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九州の溯渓

主に九州の溯渓記録を集めたものです。 良かったら覗いていって下さい。

ニタノオ谷・左俣 in 一ツ瀬川 〔 宮崎県椎葉村 〕

さて今回は,『 ニタノオ谷・左俣 』 をお送りします。

九州の沢の最高峰である市房山東面の沢で,境谷や鍋床谷といった名渓に引けを取らない沢です。特に出だしから高度差で375mの区間にはこれでもかというくらいに滝が連続し,その滝の密度は市房随一と言っても過言ではありません。

秋晴れの中,遡行,トレランと目いっぱい楽しみたいと思います。

ではどうぞ。

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左:出合の4m斜滝。今回で3度目の入渓ですが,あまり記憶に残っていませんでした。

右:のっけから急傾斜をいくと10m斜滝。ここからが滝のオンパレードで,息つく暇もありません。

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左:8m斜滝。
右:これも8m滝。黒いホルンフェルスに真っ白な水流がよく映えています。

※ホルンフェルス・・・花崗岩が上昇するときにその熱の影響を受けて,上昇部周辺の岩が熱変成をうけたもの。市房では四万十層の砂岩や泥岩が変質しており,硬く焼きしまっています。たたくとキンキンと金属音が出ます。

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左:最初の俣。右の本流には15m二段滝,左の支流には40m滝が懸かっています。

右:谷が左上へ曲がる地点にある8m斜滝。夏場なら釜に浸かって右手を登れますが,この時期は左巻きを選択。

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左:8m斜滝の上には50m斜滝。ここは滝を右横に見ながら登れるので爽快です。
右:そして滝場の最後の区間。まずは6mスダレ滝。

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左:お次は24m斜直滝。
右:ここは最後に落口脇の岩場を登れる。今回初めて気づきました。

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左:そして滝場のとりを飾るのは45m直滝。市房らしい真っすぐに落ちる美瀑です。上部に見えない斜滝部が隠れているので,見た目より大きい滝です。

右:この滝は黒色のホルンフェルス帯と白色の花崗岩帯のほぼ境目に懸かっているので,この上は地形が緩くなります。市房山群でも5指に入る美瀑だと思います。

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左:滝を越えると,やっと一息つけるって感じです。ここまで出発から約2時間,今風で言う「全集中」が求められます。

右:クサギ(臭木)。ここでは初めて見かけました。名前の通り葉っぱをもむと臭い匂いが立ち込めます。誰もがくさいと感じる匂いです。その反面,葉にはクレドデンドリンという血圧調整の成分が含まれているので薬草として,または若葉はあく抜きをして山菜として食することができます。

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左:恒例の大文字草。楚々とした佇まいですね~。可憐。
右:18m二段「く」字滝。茶色い岩盤が目立ちます。

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左:すると谷が開け44m広滝の登場。
右:その上には47m滝。素晴らしい眺めです。

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左:この辺りから紅葉も目立つようになってきます。

右:そして完全に花崗岩帯になったところに45mクラック滝。40m級の滝がこんなに連続するのも市房ならではです。

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左:紅葉もいい感じですね。

右:そしてニタノオ谷・左俣の白眉,長さ70m,幅30cmのクラック流。ニタノオ谷でしか見られない造形です。

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左:上から見下ろすとちょうど石堂山が対岸に見えており,構図的にも完成されています。何度来ても嘆息がもれます。

右:今日は1240m俣を左にとり,小尾根を越えて境谷の二ツ岩谷へ向かいます。谷をまたぎ美味しいとこ取りの遡行です。

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左:秋の森をガサガサ言わせながらの逍遥は,至福のひと時です。
右:25分ほどで境谷に降り立つ。

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左:すぐに草原状になり心が浮き立ちます。

右:足元で市房では珍しく透明化した水晶発見。市房の花崗岩はケイ素成分が少ないのかまたは地表に露出していないだけなのか,花崗岩中に玉のような形状で結晶化しているものが多く,ここまで透明化が進んだものは初めて見ました。

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左:そしてこれが市房で最高の「境谷パラダイス」。源頭部に広がる草原は何物にも代えがたい景観と印象を与えてくれます。今回はここでお昼寝。時間を気にせずに横になっていきます。20分程でしたが,最高のひと時を味わうことができました。

右:眠りから覚めてひと登りで縦走路。ここからトレラン仕様。市房山を越えて槇之口の登山口へ降りて,ロードを走ります。

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左:山腹もいい感じで色づいています。

右:足元にはリンドウが一杯。場所によっては埋め尽くされているほどです。紅葉,リンドウ,そしてこの高い青空。秋の山行は最高です。

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左:左奥の市房山までの行程。
右:対岸を眺める。

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左:熊本県側の市房ダム方面を見下ろす。

右:道中絶好のテン場発見。水がとれないのが難点ですが,見晴らしの良いテン場でした。ここに泊まってみたい。

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左:市房山が近づいてきます。
右:最後の登りから来し方を振り返る。

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左:右手奥には普賢岳も見えました。
右:心見の橋。

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左:そして山頂へ。1年振りです。眺めを楽しんだら下山に入ります。

右:展望岩から南尾根を俯瞰する。今年は西米良のレースがなかったので,レースを思い出しながら走ります。

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左:いいね~。
右:高い所から景色を見下ろしながら走れるのは幸せ。

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左:こんな森の中を走ったり,
右:小屋を過ぎると林道を走ったりします。

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左:紅葉を見つける度に足を止めたり,
右:市房山を振り返ったりします。

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左:尾根筋の森や,
右:斜面を駆け下り,

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左:槇之口登山道へ。標高差1,391mを下ってきました。走れば1.5時間くらいです。

右:あとは一ツ瀬川を見ながら6.2kmのロードでおしまい。

という感じで今日も一日たっぷり動き回れました。

ニタノオ谷はあまり遡行されていませんが,境谷や鍋床谷に匹敵する谷だと思います。前述したように,出だしの高度差で375mの区間の滝群は山群随一で,右俣を分けたあとの開けた区間の40m級の滝場も素晴らしいと感じます。

沢筋にこだわらなければ,右隣の鍋床谷・左俣や左隣の境谷・二ツ岩谷へ尾根を越えて気軽に行ける点も,美味しいとことりで魅力的だと思います。

やっぱり市房山東面は名渓揃いで,九州の沢の聖地と言えます。

★次回も沢をお送りします。
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