4070094g(木山内岳~上畑)     P4070370g.jpg
左:いよいよ最後,緑色の区間になります。
右:今日の朝日を眺めた鹿納山が見えた。12時間なんて本当にあっと言う間です。

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左:再び夜間走。正しい尾根を選び,尾根筋を外さないように進む。
右:再びの夏木山。約20時間ぶり。無事に戻って来れた。

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左:大鋸の梯子を下り,
右:鋸尾根の核心部・鹿の背を慎重に越えていく。

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左:いったいいくつの梯子を上り下りしたのかわからない。

右:闇夜のミツバツツジ。今日はずっと穏やかな天気だったが,またしても風が吹き始める。昨夜のことが思い返される。

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左:急登をひと登りで桧山,

右:そして尾根伝いに新百姓山。順調に進んでいて安心だが,風はまたしても台風のようになってきた。

そして杉ヶ越までもう少しというところで何と雨が降り始めてきた。予報では一言も言ってなかったのに・・・と思いつつも急ぎ気味で下り,杉ヶ越の大明神様の社に避難させてもらう。ここで2時間30分ほど休息。

この雨は歓迎はできませんが,降りだすタイミングが良かった。もしこれから進む傾山南尾根の途中で降られていたら,相当難儀していたことと思います。傾山周辺の岩は無斑晶流紋岩といって表面がスベスベしており,直線的な節理が入る特徴があります。この岩はいったん濡れると途端に滑りやすくなるので,コースの危険性と併せ雨天での登山は避けるべきだと思います。

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左:雨が止んだ頃,大分県側で水分補給をして再び登り返し再開。後日確認したところ,この雨は場所によっては雷を伴う雨だったようです。

右:右手の空が白み始めてきた。嬉しい瞬間です。

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左:後傾付近にはまだガスがかかっている。
右:振り返ると五葉岳が。もうずいぶん昔のことのように思えてしまう。

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左:岩場ではミツバツツジが散見される。山にも春が来ましたね。
右:再び障子岩。ここからが南尾根の核心部が始まります。

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左:大崩山群が徐々に遠のいていく。昼夜あそこを駆け抜けた思い出は一生忘れることはないだろう。

右:山中で迎える二度目の朝。今日も晴天のようで安心。私「太陽光発電男」は,晴れならなんぼでも力が湧いてくるのです。

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左:この美しさには言葉は要らない。
右:いつしか後傾が近づいてきた。

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左:こんなのが普通に出てくるのがこのコースの特徴です。
右:モルゲンロートに染まる森。このオレンジ色が何とも言えません。

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左:朝日を一杯に浴び,充電中・・・。

右:そしてとうとうエベレスト越え。累積高度が世界最高所に並びました。でもまだまだ坂を結構普通に登れるのに驚き,我ながら強くなったな~と感じます。

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左:後傾を見上げ,
右:来し方を振り返る。愛おしい時間です。

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左:さていよいよ核心部。岩棚のトラバースのある岩峰。
右:トラバース後に次の岩峰を左から巻き,ここまで来ると核心部は終わり。

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左:再び登場のこの梯子を過ぎれば,あとは後傾までの急登を残すのみ。

右:じっくり一歩ずつ登っていきます。内股・小ステップで大殿筋・ハムストリングスに頑張ってもらいます。

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左:じっくり一歩ずつ・・・
右:いつしか標高が上がってきたのがわかる。

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左:最後のアセビ帯をぬけると,

右:後傾分岐。約38時間ぶり,といってもそんな時間はどうでもよく,無事にここまで戻って来れたことが大切。

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左:一昼夜を楽しませてもらった大崩山群。それぞれの山との記憶がしっかりと残っている。

右:後傾から傾山(本峰)を眺める。あれが最後のピークと思うと,感慨深くもなってくる。あれさえ登ればあとはゴールまでは下り基調。

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左:この登りをこなすと,
右:傾山山頂。山頂標識が傾けてあるのはご愛敬。粋な計らいです。

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左:一昨日走った祖母傾山群を眺める。

右:そして昨日走った大崩山群。こうして両方の山群を同時に眺めると,万感の思いが湧いてきます。

最後まで気を緩めることなく行こう。

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左:下りはもちろん坊主尾根。
右:五葉塚の5mクラック。

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左:途中で本谷山方面を眺める。
右:そして右から水場コースが合流。

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左:三尾までは快適な尾根道。
右:まだまだ走れるのに驚いています。

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左:三尾直下の急な坂を下ると,
右:植林帯になり,緩やかな尾根を辿ります。

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左:そして林道へ出る。徐々にゴールが近づいているが,最後まで慎重に慎重に。

右:ドウカイ谷を渡る。いつもはこの辺りは午後にいることが多いので,午前中にここにいることが新鮮です。

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左:観音滝。
右:登山口。

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左:坊主尾根の三つ坊主を見上げる。

右:そして九折駐車場。ここまで来て完走を確信。あとは4kmのロードのみ。やった!

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左:3月に祖母傾を一周した時にはまだ咲いていなかったのに,今では葉ザクラ。

右:最後の急坂も走れる所は走って登る。

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左:県道手前でもサクラに出迎えられ,

右:ゴールの健男社着。ふ~っ,到着・・・。54時間00分24秒。

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左:今回の総距離と,
右:累積標高。2つの数字が一致していればもっと印象的だったでしょうね。

という感じで,ようやく走り切ることができた『 2019 祖母傾大崩山縦走( UTSKO / Ultra Trail Sobo-Katamuki-Okue ) 』。着想から6年,ようやく昔日に思い望んだ自分にたどり着くことができました。走り終えて思うのは,このコースは岳人+ランナーの両方の要素と十分な経験を積まないと無理だったということです。また,体力やスピードだけでは完走は難しく,自然の流れを読み取り,その流れに上手に自分を合わせていけたからこそ,リタイアせずに走り切れたとも痛感しています。そういう意味でも,自分の25年の山人生の集大成の一つとも言える山行でした。

この挑戦は➊自分の可能性を拓く意味と,❷おそらく誰もやったことがないことへの挑戦の意味とが,私の中にありました。

➊については自分の,いや人間の限界は脳が勝手に作り上げているだけでまだまだ未知数だということを痛感しました。体の機能をなるべく壊さないようにそうなるまえに痛みや疲労という形で,行動を抑えようとする脳に対し,そこを精神で乗り越えていこうとすること(自分に対する矜持)との葛藤,この葛藤の継続こそが可能性を拓くことと同意義だと思います。

❷については,今回のコースを私よりも速い時間でもっと効率的に駆け抜けることのできる人はいると思います。しかし,人がやった二番煎じではなく,誰も成し遂げたことがないことを最初にやる先駆性こそが,一番価値があると信じています。例えば,日本人メジャーリーガーで最も有名なのはイチロー選手であることは異論を待たないと思います。しかし,その当時,周囲の批判・反対を押しのけて,まずその一歩を踏み出し,後輩への道を築いた野茂選手,私は野茂選手こそがもっとも偉大だと思っています。不可能だと誰もが信じて疑わなかった1マイル4分の壁を,世界で初めて打ち破ったロジャー・バニスター氏などもそうです。

まあ色々と書き並べても結局は,自分の中で完結するだけのことなので,大したことではないのかもしれません。しかし,今回のことで自分がさらに進化できたと思いますし,これからもまだ課題はたくさん残されていますので,日々,昨日より明日の自分を高めていけるよう,生きていくことができればと思っています。

★次回は『第32回べっぷ鶴見岳一気登山』をお送りします。今のところ天気が心配ですが,なるようにしかならないので,全力を尽くし自己ベストを狙っていきたいと思います。

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