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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

名女石(なめし)川 in 宮崎

さて今回は新規開拓,日之影川にある支流を遡行してきました。

名女石(なめし)・・・名女石集落は旧岩戸村内の見立地区の集落の一つであったため,当時は,現在の高千穂町岩戸地区との往来は峠が利用されていました(役場は岩戸地区にあった)。1951年に旧岩戸村の岩戸地区と見立地区はそれぞれ,高千穂町と日之影町に分村される。日之影川沿いに県道6号線が開通した1952年には,名女石集落は既に廃墟に近い状態だったと思われる。よって,日之影川沿いの県道6号から集落へ上がる車道は造成されていません。

流程は短いですが,下から花崗岩,砂岩・粘板岩(一部チャート層あり)と地層が入り乱れているので,何かあるとの予想を立て行きました。さてどうなることやら。

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左:美しいしだれ桜。今がちょうど花盛り。
右:出合からしてこの滝。花崗岩に懸かる20m滝。

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左:少し登ると再び花崗岩に懸かる25m滝。端正な直瀑。

右:左の滝上にはさらに12m滝。ここは大当たりかもとの期待が湧き上がる。ここは下部が花崗岩,上部が粘板岩でできている地層ミックス滝。岩質をよく見比べて見て下さい。境界が見えますか?

連結画像-14,15       P4010017.jpg
左:そして花崗岩帯の最上部にあたる場所にあったのがこれ。スケールが大きい45m大滝。これは凄い!もっと水量があればなお良し。

右:左の滝の左右には岩壁が広がり,その上を通っている昔の道。名女石集落へ通じている。

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左:45m滝の落口から麓の飯干集落を見下ろす。「むむ,あそこにも滝が見えるぞ!」遡行候補入り。

右:今は人影が消えた名女石集落跡。しばし往時に思いを馳せる。中央に十字状に見えるのが茶。昔は田畑の境界に垣根として植え,田畑に植えた作物の収穫の傍らで自給用に摘んでいた。そして,朽ち果てている廃屋と傍らの満開の梅の花。国破れて山河あり。

遡行では上流に行くに従い,時を遡るように,古(いにしえ)の物との出会いが待っている。そして下流(現代)域では見えない物を高見から俯瞰できるようになる。遡行とは,ただ単に水流の流れを遡るだけの行為ではなく,下流(現代)から上流(古代)へと時を遡りつつ,これまでの歴史を俯瞰し,下流(現代)の先にあるものを先見する行為でもあると考えています。

あと10年もすれば,ここと同じような運命を辿る集落がかなりの数になるだろうと,最近は廃集落を見る度にそんなことばかり考えてしまいます。

閑話休題。ここまでは大滝群が楽しませてくれたので,ここから先にも期待がかかる。
ここからはゴルジュの登場。

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左:ゴルジュ①と滝のセット。これは13m。
右:左の滝の上にある12m。

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左:さらに上流にはこれ。チャート層で形成されたゴルジュ②とその中にある37m二段滝。もうここは大当たりと言うほかない。

右:左の滝があるゴルジュは大巻を強いられる。岩尾根を巻いていくうちにこんな高いところまで追い上げられる。この先で再び谷へ100mは下る。今日は下部の滝といい,ゴルジュといい大巻の連発。

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左:そしてゴルジュ②内,最後のとりを飾るのがこれ。18m二段滝。写真には写っていないが,両岸は100mはあろうかという岩稜と岩壁が森の中に広がり,巻くのを尻込みしてしまう。ここは右壁をクライムで突破。一部,5.7のムーブで渋かった。ベニガラの核心部よりこっちが厳しい。

右:左の滝を越えるとようやくゴルジュはおしまい。いや~実に面白く印象深いゴルジュだった。

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左:源流部は岩盤が露出した渓相。ここからは粘板岩(泥岩の変成)主体。

右:源流部というのにまだこんなのが出てくる。10m滝。ここは右手のコーナー(5.5)を10m登り突破。難しくはないが絶対に落ちれないという重圧の下,冷静にホールドとスタンスを求めて登る。平常心。

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左:そして詰めは高度差100mの崩壊地。勾配が急な分,眺めが良い。
右:ヤブを少し漕ぐと二ツ岳南峰。初めての山頂。日陰ツツジが多い。

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左:山頂からは登山道を下り,煤市(すすいち)林道へ降りる。そしてここから車まで18,7kmのランの始まり。
右:日之影川沿いの6号線に降りる頃には日没。ここからさらに5kmインターバルでトレーニング終了。

名女石川は短いながらも見所満載で,武平谷や由布川より少し劣りますが,終了後,心から充実感を味わえました。怪我なく生還できたことに心から感謝です。生きてるって本当に素晴らしいことだと思います。

日之影川や隣の綱の瀬川流域はあまり足を運んでいなかったので,今後の調査地域としたいと思います。


★次も沢です。場所はこれから探します。
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沢(九州) | コメント:4 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

すごかったみたいですね名女石・・・インヤンさんこのような場所へ行くとき足回りはどんなものを使っているのですか?フェルトと想像してましたけど、そのあとのランとか考えるとアクアステルスかも・・・と、とても気になります。
ま、なんにせよ無事帰還と当り谷発掘、おめでとうございます、、、ですね。
2013-04-04 Thu 16:16 | URL | takurin #-[ 編集]
takurinさん,訪問ありがとうございます。

以前は岩質や環境によって履きわけていましたが,今では全てキャニオニアで通しています。

下山後のランではトレランシューズに履き替えています(濡れた足では皮膚を痛めやすいので)。

今後も名女石川のような谷を求めて開拓をしていきますので,お付き合い下さい。
2013-04-04 Thu 21:32 | URL | インヤン #-[ 編集]
インヤンさん、丁寧なご教授カタジケナイデス。キャニオニア・・・鮎足袋しか知らないので、初めて聞きます。さっそく調べてみますね。

そろそろUTSKかな?でも今週末は天気悪いみたいですね。お気をつけて...GOODLUCK!!
2013-04-05 Fri 16:18 | URL | takurin #-[ 編集]
キャニオニアは海外で行われているキャニオニング用に開発された靴です。

登山靴のような頑丈さと,靴底はステルスになっています。このステルスが良く効くことと,薮こぎ段階でも普通に歩ける所が,気に入っています。

黄色とオレンジの2種類がありますので,探されてみて下さい。

ちなみに私は大好きな色であるオレンジの方を使っています。
2013-04-05 Fri 16:59 | URL | インヤン #-[ 編集]

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