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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

トレイルラン in 屋久島横断

さて今年もやってきましたGW。例年のように屋久島に行ってきました。今年は天候が不順気味でなかなかスッキリしないようなので,順番を入れ替えて最初にトレラン,そして次に沢という具合にしました。

まずはトレラン。永田から宮之浦岳を経て安房まで,sea up to summit down to sea という島を横断する形で走ってきました。海抜0mから1,936mまで上がり,また0mまで下るというコースです。

コースは永田~永田尾根~永田岳~宮之浦岳~花之江河~石塚小屋~ヤクスギランド~荒川~安房という感じです。

ではどうぞ。

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左:まず宿泊地の尾之間(おのあいだ)を深夜0:13にスタート。永田まではレンタル自転車で走る。
右:約1時間で栗生(くりお)橋。

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左:西部林道越えに入る。永田までもう少し。

右:道脇には鹿があちこちでたむろしていた。鹿はライトには過敏に反応せず,ライトだけでは逃げ出さないようだ。こちらが動くとすかさず逃げ出していく。

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左:永田まで約42,2km,2時間48分。自転車はガソリンスタンドに乗り捨て,河口からスタート。3:17。
右:証拠の標識類。

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左:河口から約3km走ると尾根に取り付く。さっ,ここからがいよいよ本番だ。
右:標識で進み具合を確かめる。一歩一歩,無駄なく登っていく。

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左:夜が明け始めてきた。印象的だった尾根上の平地。

右:登り始めること2時間29分でようやく「岳の辻」と呼ばれる主尾根に出る。ここまでで既に標高差1,200mを上がってきた。残りはまだ736mあるが,九州どころか国内でも滅多に体験できない,海からほぼダイレクトに高度差約1,900m以上を登るコースは魅力的で,ワクワクさせてくれる。

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左:主尾根上は右手の瀬切川の方を巻きながらアップダウンを繰り返していく。
右:瀬切川の源流の一つ。

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左:姥ヶ岩屋。岳の辻から57分,次は鹿之沢小屋だ。
右:標高が上がり,林層が変化し,シャクナゲが混じってくる。

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左:大川(おおこ)の渡し。物静かな中に透き通る美しさを秘めている。大川は4日後に遡行する予定だったが雨で延期となった。下部の大川の滝と急傾斜を経て,この地に達した時の気持ちはどんな感じだろう・・・。

右:鹿之沢小屋。姥ヶ岩屋から1時間12分。さて次は永田岳,そして最高峰の宮之浦岳が見えてきた。

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左:鹿之沢小屋から少し登ると笹原になり,いよいよ頂上部が近くなる。登山道からは鹿が見下ろしていた。

右:そして7年ぶりの永田岳。ガスの中で展望が利かないのが残念。晴れていれば出発した永田集落が見下ろせるのに。さっ,残すは宮之浦岳までの笹原ランだ。

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左:晴れつつあるガス。
右:しばらくするとガスはとれ,宮之浦岳が姿を現した。よっしゃ~。

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左:東北のような草原帯を走り抜け,焼野三叉路からは登りに入る。そして最高点の宮之浦岳山頂。標高1,936m。10:08。永田の海岸から距離16,9km,累積高度2,341m,時間は6時間51分。2年越しのプランだった永田尾根を走りきり,感動。もし屋久島に住んでいるなら,月2位で練習に使いたい尾根だと思います。海から山頂へ,これだけの標高差を持ち,自然豊かで景観に富む場所は滅多にない。

右:これから下る方面を眺める。左の岩峰は翁岳。

山頂では5分ほど滞在し,下りに入る。ここからが未知の部分を含む後半戦。あくまで楽しんでいこう!

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左:いつまで走っていたい・・・そんな風景がどこまでも続く。
右:黒味岳と投石平。

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左:宮之浦岳から1時間で花之江河。国内で最も高い位置にある高層湿原。ここでは草を食んでいる鹿によく出会い,格好の被写体となってくれる。

右:湿地にある祠。石の色が少し黄色がかっていますが,この石は山川(やまがわ)石といって,薩摩の山川で取れる凝灰岩です。島津家の墓石にも使われているもので,鹿児島では名石として知られています。人工ダイヤモンドを使った研磨機ができる戦後まで,人手で削れるのは硬度が低い凝灰岩が主流だったので,歴史ある塔や祠などには凝灰岩が使われており,黄色がかかった山川石や,熊本の宇土で取れるピンクがかかった馬門石などは,特に重宝されていました。

