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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

安房川下部 in 屋久島

さて今回は 『安房川下部(河口~トンゴの滝)』 をお送りします。

私としては久々のパーティー遡行で,遡行人さん,Fさん,Nさんと4人で,残暑の安房川でたっぷりと泳いできました。2007年に河口から北沢左俣(翁沢)を遡行して以来ですので,12年ぶりの入渓となります。記憶に残っているかな?

ではどうぞ。

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左:すっきり晴れてくれた朝。ここ安房川橋から安房川を望む。全長約20kmにも及ぶ屋久島最大の河川です。20km長の河川とは思えない水量が屋久島ならではです。東北の名渓の一つ,山形県の八久和川も同規模の川ですが,安房川の水量に比べたら小川みたいなものです。

右:いよいよ入渓。早速カヌーツアーの人たちと交流。

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左:こんなところをひたすら泳いでいきます。
右:通常は陸になっている場所。今日は水が多いようです。

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左:右に曲がるとちょっとした陸地が出てくる。ここはナカドと呼ばれる憩いの場で,カヌーツアーなどでも休憩ポイントとして利用されているようです。

右:松峯大橋。1985年に架けられ高さ約70m,屋久島で最も高い架橋です(ちなみに2番目に高いのは2004年に架けられた愛子橋で高さ35m)。照葉樹林の緑と補色関係にある赤色でひと際目立ちます。安房川下流の遡行はこの橋が見えてから見えなくなるまでがメインの区間になります。

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左:松峯大橋から瀬も出てきて面白くなる。

右:横断に苦労した流れ。水面上の見た目はなんてことありませんが,増水しているので水流が太い。50mロープが一杯に伸びきっています。

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左:時にはこんなへつりも駆使しながら遡行していきます。
右:松峯大橋が遠くになると,

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左:川は90度左曲。いよいよです。

右:出た!トンゴの滝。何という爆発ぶり!膨大な水量が一気に吐き出されています。轟音と飛沫の凄まじさは筆舌に尽くし難し。トンゴの滝は,古来,トンゴノウトと呼ばれてきた聖地でもあります。ちなみにトンゴノウトとはト(谷間の狭所)・ン(付加音)・ゴ(川)・ノ(所属・所有)・ウト(浸食地形)からできており,「峡谷の浸食地形」を原義とする言葉のようです。安房川が90度屈曲した個所に滝が懸かり,膨大な水量により浸食された両岸や大釜が見られる地形を,古来からそう呼んできたのでしょう。

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左:振り返るときれいな虹が。一息つく。きれいだな~。

右:また振り返る。しかしすごい増水ぶり。こうなると人間なんて畏れおののく以外,何もできません。表面的な怖さではなく,体の芯から感じる恐怖ですね。ちなみにここの大釜は水深が30m近くあるようです。

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左:この辺りは屋久島の地質が観察できるところで,基盤のホルンフェルス化した黒色の熊毛層群(砂岩・頁岩)と,その上位層の白色の花崗岩の対比が目を引きます。約1,500万年前に地下のマグマが四万十層群南帯の熊毛層群に貫入して形成されました。その時に熱による変成作用で熊毛層群の岩は焼しめられてホルンフェルス化した次第です。このホルンフェルスは叩くとキンキンと金属のような高い音が出ます。

右:さて,ひとしきり寛いだら帰りますか。

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左:帰りは流れに身を任せるのであっという間に流されていきます。これを沢語で「美空ひばり」といいます。(「川の流れのように」から)

右:水面の目線で見上げる風景は新鮮です。

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左:はあ~快適快適。流れに乗って流されるがままです。
右:いい加減冷えてきたので陸に上がる。楽しい溯下降でした。

という感じでした。

2007年以来の安房川下部でしたが,やはりスケールが大きく,今回は特に増水していたこともあってしっかりと楽しませてもらいました。パーティーで力を合わせ遡行でき,また,新たな経験も積むことができ皆さんに感謝です。

★次回は高千穂峰のレースに備え,大船山でバーティカルの練習をする予定です。低酸素トレーニングの成果を実地で確かめたいと思います。
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沢(屋久島) | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

 お疲れ様でした。
 あの激流を渡渉できたのは、インヤンさんの驚異的な泳力のお陰でした。あの方向に進んでいくというのは全く予想しておらず、ザイル確保しながら本当にびっくりしておりました。ありがとうございます。お陰様で、まさに爆発するトンゴの滝を見ることができました。
 ロープを使ったここまで厳しい渡渉というのは私自身初めての経験でした。あの方向では振り子渡渉ができないというのも、今後に向けていい勉強になりました。
 豊後牛もご馳走様でした。前回よりも脂が少な目で、大変美味でございました。一緒に食べたかったあ。
2019-09-22 Sun 23:59 | URL | 屋久島遡行人 #-[ 編集]
遡行人さん,安房川お疲れさまでした。

遡行か撤退かの判断が難しい状況でしたが,結果的に遡行して正解でしたね。

泳ぎが上手くいったのは,遡行人さんの最初のトライとカエルグローブのお陰です。実際の流れの見極めができたのと,遡行人さんにビレイされていたので「流されても大丈夫」という安心感も大きかったです。

今後は島へ足を運ぶ機会も増えるかもしれないので,よろしくお願いします。
2019-09-23 Mon 00:12 | URL | インヤン #-[ 編集]

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