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左:石塚小屋。ここまでは以前来たことがある。ここからが未知の歩道となる。
右:尾根上に見つけた岩屋。

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左:樹間からはピラミダルな愛子岳を望む。
右:歩道の様子。

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左:歩道のほぼ中間点にあるビャクシン沢の渡渉点。この沢も美しいので遡行候補。
右:そして残り半分を下るとヤクスギランドの散策路に出てくる。

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左:前述のビャクシン沢を橋で渡る。
右:ヤクスギランド入口。宮之浦岳から約5時間。ここからは6kmほどロードを走る。

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左:荒川分かれ。ここからロードを15km下れば安房だが,面白みに欠けるので,荒川登山口へ下ることにする。

右:分かれからの下り4.3kmは快適に走れ,あっという間に荒川登山口へ。縄文杉帰りの人で一杯だった。

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左:ここからは森林軌道を約12km辿って安房まで走る。
右:途中には沢を渡る橋やトンネルなどもあり,変化を与えてくれる,が,軌道の枕木は走りにくい。

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左:安房川にかかる中島権現滝。今日は渇水のようだが,水流があると見ごたえがある。
右:線路脇にはこのような距離表示が100m間隔で置いてある。単調な時にはこれをカウントダウンしながら走る。

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左:安房の象徴,松峰大橋。緑の中に赤が際立っている。
右:これまた安房のシンボル,明星岳。とんがり具合が素晴らしい。

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左:軌道終点の苗畑ステーション。ここからは再びロードを2kmほど走る。目標達成前のこの区間は,これまでを振り返り,達成感に浸る区間でもある。

右:そして安房川の河口に到着。17:39。宮之浦岳から7時間26分。

という感じで距離52,51km,累積高度3,020m,15時間22分の屋久島横断ランは完結しました。尾之間への最終バスに間に合い,尾之間まで走って帰る必要はなくなり,ホッと安堵。

一日で島の見どころを,ケガなく見て回れて,それが何よりでした。一日でこれだけのものを見て回れる屋久島は,やはり最高だと再認識した次第です。このような場所は世界中探してもそうそうはないでしょう。どこをどう走るかより,そこで何を「感じ」たのか。これからもそんな「感じ」を大切にして,いろんなコースを考え走っていきたいと思っています。

★次はトガヨケ沢のアップになります。
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この記事のコメント

インヤンさん

ご無沙汰しています。

素晴らしいコース設定ですね。

一度は挑戦したいとは思いますが、歳ですのでもう難しいでしょう。

私は休みがとれれば、6月上旬に石楠花を観にいきたいと想っています。

インヤンさんの今後のますますの活躍を楽しみにしています。
2014-05-07 Wed 20:12 | URL | tokutoku #k9MHGdfk[ 編集]
そんなコースを1日で行くなんて嘘だと思ってましたが、証拠写真を見せられると、本当に行ったと信じざるを得ませんねえ(笑)。
さすが、怪物です。
2014-05-08 Thu 01:43 | URL | 屋久島遡行人 #-[ 編集]
tokutokuさん,
私は行ったことがないのですが,シャクナゲの時期も素晴らしいと聞き及んでいます。行かれたらぜひブログにアップをお願いします。

このコースはサブ3レベルの人ならば軽くこなせると思います。あまり息も上がらず12時間位で済ませれるのではないでしょうか。私などまだまだ,だと今回も思いました。
2014-05-08 Thu 10:55 | URL | インヤン #-[ 編集]
遡行人さん,
今年も色々とお世話になり,ありがとうございました。遡行人さんのおかげで島での滞在はいつも忘れえぬものとなっています。でもこの時の疲れでトガヨケ初日は足を引っ張ってしまいすみませんでした。さすがに足が重かったです。

今後は可能な限りGW以外でも遡行しにいきたいなと考えています。でないと島の沢を登りきることができません。鈴川,大川,女川,安房北俣右沢,中間川,太忠沢,乱谷,上タカヨケ沢・・・あ~ありすぎて困ります(笑)。

また行く時には必ず連絡します。
よろしくお願いします。
2014-05-08 Thu 11:02 | URL | インヤン #-[ 編集]

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